鈴木敏夫のジブリ汗まみれを文字起こしするブログ

ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」の文字起こしをやっています。https://twitter.com/hatake4633

映画「ドライブ・マイ・カー」について語る(前編)

2021年9月19日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

https://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol702.mp3

 

ーナレーションー

今週は、オンラインサロン『鈴木Pファミリー』のメンバーをゲストにお招きして、鈴木さん、鈴木さんの娘の麻美子さん、そして小松季弘さんと、映画『ドライブ・マイ・カー』について語る映画談義(前編)です。

 

村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』は、第74回カンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初の脚本賞を受賞。加えて、ほか4冠獲得の偉業を果たしました。

 

出演者は、飯野洋平さん、小崎真寛さん、谷口真彦さん、野口智代さん、沖田知也さん、石川智優さん、町田有也さん、新井美穂さんです。まずはこんなお話から。

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藤巻な人生★藤岡藤巻

2007年10月14日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol02.mp3

 

鈴木:僕の作ってきたタイトル。いい加減に作ったやつだからいいんですけど、一応作ったんで。ぜひ勿体ないんで。ラジオ聴いてる人にはもう、、

 

女性:ああーー。

 

男性::はぁーー。

 

鈴木:僕ね、「汗まみれ」って言葉好きなんです。言葉言葉で言ってしまえば、「ジブリ汗まみれ」。

 

男性:ラジオなのに「汗まみれ」っていうところが面白いですね。

 

鈴木:あ、そうですか?好きな言葉なんです。

 

男性:こんなタイトルはないですね。

 

鈴木:新しいことやってみたいじゃないですか。「汗まみれ」っていう言葉はなかなかなくて、耳に残るかなって思って。

 

ーナレーションー

そんなわけでタイトル決定。よかった。

 

鈴木:決定ですか!「汗まみれ」に決定ですか?ありがとうございます。

 

ーナレーションー

それじゃあ、タイトルコールいきまーす。

 

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

鈴木:こんばんは。今度、主題歌を歌っていただきありがとうございます。

 

藤巻:あ、はい。ありがとござーす。

 

藤岡:本当大丈夫なんですか?

 

藤巻:これってどこで録音してるのってわかってるんですか?聴いてる人。

 

藤岡:いや素晴らしい場所ですよ。この空間。

 

鈴木:ありがとうございます。

 

藤岡:少年の頃の夢に描いた、大人の隠れ家っていうのにピッタリですよね。

 

鈴木:映画のときってスタッフが多いんでね、みんなで色々相談しなきゃいけないことが多いんですけど、そういう時に会議机でいくら相談したって中々良いアイディアなんて出ないんで。ここは部屋の周りをレンガにするっていうね。そこでここはレンガ屋って呼んでるような次第なんですけど。皆さん結構喜んでくれますね。おかげさまで。

 

藤巻:会社の帰りに関わってる人間、家に帰りたがらない人たちが、夜な夜な。ここにある食料ほとんど食い尽くして帰っていきますからね。 

 

藤岡:自分で持ってきてるんじゃないの?

 

鈴木:なかなか持ってこないんですよ、これが(笑)そんなこんなで藤巻さんっていうのは、声の調子でわかりますかね?毎日を楽しく生きてるっていうのか。

 

男性:偉い方なんですよね?

 

鈴木:藤巻さんですか?この間まで偉かったんですよね。

 

藤巻:(笑)

 

鈴木:この間までは局長代理なんて立派な名前ついてたんですけどね。最近、降格されたんじゃない?(笑)でも博報堂で藤巻さんって、勤めて30何年?

 

藤巻:30年ですね。

 

鈴木:で、藤巻さんってやっぱり凄い人だったですね。付き合ってきて本当に思うんだけど、若い時からサラリーマンの鑑だと思うんだけど、目立った活躍をしない。

 

藤巻:(笑)

 

藤岡:僕も付き合い長いんですけど、奇跡ですよね。こんだけ仕事しないでこの位置にいられるっていうのは。

 

鈴木:だからね、こういうことだと思うんですよ。大概の人は若き日に上司から与えられた課題、それをクリアすべく頑張るでしょ?万に一つは上手くいったりする。ところが、それは長続きしない。どこかで挫けるでしょ?挫折するものなんですよ。ところが藤巻さんの場合は、そういう野心がなかった。

 

藤岡:ああ、ないですね。

 

鈴木:なくて、自分たちの同僚、後輩たちが一生懸命仕事をやって上手くいく。ところが、次の仕事で上手くいかなくて、そういう人たちがどんどん外れていったんですね。外れていくと残ったのは誰かというと、藤巻さんだったっていうことなんですよ。それで偉くなったんですよね?

 

藤巻:いやいや。一応自分なりに一生懸命頑張っているんですけど。

 

鈴木:僕はそういうところが藤巻さんの特徴だと思うし、それを本能で宮崎駿も知ってるんですよ。だから藤巻さんというのはね、本当偉い人だと。

 

ある時こんなことがあったんですよ。スタジオジブリの社長なんてことやってるんで、色んな人と会うときにスケジュール管理なんて自分でやってると、グチャグチャになっちゃうんで。スケジュールを見てくれてる白木さんっていうのがいるんですけど、この人がすごい真面目な女性なんですよ。

 

ある日その人が僕のところへ来たことがあるんですよ。何かなと思ったら、「鈴木さん。本当に失礼なんですけど、申し上げたいことがあるんです。」「何なの?改まって」って言ったら、「本当におこがましいと思いますけど、私の意見を言わせていただいてよろしいでしょうか?」って言うからね、「遠慮せずに言ってみなよ。何なの?」って言ったら言い淀みながら、「な、なぜ藤巻さんとお付き合いになるんですか?」。

 

(全員、笑い)

 

鈴木:ちょっとびっくりしたんですよね。僕。そんなこと思ってるんだと思ってね。「なんで?」って言ったら、彼女は非常に古風な良い女性なんですよ。それで彼女はこう言いました。「いや決して、鈴木さんのためになるような方ではない」。

 

(全員、笑い)

 

藤岡:全くその通りだと思います。

 

鈴木:「だから私は差し出がましいんですけど、ああいう方とのお付き合いはおやめになった方がいいんじゃないですか」と、こういうことを言ってきた日があるんですよ。

 

藤岡:素晴らしい。

 

鈴木:これをある日宮崎に話しましたら、なんと宮崎駿がね、その白木さんを呼んで、なぜ鈴木さんが藤巻さんと付き合うかを説得したなんて事件があったんですよ(笑)どうですか?藤巻さん。

 

藤巻:なんか誤解されやすいタイプだと思うんですけど。

 

鈴木:藤岡さんは小学校の頃から知ってるんですよね?

 

藤岡:ものすごい付き合い長いですね。

 

鈴木:どういう少年だったんですか?

 

藤岡:いるんだかいないんだかっていう。いつの間にかいる、みたいな感じですね。でも全く一緒です。僕らの共通の友達もよく「なんで藤岡は藤巻と付き合ってるんだ」と言われますよね。考えてみると、こういう無駄な付き合いも必要なのかなっていう良い関係なのかもしれないですね。

 

鈴木:僕は藤巻さんに対して色んな思い出があるんですけど、これだけは真面目にやったことが一個あるんです。

 

藤巻さんってある期間ずっとそうだったんですけど、会社からよく電話がかかってくるんですよ。何かなと思ったら、「藤巻行ってませんか?」って。「毎日”ジブリ直行”と書いてある」と。ところが全然ジブリへ来てやしないんですよ。どうも昼過ぎから会社は行く。そういうことをやってたみたいなんですけどね。

 

ある日、こういうことがあったんです。藤巻さんが珍しく本当に来たんです。来た時に僕の部屋狭いんで、後ろを通ったら、藤巻さんの頭って見た目はフサフサある人なんですけど、頭の頂上ここが、よく10円ハゲってあるんですけど、それが直径5センチくらいの大きな脱毛をされてたんですよ。

 

それで僕はその時「藤巻さん、これどうしたの?」って訊いたんですよ。「髪の毛ないよ!」って。そうしたら藤巻さんが僕の方をやあら見てね、よく言ってくれた。実をいうと、気になって仕方がなかった。ここが薄くなってきたんで、アメリカから良い薬を手に入れて少し増やそうと思ってる。それを塗ってたんだ、と。したら、その効果はバツグン。どんどん伸びてきたと。それで喜んでいたら、一週間目に全部なくなっちゃったっていうんですよ(笑)

 

なんでそういうことを言い出したかというと、自分がそういう状態になったのに、会社の誰もそれを指摘してくれなかったと。鈴木さんだけが指摘してくれたと。覚えてます?

 

藤巻:そんなことありましたかね?

 

鈴木:涙を流して喜んでましたよ。

 

(全員、笑い)

 

鈴木:それでね、自分が気になってるのに周りの誰もそれを言ってくれない。これほど辛かったことはなかったって。あったんですよね。覚えてます?

 

藤巻:あんまりよく覚えてないですね。

 

鈴木:そうでしたか。まぁ色々ありますけど、藤巻さんっていうのは、語り出したらキリがないくらいエピソードがあるんですけど、本当だったら喋りたいこといっぱいあるんですけれど、ラジオの規程にも触れたりとか、会社の規程に触れたりとか色々あると思うんで、それ以上はあれですけど(笑)

 

藤岡:でもイライラしません?付き合って鈴木さん。

 

鈴木:藤巻さんですか?イライラ?

 

藤巻:なんか歯痒いというか。それこそもっと頑張ればいいのにっていう。

 

鈴木:諦めてますよね。

 

藤巻:(笑)

 

藤岡:付き合い長いんですけど、5回目くらいの絶交中なんですよ。いま。

 

鈴木:絶交してるんですか?

 

藤岡:本当にやれって言ったことやらないんですよ。曲でも覚えてこいって言っても全然覚えてこないし。

 

鈴木:代理店さんって僕らの仕事でいうと、タイアップ先を見つけるっていう仕事があるんですよ。ジブリの作品って、電通さんと博報堂さん、これを交代でやってきたんですよ。電通さんの方はいつもすぐ決まるんですよ。ところが博報堂は決まらないんですよね。

 

藤巻:(笑)

 

鈴木:誤解のないように言うと、電通だから決まるかっていうと実はそうじゃないんです。やっぱり担当者がいるんですね。福山っていう体重100キロの巨漢がいて、この人が体がデカいにも関わらず決めるのが速い。で、博報堂さんはなぜ決まらないのか。これは藤巻さんですよね。

 

もう忘れられないぐらい色んなことありますね。先ほども言いました。ある作品で頑張ってやってた時に、色んな体制が整っていくのに藤巻さんの時だけ決まらないんですよ。藤巻さんを前に言いましたよね。「一生に一回くらい汗水垂らして、真面目に人生と向き合ったらどうだ?」と。

 

藤岡:それは僕も言いたいですね。見たことないですよ。

 

鈴木:普通そう言われたなんて言います?

 

藤岡:まぁショックでしょうね。普通。

 

鈴木:違いましたね。「いや、そうかなー?」って。

 

(全員、笑い)

 

鈴木:で、全然決まりやしないでしょ?僕ある日、藤巻さんを呼んだんです。2人でこっそり会ったんです。「藤巻さん、申し訳ないけどタイアップ決まんないから、俺最後の手段考えた」って。「何ですか?」って言うから「出資は博報堂だけど、タイアップは電通に頼みたい。これで良いかな?」って。普通なんて言います?

 

藤岡:そりゃまずいでしょ。会社的に(笑)

 

鈴木:「よろしくお願いします」って。

 

(全員、爆笑)

 

藤岡:プライドがないのか。本当に。

 

鈴木:それで福ちゃん呼んでね、今度3人で話したんですよ。そうしたら藤巻さんが「福ちゃん、頼むね」って。でもここからなんですね。藤巻さんって。

 

ちょっといま思い出した話があるんですよ。じゃあなんで藤巻さんにこの主題歌を歌ってもらおうと思ったのか。これね、いま突然思い出してあれなんですけど、キッカケがありましてね。そのキッカケっていうのは、ジブリっていうのは大体半径3メートル以内を題材にして映画を作ってきたっていうのをこの間言ってきたんですけど。何もそんないい加減なことで決めたわけではないということを強調しておきたいんだけどね(笑)長くなってるんですけど。去年の春でしたっけ?

 

藤巻:夏です。

 

鈴木:夏休みの宿題で藤巻さんの娘さん、当時中学2年生。仕事をしている人のところへ行って話を訊いてこいっていうのがあったんですね。それで藤巻さんが宮崎駿に娘に宿題をやらせたいんだけど、、

 

藤巻:憧れの仕事ですね。

 

鈴木:あ、憧れの仕事か。それで来た時があるんですよ。その時に普段の藤巻さんとちょっと違ってたんですよ。何かっていうと、「普段の藤巻さんからそんなセリフが聞こうとは思わなかった」っていうのが、宮崎駿の後の感想なんですけど。何しろ帰り際、自分の娘に向かって「人間、努力が大事だよ」って。

 

藤岡:(笑)

 

藤巻:なに笑いすぎだって(笑)

 

鈴木:笑ってますけど、お父さんって大概そういうことを言うもんですよね。でも宮崎駿にしたって僕にしたって、あの藤巻さんがまさかそういうことを言うとは思わなかった。それを言ってのけたんですよね。その時の言い方が脳裏に残ったんですよ。宮さんは。これが歌を歌う時に「藤巻さんどうか?」っていうのに繋がってるんですよね。

 

藤岡:自分はどうなんだよ?って。

 

藤巻:いやいやいや。宮崎さんがすごいいい話をしてくれたんですよね。本当にいい話を。30分の予定で2時間くらい話していただいて。色んなこと努力しなきゃならないっていう話をしてくれたんで、俺もそれに尻馬に乗って「人間努力は必要だよ」っていう話を(笑)

 

鈴木:参考までに言うと、宮崎駿はこれも若い人だとわかりにくいかもしれないけれど、藤巻さんのことを「植木等最後の弟子」っていう言い方をしてるんですよ。植木等の最大の特徴は何かっていったら、プライドも何もあったものじゃない。彼が本当に大事にしていたものは何なのかっていうことなんですけどね。藤巻さん、最後にどうですか?

 

藤巻:いやいやいや、そんな哲学も何もないんですけど(笑)俺の話聞いてもつまんないと思いますけど、生きていく上での基準って大体二者択一で生きていくじゃないですか。その価値判断が楽しいか、楽しくないかっていうことで選んできたような気はしますね。

 

鈴木:ペラペラ喋るのは本当得意なんですよね。

 

藤巻:(笑)

 

鈴木:最後に真面目に言うとね、藤巻さんの大好きな言葉っていうのを何度も聞かされたことがあるんですよ。「一期は夢よ ただ狂え」。

 

藤巻:例えば、会社での出世っていうのは楽しいのか楽しくないかって分かれるじゃないですか。管理職っていうのはすごくやる事が多いし、割りに合わない立場だったりするじゃないですか。それより自由な時間が多くて、楽しいことをやれた方が楽しいかなって。

 

そうすると、管理職を目指すより違う方がいいかな、とか。みんなが目指す方向に自分も同じように目指さないといけないといけないってことはないと思うんですよね。

 

鈴木:「一期は夢よ ただ狂え」って。これね、ちょっと難しいこと言いますとね、その昔「閑吟集」っていうのがあったんですよ。この中の一説なんですよ。それをある所から引っ張ってきて、藤巻さんはそれを言い続けてます。「一期は夢よ ただ狂え」。

 

藤巻:「一期」って、人生っていうことらしいんですよね。「一期一会」の一期。人生なんて夢みたいなものなんだから、ただ狂って生きていたらいいんじゃないかって僕は解釈したんですけど、本当の解釈はよくわかんないんですけど(笑)

 

藤岡:まぁ周りはたまったもんじゃないよね。

 

(全員、笑い)

 

鈴木:藤岡さんについても一言。8月の中旬みんなで顔を合わせたわけですけど、実は宮崎駿は藤岡さんに大変な親近感を抱いたんですよ。

 

宮崎駿っていう人は、人を見て決める基準が一つあるんですよ。色々あるんですけど、その内の大事なものの一つ。夜寝る時、すぐに寝られるか、それとも寝られないか。すぐ寝るやつは信用出来ないっていうんですよ。これは当然、宮崎駿が寝付きが悪いってことなんですけど、藤岡さんを見て、「この人は寝付きが悪い」って。それを見てとったんですね。それで大変な親近感を持って、会った日以来、「あの人はどうなるんだろう」ってずっと心配してるんです。

 

藤巻:(笑)

 

藤岡:色々アドバイスいただいたらしいですけど。散歩すると寝れるとか。

 

藤巻久石譲さんも不眠症で。藤岡も不眠症でっていう。

 

藤岡:僕は寝るんですよ。本当に腹立つくらい。

 

藤巻:(笑)

 

鈴木:僕の住んでる家とスタジオまでは、普段車で往復するんですけど、僕必ず1週間に2回は電車に乗ることにしてるんです。電車に乗ってると、色んなことわかるんですね。最近だとすごい気になってること。突然、携帯をあける人が減っちゃったんですよね。なんでだろうって考えるのが好きなんですよ。ほとんど趣味と言っていいですね。

 

男性:本も読んでる人もいますよね。

 

鈴木:本も増えた。でも一番増えたのは、寝てる人ですよ。口開けて。判で押したようにみんな携帯をあけなくなってるんですよ。どうしてだろうって。その答えを未だに見つかってないんですよ。でもそれを探りたいんですよね。

 

男性:藤巻さんの時代が来るってことですかね。

 

鈴木:藤巻さんの時代は来るんですかね。

小説家・中村文則さんとの座談会 その3

2016年1月13日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol403.mp3

 

中村:作家になろうと最初は全然思わずに、ただ好きでずっと本を読んでたのが最初ですね。バンドとかもやってたんで、当時は。髪とか赤くしてたんですよ。タンクトップで鎖を首から巻いたりしてハードロックやってたんですよ。タトゥーを彫る勇気なくて。

 

鈴木:(笑)

 

中村:でもタトゥー憧れて、タトゥーのシールを貼って。

 

鈴木:シール貼ったんだ!

 

中村:ハードロックやって段々終わりに近づくと、汗でとれてくるんですよ。段々十字架がとれてくるみたいなことをやってたので、小説家になろうとは全然思ってはなかったですね。

 

米倉:もしかしたら、なってたらここにタトゥーが。

 

中村:なってたらあったかもしれないですね。十字架とかドクロとかね。とれちゃったんで。シールだったんで。

 

米倉:読む人から書く人って、アプローチも熱量も全部が違うわけじゃないですか。私小説家の方って、一歩って勇気なんだろうなって思うんですよね。

 

中村:書くってことですか?

 

米倉:そうです。私自身がすごい好きで好きで。でも書こうとは全く思えないので、ものを書く人って凄いなって純粋に思うんですよね。

 

中村:色々じゃないですかね。映画は凄い大好きですけど、映画撮ろうとは全然思わないですから。ただ観るのは大好きですけど。インターネットもやりますけど、インターネットの発信側っていうと変だけど、なろうとは思わないですからね。見たりはするけれど。そういうことなのかもしれないですけどね。色んなことをやる人もいますけどね。

 

ーナレーションー

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

今週も小説家の中村文則さんをお迎えしての座談会。中村さんの著書「教団X」のお話から、映画、音楽、そして会社経営についてなど、興味深い話題でお送りします。

 

出席者は、ドワンゴ会長の川上量生さん、「教団X」を細部まで読み込んだという米倉智美さん、そして鈴木さんです。

 

なお、前回の座談会を聴き逃した方は、ぜひ番組ホームページにアクセスして、ポッドキャストをお聴き下さい。過去の番組がアーカイブされています。では、今週はこんなお話から。

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小説家・中村文則さんとの座談会 その2

2016年1月13日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol402.mp3

 

中村:日本人だから世界に言いたいことを言ってやる、とか思ってというのもあって。でも世界を見渡すと、ひどいんですよ。色々。色んな構図が。だから言いたいことを言ってやるって思って。これがチャンスだと。自分の言いたいことを、何の制約もなく好きなように書いたっていうのが、この本ですね(笑)

 

ーナレーションー

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

今週も先週から引き続き、小説家の中村文則さんをお迎えしての座談会。中村さんの著書「教団X」に焦点を当ててお送りします。

 

出席者は、ドワンゴ会長の川上量生さん、「教団X」を細部まで読み込んだという米倉智美さん、そして鈴木さんです。今週はこんなお話から。

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小説家・中村文則さんとの座談会 その1

2015年12月8日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol401.mp3

 

鈴木:どうも。初めまして。わざわざ今日はありがとうございます。

 

中村:とんでもないです。とても驚きました。ありがとうございます。

 

鈴木:とにかく3人が「教団X」のファンなんで(笑)

 

中村:本当ですか?

 

鈴木:それで今日3人なんですよ。「教団X」を見つけたのが、米倉さんで。僕に薦めてくれて。僕も読んで凄い面白くて、一気に読んだんですよ。

 

中村:ありがとうございます。

 

鈴木:ただ、読んでから随分時間が経ったでしょ?色んなことを忘れてるから、やっぱり応援メンバーとして。

 

中村:去年の12月に書いたやつだから、僕も結構怪しい(笑)

 

鈴木:自分で書いたら覚えてるよ!(笑)それで川上さんはね、僕が薦めたんですよ。これ川上さん絶対喜ぶに違いないって。川上さんはね、この本を読むために入院までしてね。

 

川上:読んでたんですけど、鈴木さんが芥川賞作家の凄く面白い本があるっていうんで、たまたま入院してたんで。

 

中村:時間はあったんですね?

 

川上:時間はあったんですよね。

 

鈴木:だって、ベットから僕に面白いって途中経過報告が来たしね。で、彼女はね、僕なんか書いてある文章そのまま記憶するっていうのが非常にダメな人で。しかし彼女、よく覚えてるんですよ!そのままを。そういうこともあって、今日この3人で一斉に襲いかかろうという(笑)

 

中村:ありがたい話です。

 

ーナレーションー

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

今週から、3週にわたって小説家の中村文則さんをお迎えしての座談会、中村さんの著者「教団X」に焦点を当ててお送りします。

 

出席者は、ドワンゴ会長の川上量生さん、「教団X」を細部まで読み込んだという米倉智美さん、そして鈴木さんです。

 

中村さんは1977年9月2日愛知県東海市に生まれ、2002年「銃」で第34回新潮新人賞を受賞してデビュー。2005年「土の中の子供」で第133回芥川賞を受賞。今年5月の「あなたが消えた夜に」まで数々の小説を執筆してきました。まずはこんなお話から。

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映画「杉原千畝」スペシャルトークショー ゲスト:奥田誠治さん、犬山紙子さん、柴田玲さん

2015年12月7日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol400.mp3

 

ーナレーションー

激動の第二次世界大戦下、リトアニアナチスドイツの迫害から逃れてきたユダヤ難民に、日本通過ビザを発給し、6000人もの命を救った日本人の外交官がいた。彼の名は「杉原千畝」。

 

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

今週は、オープンしたばかりの渋谷モディ6階、HMV&BOOKS TOKYOイベントスペースで行われた「映画 杉原千畝スペシャトークショー」の模様をお送りします。

 

出席者は「映画 杉原千畝」エグゼクティブプロデューサーの日本テレビ奥田誠治さん、そして「負け美女」「マウンティング女子」「クソバイス」などの言葉を生んできたエッセイストの犬山紙子さん、そして鈴木さん。司会は、フリーアナウンサーの柴田玲さんです。まずはこんなお話から。

 

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月刊文藝春秋12月号掲載「小さな大物」ラジオ版

2015年12月7日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol399.mp3

 

ーナレーションー

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

今週は、現在発売中の月刊文藝春秋12月号に多数のカラー写真とともに掲載されている「小さな大物」ラジオ版です。

 

これは鈴木さんの幼少時代から現在に至るまでの写真を見ながら、自分史を振り返る企画です。月刊文藝春秋12月号をお持ちの方はご覧いただきながら、お持ちでない方は想像、妄想しながらお聞き下さい。

 

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