男性A:押井監督との仕事は本当に面白かったですね。あんなによく喋って、面白い監督だとは写真からは全然想像出来なかったんで、すごい楽しい作業でした。
女性A:実写の監督なんじゃないかって思うぐらい、テクニカルなことをおっしゃらない方なんですよね。役柄の感情を引き出していこうという監督で肉体的なことをおっしゃる感じというか、「ここは腰を据えて」とか。
男性B:とても頑固な方だなと。自分の持ってる世界観というものを、揺るぎのないビジョンが見えてるという風に。妥協することがないというんですか。さすが世界の押井という方だなと思いました。
(スカイ・クロラの音声)
ーナレーションー
公開から一週間。あの映画『スカイ・クロラ』の監督が、ついにれんが屋にやってきました。
鈴木:『インディー・ジョーンズ』観た?
押井:うんうん。
鈴木:『インディー・ジョーンズ』観てない?要するに、ハリソン・フォードがある時チョメチョメして、その時にできた子供が大きくなってたっていう話なのよ。なんでみんな親と子が出てくるの?これ。宮さんもそうだし押井さんもそうだし。
この三本を評論家風に言っちゃうとね、何が面白いかといったら、かたや空でしょ?かたや海、かたや秘境へ行っちゃうんですよ。また。それでいまあるここは関係ないの。これは面白かった。面白いでしょ?
押井:それはいつもの鈴木敏夫の詭弁の最たるものでさ、自分で一人で関心して見せてさ、、
鈴木:感慨があったの!感慨が。
押井:感慨なんて歳とったんだから、親と子の話になるの当たり前じゃん。
鈴木:そう!その通り。宮さん67でしょ?スピルバーグっていう人は62、3?
押井:そのぐらいだね。
鈴木:で、押井さんは58だっけ?
押井:7!
鈴木:みんながそういうことやってるんですよ。細かいことはいろいろあるけれど、これはちょっとビックリした。空だとか海だとか秘境だとかっていうのがみんな共通項。全部あの世。
押井:50過ぎてさ、映画の中にあの世が出てこない方がおかしいんだもん。
昨日の『ポニョ』を観てわかったよ。この映画は鈴木敏夫は何もしてないんだっていうのがはっきりわかったよ。100%宮さんの映画っていうね。
鈴木:それはその通りです。
押井:指一本触れてないっていうか、触れさせてもらえなかったんだよ。きっと。映画になってないもんね。
だって宮さんの映画が映画足り得たかというと、どこかで鈴木敏夫がいたり高畑勲がいたりしたからなんだよ。映画として回収する装置がなかったんだもん、今回は。妄想の羅列だもん。もっと言えば、願望炸裂映画じゃない。
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