はたけ のブログ

ラジオの文字起こしをしてます。現在は「高城未来ラジオ」と「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」をやっています。文字起こし専門のブログにしました。

高城未来ラジオ第二十九回:農業の真実ー野口勲さん/野口種苗研究所所長(後編)

ラジオ音源です

第29回 農業の真実 -野口勲さん/野口種苗研究所所長(後編) - 高城未来ラジオ

 

ー高城のナレーションー

今回は前回に引き続き、日本で唯一固定種だけを扱うお店、野口の種三代目野口勲さんをお迎えしまして、日本の食環境の問題についてお話しいただく後半です。

 

いったい、世界の種事情はどうなっているのでしょうか。

 

そして、少子化不妊の原因が種にあるのでしょうか。

高城:北欧にスバールバル研究所っていうのがあって、世界中の種を冷凍保存してますよね?あれはどんどんなくなっている固定種の種を保護するためでしょうか?

野口:独占するためです。

高城:独占するため?

野口ビル・ゲイツ財団とかね。

高城:メリンダー・ゲイツ財団があれに随分お金を出してますが、北欧の氷山の中と言いますか、天然の冷凍庫の中に世界中の原種、種、苗、あらゆるものをノアの箱舟のように置くプロジェクトが進んでいます。あれについていかがお考えですか?

野口:技術の根本というのは、零下18度から20度くらいで保存すると、種は1000年でも2000年でも生き続けているという仮説でやっているんですけど、それを研究発表したのは日本の農水省のジーンバンクなんですね。

高城:なるほど。

野口:その農水省のジーンバンクは、F1になることがわかってきたんで、そういう昔からの在来の固定種を保護するために、日本中の種屋から固定種の種を集めて、筑波のジーンバンクに保存したわけです。それが1980年代。本当は10年ごとにでも出して、一旦また畑で栽培して種を新しくとりなおして、また保存するというのが最初の狙いだったんですけど、日本にお金なくなって、あれは何の時だったか。オイルショックだったか、、

高城バブル崩壊じゃないでしょうか?

野口バブル崩壊かな。とにかくお金が出せなくなったんで、ただただ零下18度から20度くらいで保存しているだけ。それだと東京の種苗会社の人が、「野口さん、ジーンバンクから1つ5000円払って、10何種類の菜っ葉をF1の素材に使えないかと思って分けてもらったよ」って。どうでした?ってきいたら、「それがね芽が出たのは1種類だけだった。あとは一つも芽が出なかった」と。つまり種が死んじゃってたってことですね。

高城:それはたまに土に戻してないからってことですね?

野口:そうですね。

高城:ということは、今スバールバル研究所で冷やしてるものは死んでる可能性があると?(笑)

野口:死骸を延々と電気代かけて。

高城:すごい大金をかけたプロジェクトですよ?世界のノアの箱舟と呼ばれてますよ?

野口:無駄なことやってると思いますよ。

高城:ということは、種というのは冷凍保存には向かないもので、、

野口:生命というのは代謝を止められたら、種になってもそんなに長く生きてるもんじゃない。

高城:ある程度保存は出来たとしても、たまに土に戻してもう一回種取りして冷凍保存して、ということを繰り返さなければ。

野口:それだと永遠の命ですよね。

高城:なるほど。日本の状況は悲観的な状況も見えつつありますが、世界を見渡すとどうなんでしょうか?

野口:その辺が問題なんで、フランスは農業国家ですよね?で、フランスの人たちっていうのはずっと自家採種でいろんなものを作ってきたわけで。ところがEUが出来るとフランスで作った野菜もドイツの工業製品も、関税を撤廃して同じ金額で売るということになるわけですね。同じ金額で売るための野菜というのは、農家が勝手に自家採種した大きさがバラバラな野菜では、同じ金額で流通出来ないから、フランスの種苗会社がこの種をEU圏内で販売する野菜の種として認めて下さいと申請をして、国が許可をしたものしか、種は流通出来なくなった。いわばF1みたいな均一な野菜が出来る種しか売ってはいけなくなった。それまではフランスの農業は普通に種を取っていたわけですね。種の交換会みたいなのに出品しただけで、種の流通違反ということになって、、

高城:逮捕なんですか⁉︎

野口:投獄されちゃってるっていう。年間でフランスで70人くらいが逮捕されてるんです。

高城:農業大国だから、捕まる人も多いということですね。一方オランダも農業大国で、ただ品種改良や種の改良も進んでいます。科学的な農業大国ですが、オランダみたいな現状はどうなっているんでしょうか?

野口:もちろんF1ですね。

高城:ということは、固定種が最も残っている国というのはどこなんでしょうか?

野口:どこでしょうね。

高城:日本では野口さんが、いまいらっしゃいます。他の国はどうなんでしょう?

野口:この間アメリカから、伝統野菜の種を売っている会社の社長さんが家族でウチで種買いにきましたね。で、日本のそういう種を欲しいといって、持って帰られましたけど、そこは全部固定種でやってますね。

高城:ということは、アメリカにも野口さんみたいな方がちょっとはいらっしゃる?

野口:いますね。

高城:これドンドン状況が悪くなっていくと思うんですけども、どうしたらいいんでしょうか?

野口:自分で種取りをする人を増やすしかない。昔はみんな昭和30年代くらいまではそうやってた。世界中の人間がやってたわけですね。それが売るための野菜とか穀物っていうのは、買った種でないと売るような規格に出来ないから、プロの農家はみんな種は買うものだとなっちゃったわけですね。種を買うものだとなっちゃったために種屋を支配すれば世界の食糧が支配できる。世界の食糧を支配できれば世界を支配出来ると、そういうことでモンサントとかケミカル産業とかがドンドン乗り出していった。

高城:デュボンもそうでしょうね。

野口:そうです。昔は僕が種屋をやるときには、種屋の会合なんかに行くと、種を支配すれば世界を支配するっていう言葉が流行りだして、どうやって支配するんですかね?っていう風に思っていたら、自家採種出来ない種ばっかりになっちゃった。こういうことだったんだって今になってわかるようになった。

高城:ということは、流通とかビジネスを考えるんではなく、自分の食べるものや少量で確実に種をとるものを育て、種を採ってドンドン増やしていく。ということしかないということでしょうか?

野口:そう思います。

高城:これはかなり時間がかかりますねー。

野口:徒労に終わるかもしれません。僕の世代では。でも世の中の売ってる種がみんな、例えば種が採れない種とか遺伝子組み換えとかゲノム編集とか、誰かの権利を侵害しちゃいけないというものばっかりになったときに、ドンドン子供が生まれなくなっていたり、世界中でそうなってるわけですね。

高城不妊ですね?

野口不妊ですね。そのときに原因が種にあったということを誰かが証明したときに、一挙に文明が元に戻る。文化というのは耕作から始まってるわけですから、どこかに生き残っている種があれば、人類を滅亡から救うかもしれませんから是非種を採って下さい、と僕は極端なことを言って売ってるんですが。

高城:ただもうそれしかないかもしれませんね。最後の方法というか。もう一回元に戻ったときに、種がなかったらどうしようもないわけですから。それを個人が保存する。

野口ビル・ゲイツ財団なんかに任せるんじゃなしに、個人が自分と家庭で守る。守るというか楽しんでね。

高城:まずは自分の好きなものを育ててみろと?

口:そうですそうです。

高城:そしてその種をもう一回採って、それで育ててみろってことですよね?

野口:そうですそうです。

高城:ちょっと僕もやってみましょうかね。楽しみですね。

 

ー高城のナレーションー

 

マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツの財団、ビルアンドメリンダーゲイツ財団が大金を出してることで知られる北欧にあるスバールバル研究所は、世界中の種を集め冷凍保存をしていることから、21世紀のノアの箱舟とまで言われています。

 

しかし、その実態は死んでいる種を保存していることが極めて高いという話は、驚きです。

 

また、不妊が増えていることについてその原因は、野菜もどき、種なしのF1種で出来た野菜を食べている可能性が高いという話も、本当にビックリしました。

 

種を支配するものは世界を支配する、とはよく言ったものです。

 

もはや、理解ある個人が一粒万倍なる無限の命を持つ種を子孫に残すことしか、人類の滅亡を防ぐ手はないのかもしれません。

 

次回もまた、新しい世界を垣間見たいと思います。