はたけ のブログ

ゆっくり生きよう。

元禄時代の下級武士が書いた日記 「鸚鵡籠中記」。

坂本竜馬勝海舟などの凄い人たちの、勇気をもらえる話も僕は好きなんですけど、一番読みたいと思ってたのが、昔の人でも市井の人が書いた日記。そういう本がないものか、と思ってました。そうしたら、こういう本がありました。

 

朝日文左衛門『鸚鵡篭中記』 (江戸時代選書)

朝日文左衛門『鸚鵡篭中記』 (江戸時代選書)

 

 この朝日文左衛門という人は、元禄時代に実際にいた下級武士。

その人が飽きもせず、20年以上も日記を書き続けていた。その日記から一部抜粋された日記が本になったのが、本書。

 

日記を読んでいくと、江戸時代の人なので昔の言葉であるし、日記なので毎日何かが起こるわけじゃないので、読んでいて途中で飽きてくるんですけど、この本の中で一番興味深かったのが、作者の加賀樹芝朗さんが書かれている、本書の解説部分だ。

 

元禄時代は、最も華やかで活気がある時代といわれているが、実際のところは、貧しいし、男女の心中自殺が多かったといわれている。この解説に書かれているが、京の奉行所のき記録によると、ある年は900人余りの心中自殺があったという。

 

数字だけみてもよくわからないので、現代と比較してみると、

現在の北海道の旭川市の人口が約35万人。そのうち直近10年のなかで一年で自殺した人数が多い年が、平成21年で99人。それ以降は減少傾向にある。

 

元禄時代の京はというと、人口がだいたい40万人くらい。上記の情報によると、現在の3倍近くの自殺者があったととれる。しかも心中自殺のデータなので、個人で自殺した人の数も加えると、もっと数は多かったともとれる。

 

表向きは華やかだけれども、内実は貧しく苦しい。楽しいことがさほどない。

火事もたくさんあったし、天災が起きたら江戸は壊滅状態になっただろう。人もたくさんなくなっただろう。

そんな中でも、人々は何とか生きている。

 

こういう構図をみると、現代にも当てはまるものがあるし、昔は良かったみたいな言い方をされることがあるけれど、その時代にはその時代の苦しみがあったわけで、昔のことを羨んでも仕方のないことだとも思ってしまう。