はたけ の日記

ゆっくり生きよう。

川上未映子・著「ほかの誰よりも最高の気分」




「すばる」という雑誌に寄稿されている、川上嬢の最新作である。

吾輩、この方の大ファンである。
プライベートでは、ファンレターを送らせてもらったりしている。
そのぐらい好きな作家さんである。

内容としては、3編の短編が収録されている。言葉が悪いかもしれないが、
何てことない日常を描いているとも思える3編なのである。

例えば、「ベッラのシーツの冷たい部分」という作品は、ベッラという女性がいて、この女性は社交場にいるような方なので、おそらく男を惑わすような美貌をもっている。

その女性が冬の夜、ベッドに入りシーツが冷たい、と気づくだけの話なのである。

何かドラマチックな展開があるわけでもない、ページにして2ページほどの長さ。

読む人によると、
「だから?」
と言われても仕方ない作品とも言えるのである。

ここで吾輩、視点を変えてみる。
こう読んでみた。

このベッラという女性、シーツが冷たいと感じた瞬間に、シーツより自分の足が暖かいことに気づいた。

「暖かさ=幸せ」
とすると

このシーンは自分の中に幸せは既にあった、ということに気づいた瞬間だった。
そういう読み方も出来なくもないシーンだと思ったのである。

つまり、吾輩何を言いたいのかというと、

視点を変えるだけで人は幸せにも不幸せにもなれる

ということ。

先程も言ったが、ある人にとっては
「なんだこれ。だからどうしたわけ?」
といってスルーしてしまうこともあるわけである。

この人にとっては、この短編は何てことない通り過ぎていく風景のような存在である。

しかし、吾輩にとってこの短編は
「出会えてよかった!やはり川上嬢の作品は何かが違う!」
と感じさせてもらえるものがあるのである。

実際に吾輩、この作品を読んだだけで、なんだか救われた感覚になったのである。
たったこれだけの長さの作品ではあるのだが、そういう感覚になる、というのは何なんだろうか。

よくわからないのであるが、
これはそういう解釈ができた吾輩がすごいのであろうか。
それともそういう作品を書いた川上嬢がすごいのか。

何なのであろう。



全然自分の気持ちを上手く整理できないのであるが
とにかく、言えることは

川上嬢に感謝!

なのである。

そして、吾輩がなぜこういう視点を持てるようになったのか、
それは川上嬢がこのラジオに出演されていたからなのである。