はたけ の日記

ゆっくり生きよう。

「あるがままに自閉症です」




自閉症で作家の東田直樹氏の最新刊。

こうやって本が出せるようになってきてはいるけれど、まだまだ「自閉症」は、一般のひとから距離を置かれている病気だと思う。
それは「自閉症」のひとに見られる言動・行動が、いわゆる一般のひとに理解されないから、と思われる。

でも、いわゆる健常者といわれている人たちでさえ、お互いのことをわかりあえることが出来ないことはある。
そのわかりあえなさの程度が、自閉症の人だととても大きくなる、ということ。



障害者はわかってないわけではない


・障害は、誰にでも起こることではありません。だから、親が同じような障害を持っていない限り、親といっても障害者の本当の気持ちはわかりません。知っているふりをしないことです。「君が苦労しているのはわかっている」とか「あなたより大変な人だってたくさんいる」などと言ってはだめです。
 もっと口に出してはいけないことがあります。それは「お母さんだって、つらいのよ」という言葉です。そんなことを言われたら、子供は自分の気持ちを押し殺し、ただ謝ることしかできません。
これは障害者に限らず、誰でも感じることだ。知ったかぶりほど信用できないことはない。「あなたより大変な人だってたくさんいる」「だから、あなたももっと頑張りなさい」などと言われてしまうと、げんなりしてしまう。これでは今の自分を否定されていることになる。この時点で結構な努力をしていた場合、この努力に加えて「もっと」と言われるのは精神的にキツイものがある。ましてや、この努力が結果にならなかったときは尚更。



出来ないことは悪いことではない

・障害者にとってつらいのは、普通の人ができることができないことではなく、できない気持ちをわかってもらえないことではないでしょうか。
 できないのを、さぼっているとか、ふざけているとか、わざとしないとか言われることほどつらいことはありません。それは、普通の人と障害者の間だけではなく、障害者同士の間でも起きる問題なのです。
 苦手なことを克服する努力はもちろん必要です。けれども、障害が原因で起きることについては、急に良くなることのほうが少ないと思います。ひょっとすると、もうどうしようもないのかもしれません。それでも、治す努力を続けていかなければならないのです。
 なぜなら、そうしなければ少数派の僕たちの居場所は、この社会にはないからです。
 誰もが必死に生きています。それは大切なことですが、どこか寂しいと感じるのは僕だけでしょうか。
「周りの人が出来るのに、なんであなただけ出来ないの!?」と吾輩も親に言われたことがある。
これに対して、吾輩は何も言いかえすことができなかった。
言いかえすかわりに、抑えきれないもどかしさ、そして、もどかしさを発散するために障子を足で蹴り破るというカタチになった。
この言葉は誰にも言ってはいけない言葉だと実感した。



「みんな違ってみんないい」とはこういう場面で使う言葉

・何かを嫌がっているように見えるとき、その人が理由を話せない限りは想像するしかありません。相手の気持ちを思いやることは大切ですが、自分がこうだから、相手もこうに違いないと思い込むのは危険だと感じます。
 これまで僕は、自閉症者の思いもみんなとそれほど違わないと言ってきましたが、それは主に感情の部分であって、理由はそれぞれです。
 たとえば、我慢できないことがあった場合、辛いという気持ちに共感できても、なぜ我慢ができないのかは、損人によって理由が異なるのではないでしょうか。
 相手の気持ちになって共感してあげることは重要だと思いますが、理由まで決めつけないでほしいのです。もし
、それが間違っていたとしたら、余計に相手を傷つけてしまうからです。
「私は、こうではないかと思っているよ」でいいのです。
 自分の気持ちを、すべてわかったように言われると腹が立ったり、悲しくなったりするものです。普通の人でも同じように、理由を決めつけられて嫌な思いをしたことがあるのではないでしょうか。
他人のことを一から十まで理解することはできない。それを相手のことをあたかも知ってるかのように振舞うことは、誰だって嫌なのだ。それは自閉症であろうと、誰だろうと関係ないのである。



「障害者」だって、同じ人間

知的障害のある人は難しいことが考えられない、だから心の中も生まれた時のまま純粋に違いない、と想像されるのは無理もありません。しかし、そんなことはないと思います。 
 誰もが生まれた時には真っ白です。
 もし、知的障害者が純粋なままなら、泣くことも、起こることも、笑うこともないでしょう。僕は心の中をうまく表現できないだけで、知的障害者にもみんなと同じような思いや感情はあると考えています。
 (中略)
 知的障害者の中にも純粋な人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
 こんなにつらい毎日を過ごしているのに、純粋なままでいられるのなら、その人はすごい人だと思います。

この本を全部読んだわけではないが、今のところ一番驚いたのがこの文章。「なんだ。普通の人間じゃん」と思ったわけである。この文章を読んで吾輩、とても嬉しかった。


いまのところ全体を通して感じるのは、自閉症だろうとなんだろうと、根本ではみんな感じてることはみんな同じである、ということ。では、何が違うのか。これは吾輩の推測であるが、外界からの刺激に人並み以上に敏感である、そのためにそれに反比例するように自分を守るために内に塞ぎ込んでしまうのではないか、というのが吾輩の推測。

まだまだわかってない部分が多すぎる。実際に会ってみたいのである。