ラジオの文字起こしのブログ

「高城未来ラジオ」と「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」のラジオ文字起こしをやっています。

鈴木敏夫のジブリ汗まみれ:ドワンゴ川上量生とはどんな人なのか?

 

2011年1月25日放送の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」にて、ドワンゴ代表取締役会長の川上量生さんと株式会社麻生代表取締役社長の麻生巌さんが、鈴木さんの仕事場であるレンガ屋にやってきてお話しされています。

 

川上さんの人生観やドワンゴ設立のきっかけ、これからの人類の行く末など、話が多岐にわたりとても興味深い内容となっています。

 

川上量生さんの人生の目的とは?

鈴木敏夫:それこそ麻生の巌(げん)ちゃんがドワンゴニコニコ動画の川上っていう会長に会わないかって言われてね、本当嫌でねー。だってベンチャー企業でしょ?おまけに会長でしょ?会長って名前聞くだけであんまり好きじゃなくて。それで現れたら破れたジーパン、酷い格好で来て未だに忘れないけど、そんなややこしい肩書きつけるな!っていう話をね(笑)

川上量生ベンチャー業界って前向きな人多いじゃないですか?テッペンとるんだ!とりあえずトップになる!Googleを超える!とか。あの感覚が全くわかんないんですよ。

鈴木敏夫:だから実はこういう方だったんでね、こんな前向きじゃない人が何でこんなに一生懸命やってるんだろうと思って。川上さんの人生の目的って何なんですか?

川上量生:人生の目的ですか?これって真面目に答える、、

鈴木敏夫:いやもうドンドン。

川上量生:本当の話をすると、人生の目的っていうのは、僕は27で僕的な人生終わってるんですよね。26ぐらいかな?それで終わってるんですよ。(中略)あんまり欲望とかないんですよ。ずっと月給50万くらいあったら、あとは遊んでいればいいかな、みたいな。部屋の中で。26くらいに思ったんですよ。その時に会社が潰れたんですよ。ソフトウェアジャパンが潰れたんですよ。その時に僕はこれからもうオマケの人生だって思って、他の人をもっと幸せにする会社を作るということでドワンゴを作ったんですよ。で、どういう人を幸せにするかっていったら、僕と同じでネットにハマりすぎて人生を見失っている、優秀なんだけどこの子の未来暗いな、みたいな子が働ける会社を作ろうと思ってドワンゴを作ったんですよ。そこから会社を使って何をしたかといったら、そういう人生を踏み外した、いわゆる廃人と呼ばれてるゲーマーを全員クビにしたんですよ。働かないから(笑)僕はその時点で人生見失ってるんですよ。目的を(笑)人を助けようと思って作った会社で、助けようと思った人たちをクビにしたっていうのがドワンゴを作って最初にやったことだったんですよ(笑)そこからは親の金とかも借りて会社も作っちゃったんで、これ失敗させちゃったら人を助けるどころか親が路頭に迷っちゃうから、しょうがなしに逃げれないっていうので、目標を見失ったまま、後ろ向きな理由で働いてきたのが僕の今までの人生なんで。そういう意味では見失っている状態なんです。決めた目標がどっかに行っちゃって。別に本当の目標っていったらないです。

鈴木敏夫:ない?

川上量生:ないっていうか、今やってることってどういうことやってるかっていうと、対外的にはニコニコ動画やったりっていうのは、論理的に思ってこういうこと出来るなって思ってやってることで、僕の感情からやってることじゃないんですよね。感情からやってることっていったら、たぶん外からは宣伝だって思われてますけど、ウチって例えば2ちゃんねる採用とか2ちゃんねるばっかりやってるような人、学歴は大卒未満、大学在学の人は卒業の意思がない人に限るとかっていうようにやってるんですよね。中卒高卒のみで、在学している人は卒業の意思がない人を採用したりだとか、どうしようもない人間を採用してるんですよ。普通の会社だったら採らない、実力はあるんだけど普通の会社だったら採らない人とかを採用してるんですけど、実は僕にしてみたら、それは失った目的を少しでも埋め合わせようとする行為で、僕にとっては実はそっちの方が一番やりたくてやってることなんですよ。だから今もその求人とかでも他の会社が採らないような人を採れるようにしたいと思ってて。もう学校行かなくていいから、そのまま内定出したら学校辞めて来い!みたいなことを大手振ってやろうと思ってるんですけど(笑)飛び入社みたいな。

 

川上さんが考えるGoogleの弱点とは?

鈴木敏夫:でも躍進してるんですよね?ニコニコ動画

麻生巌:そうですね。

鈴木敏夫:何やりたいんですか?ニコニコ動画で。まぁ今もやってるんですけど。

川上量生:僕興味のあることしかやりたくないんですよ。それで自由に興味があるっていうか、ゲーム好きなんでパズルとかゲームと思って仕事してるんですよね。じゃあどういうパズルを解こうかっていうので僕が興味を持ってるのが、みんな同じこと言うじゃないですか?例えば経営とかってこういうふ風にやるべきだ、ITビジネスはこういう風にやるべきだってノウハウ、マニュアルがありますよね?言説があって。その通りにやる人達って、これ僕の世界観なんですけど、それって人間じゃないんですよね。何かのイデオロギーミーム、社会的な生命体の歯車になってる奴隷になってる人間であって。

鈴木敏夫:そういう人たちがね?

川上量生:そうそう。実際そうじゃないですか?例えば資本主義の奴隷みたいな人だと思うんですよね。金融とか資本の論理で動く人っていうのは、全体の価値観通りに動くマシンみたいな存在じゃないですか?それは嫌だなと思っていて。たぶん人類の歴史を考えると、将棋がプロが勝てなくなっていて、チェスなんかもう勝てないですけど。将棋はもう実際はもう勝てなくなってる可能性がありますよね。戦ってないだけで。囲碁もあと10年20年くらいしかもたないんですよ。そうしたらボードゲームの世界では人間っていうのが最強じゃなくなってるんですよ。ミームが支配している世の中っていうのも、実は人間は気づいていないだけで、たぶん人間じゃなくってロジックという生命体が世の中をドンドン支配しつつあって。

麻生巌:証券取引だってそういう部分ありますよね?

川上量生:完全に人間が制御できないもんね。人間がコントロール出来ないんですよ。コントロール出来なくてアルゴリズムの事実進化みたいなもので、いま社会は進化していて、人間の入る余地っていうのがドンドン狭くなっていて、たぶん21世紀は最後の人間の世紀なんですよ。

鈴木敏夫:どっかで破綻することとかってないんですか?

川上量生:人類が滅びるということがあるんだったら、それに乗っかって一緒に破綻するっていうシナリオはあり得ると思います。でも人類が破綻しないでも文明が退化すれば、まだ人間の歴史っていうのは生き延びると思うんですけど、進化していく以上は社会全体を動かしているルールみたいなものっていうのが事実的に進化していますよね。

鈴木敏夫:自分で育っていっちゃってる?

川上量生:はい。資本主義もそうですし、今の経済システムもそうですよね。格闘技とかスポーツとかもそうで、結局ドンドンロジック同士の戦いになっていくと、みんな同じ戦法を使い始めたりだとか、1個に収縮し始めるんですよ。収縮し始めるってプレイしているのが人間じゃないですよね?そういうのよく見てると。構成するパーツであって。そういう現象っていうのは世界の各地で起こっていて、ネットを使って独裁云々みたいなこと言ってますけど、この未来っていうのは独裁者が出来ない未来なんですよ。21世紀っていうのは。人間ひとりが独裁するのは不可能なんですね。ひょっとしたら10年前20年前だったら、日本は小沢一郎さんが日本をコントロールする世の中っていうのは誕生したかもしれない。けれども今の時代って小沢さんが失脚したら、もう出て来ないと思うんだよね。可能性がある人すら出て来ないと思うんですよ。それは人材がいない云々ではなくて社会的にそういう人が存在出来なくなっちゃう世の中になっていって、これは世界的に起こってる現象だと思うんですよ。

(中略)

川上量生:残っている間に世界ってすんごく変わりますよね。

麻生巌:変わるでしょうねー。

鈴木敏夫:アメリカがどうやって崩壊するのかなって。やっぱり中国の台頭ですよ。

麻生巌:中国もさっき川上さんが言われたロジックに物凄くコントロールされてると思いますね。鄧小平まではわからないですけど、今の彼らはお金が入ったらこうするのが一番合理的っていうのに基づいて行動していると思うんですよね。

川上量生Googleに代表されるシリコンバレー発のネットのイデオロギーって何なのかっていったら、人間を部品化して見るってことだと思うんですよね。人間をパーツとしてそのパーツの集合体で熱力学機関を作ってるんですよ。そしてそのエンジンから得られる動力とかを広告費なんかで集めるっていうモデルなんですね。GoogleってCPMってクリックパーなんたらって用語を作るの好きじゃないですか?あの人たちって。そうしたらどういう世界が出来たのかっていったら、クリックする機械みたいな人間が増えたんですよ。ブログもそうで、ブログとかもGoogleで検索すると、そのブログって機械で自動生成されたブログなんですよね。文章が日本語なのか意味があるのかわからなくて、実は自動生成されてるブログで。ブログも半分以上が機械でつくったブログなんですよ。いまSEOって流行ってますけど、それって何なのかっていったら、Google検索エンジンがこのページは重要だって思ってくれて、10人を上げるためのやつなんですよ。これってマーケティングでいったらGoogleのロボット相手のマーケティングをしてるんですよ。既に人間を見てないんですよ。

麻生巌:ロボットとロボットがやってるわけですよね。

川上量生:そう、ロボットとロボットがやってるんですよ。Googleは機械で出来ることは全部機械でやって人間にやらせないっていうような哲学があるんですけど、Google的未来には人間の住む場所が少なくなってるんですよ。機械が住んでるんですよ。それが僕はGoogle的価値観の一番の欠点だと思ってるんですよね。まだ世の中を支配しているのは何だかんだ言って、最終的な財布を握っているのは人間の方なんで、人間の機械に対する反乱みたいなエネルギーが世の中には潜在的に存在しているはずだと思っていて、Googleって好きな人ってIT業界多いですけど、Googleが支配する世界に対して、あまりバラ色の世界じゃないなって感覚って世の中全体にあると思うんです。Googleの理想の世界に人間の居場所があるのかってみんな潜在的に思ってると思っていて。

麻生巌:そういう意味で、ニコ動ってすごくラッキーパンチだと思うんですよね。GREEとモバゲーってすごくロジカルなんですよ。特にモバゲーとかすごくロジカルだと思うんですよ。携帯っていうプラットフォームがあって、タダのゲームを配信してそれに入ってもらって、課金をする。高度経済学の観点から見てもすごく合理だと思うんですよ。ニコ動は全く合理じゃないですよね。

川上量生:全く合理的じゃない。

麻生巌:僕変な話、上手くいくのかなーって思ってましたもん(笑)

鈴木敏夫:だってね、世界を変えた人たちって上からもの見てないんですよ。地面から見てるもん。それが歴史だもん。

川上量生:論理って必ず穴があるんですよ。段々完璧に近づいていくのかもしれないんだけど、大体簡単な論理がいくから、相当な矛盾を抱えていて。まだネットの世界を支配しているGoogle的世界観の論理って、まだまだ荒いと思っていて。

鈴木敏夫:論理の人って要素をいっぱい出さなきゃいけないでしょ?その要素足りないですよね?大概。

川上量生:そうです。物事を単純化しようとするので。

鈴木敏夫:論理の人ってやっぱり単純だと思うんだよなー。

川上量生:単純化された世界を本当の世界と思ってしまう人がいて、作った論理を世界と思いたがる人っていうのが多いんですよ。論理の人って。これはすごく弱いパターンで、そこを突いていくっていうのが人間が出来ることなんですよ。人間のロジックの方が機械のロジックよりも強いっていう。何回は勝てると思うんですよ。そのうちの1回ぐらいをやるのに出来たら面白いなーと思って、僕やってるんですね。目指すのはニッチなんだけど、最大のニッチを目指そう。最大のニッチは何処かっていったら、アンチGoogleの世界観だ。で、アンチGoogleの世界観を表す標語っていうのを作ったんですよね。それは「Google機械帝国」っていう標語だったんです(笑)Google機械帝国に対する反乱。

鈴木敏夫:狭い範囲でいうと、人間と機械と戦って機械に勝つっていうんですか?

川上量生:はい。っていうかひと花咲かせる。

鈴木敏夫:一矢報いる。

川上量生:一矢報いる。っていうパズルは面白いなーと思ってやってるんですよね。

鈴木敏夫:面白いこと考えてますね。