ラジオの文字起こしのブログ

「高城未来ラジオ」と「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」のラジオ文字起こしをやっています。

高城未来ラジオ第三十六回:アメリカはすでに破綻しているのか?ー佐久間裕美子さん/NY在住ジャーナリスト(前編)

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ー高城のナレーションー

 

今回は、米国ミシガン州デトロイトからフリントへ向かう高速道路を走る車の中で番組を収録しています。

 

ゲストは、ニューヨーク在住のジャーナリスト佐久間裕美子さんをお招きして、ラストベルトと呼ばれる僕らの知らないもう一つのアメリカのお話をお伺いします。

 

いったい、トランプ大統領が生まれた背景には何があるのでしょうか。

 

そして、この先アメリカはどうなっていくのでしょうか。

 

高城:佐久間さんはもうアメリカ生活長いですよね?

佐久間:はい。96年に学生として来て以来なので。

高城:じゃあもう20年以上ですね。

佐久間:はい、もうあっという間に。

高城:佐久間さんは大統領選の前には、全米飛び回るくらいご自身のご興味も兼ねてだと思いますけど、いつぐらいから大統領選を追いかけることを始めたんですか?

佐久間:実際にアメリカのなるべくたくさんのところを周ってというのをを初めにしたのは、2008年に、、

高城オバマのとき? 

佐久間:はい。

高城:まさにあの時チェンジを感じたってことですかね?

佐久間:そうですね。何か起こるんじゃないかなという気がしたのと、アメリカに10年住んで、自分がどれだけこの国のことを知らないかっていうことを、1度確認した方が良いんじゃないかなと思ったりしたんで。

高城:実際に田舎というと言葉に語弊があるかもしれませんが、アメリカの田舎に行って知らないこといっぱいありました?10年以上お住まいになってると思いますが。

佐久間:全然違いますよね、カルチャーが。ニューヨークの人って農村部の人を馬鹿にしたりとかしていて、それ以前の選挙だとブッシュ大統領イラク戦争のこととかあって、都会人から見ると共和党に投票する人の気持ちがわからないというか、どういう理由で戦争を仕掛けていくような政権をサポート出来るのかっていうのが全くわからないじゃないですか?それを知りたいなと思って行ったんですけど、生活の現実が全く違うから。例えば共和党に投票するってことでも、ブッシュという人を支持するとも限らないし、イラク戦争を支持するとも限らないですよね?もうちょっと現実的に民主党が政権を握ってしまうと環境政策がキツくなってしまうとか、規制がキツくなるとか、税金が高くなってしまうとか、あとは宗教的な理由ですよね。信仰心の強い人たちは中絶をサポートする党に投票できないとか、周りから見てる現実と違うんだなっていうのがわかった旅でした。

高城:今日もフリントっていう普段日本人が行かない所に来てるわけですけど、日本から見てると、例えばニューヨークとかロサンゼルスとかシリコンバレーとかハワイとかポートランドとかは、簡単に言えば負けたアメリカですよね?

佐久間:そうですね。

高城:勝ったアメリカ、すなわちトランプのアメリカ、フリントとかこの辺の五大湖の周りっていうのは勝ったアメリカになると思うんですが、日本から見たらもう一つのアメリカ、かつてのB面のアメリカ、これズバリいうと何が違うんですか?知らない人多いでしょ?

佐久間:言語化するのが難しいんですよね。勝ったアメリカって今まで負けてきたところなんですよね。負けてきた人たちが雇用が海外に流出しちゃうとか、ずっと負け続けて、iPhone持ってテクノロジー駆使してっていう生き方から引き離されていって、いま世の中が進み切っていくいこうとするときに、自分たちの気持ちを代弁してくれる人が現れたっていうことで、そこから反乱が始まったわけですよね。

高城:すなわちオールドスクールっていうことですかね?

佐久間オールドスクールですね。アメリカは昔は良かったと思ってる製造業の人たち。あとは白人男性。

高城:開けてみてビックリっていう人が多いと思うんですけど、二大政党が終わって、トランプが進めようとする道は、新しいリバタリアンみたいな道ではないかという人もいます。これについてはいかがですか?

佐久間:どういう意味でのリバタリアンですかね?

高城:いわゆるスーパーバックを否定して、企業も個人も自分の裁量で考えていく方向にもっていくんじゃないかと。

佐久間:それが出来るとしたら、もし本当にそういう政策を出来るとしたら、すごいことだと思うんですよ。良い意味でも悪い意味でも大統領って限られてますよね?彼がやってることで大統領の謁見だろっていうギリギリのこともあって、問題は最終的に裁判所が判断することになるんですけど、現行のシステムの中で大統領をやりながら、それが出来るのかっていうのはありますよね。

高城:すなわち、あまり変わらないんじゃないかということでしょうか?

佐久間:政治のシステム自体を変えることって、トランプさんだけじゃなくて二大政党自体が古くなっているということを言われますけど、実際変えるためにどうなのかっていう、例えばエレクトラルカレッジ、選挙人システムですよね?あれだって変えようと思ってる人っていくらでもいるし、毎回人口と所得のバランスみたいなことを問題になるわけですよね?でも、それを変えようと思うと、根本的に変えないといけなくて、憲法の中に入っちゃってるから。

高城:19世紀の文化ですよね?2世紀前の文化で。トランプがこのまま大統領少なくとも数年はやります。どう変わるとお考えですか?何も変わらない?佐久間さんいかがですか?アメリカに20年住んでらっしゃって。

佐久間:すごく振れの激しい国だと思いますよね。オバマで左に揺れて、それの揺り戻しが今回の選挙だとして、今の左派のやってることとか、それ以降の地方自治体の選挙とかを見てると、また左に振れるんじゃないかなーっていう風な気はしますね。その左っていうのが今までのリベラルとは一線を画して、、

高城バーニー・サンダースですね?

佐久間:そう、バーニー・サンダースだったり。右左軸が古かったわけですよね?バーニー・サンダースが支持されたこととか、トランプが共和党のプロパ全員抑えて大統領なったこととかって、私たちが考えてる軸が古くなっているんじゃないかっていうところはあって、新しい左が出てくる可能性もあると思うんですけど。

高城:それはファーレフトとかオルトレフトとは違うんですか?

佐久間:結局今ある中からのハイブリッドみたいな新たなプログレッシブというか、リベラリズムみたいなものが生まれるんじゃないかなーっていう風に思いますけどね。

高城:すなわち、レフトとかライトじゃなくて、プログレッシブってことですね?

佐久間:そうですね。

高城:トランプ政権は次乗り越えて、8年続くとお考えですか?

佐久間:いや、それはないんじゃないかなーって思いますね。

高城:佐久間さん的には4年で終わりだと?

佐久間:もしかしたらそれより早く終わっちゃうかも。

高城:4年より早く終わる?その可能性は?

佐久間:やってはいけないこと、法律違反スレスレの倫理的に大統領がこれをするのはいかがか、というのをルール無視でやっちゃってるので。例えば、毎週自分の持ってるゴルフ場でゴルフをしているとか、政権に課金しているわけですよね?ホワイトハウスに課金している。外国の政府に課金している。これらは限りなく黒に近いグレーだと。

高城:佐久間さん、トランプだいぶトランプ嫌いですね?

佐久間:だいぶ嫌いですね。それは日本の人からは分かりづらいかもしれないんだけども、自分が女性でアジア人であるという組み合わせでいくと、共和党の候補を良いということは相当ハードル高いですからね。

高城:さらにトランプですからね?かなり高いですよね?

佐久間:かなり高いですね。

 

ー高城のナレーションー

 

トランプは4年ももたないとお話しいただきましたが、その背景には米国で生きる東洋人女性の苦悩を感じます。

 

選挙中、アメリカファーストと声高々に何度も叫んだトランプの主張には、残念ながら米国で暮らす日本人は含まれていません。

 

これは移民大国として、世界中の優秀な人材を飲み込んで大きくなってきた米国の歴史的転換点のように思います。

 

まるである日を境に、表と裏がひっくり返ったような印象すら持ちますが、果たして新しい米国はどこに向かうのでしょうか?

 

次週も引き続き、ラストベルトからお届けします。