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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

高城未来ラジオ第四十八回:水・食品のニセ科学ー左巻健男先生/法政大学教授 前編

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ラジオの内容はもちろん、ラジオには収録されていないディープな内容も収録されているので、ご興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?

 

 

ー高城のナレーションー

 

本日はニセ科学について多くのご著書を出していらっしゃる、法政大学の左巻健男教授をお招きしまして、日本で流通する水・食品につきましてご見解をお聞きします。

 

はたして、ミネラルウォーターは本当に安全な飲み物なのでしょうか。

 

また、コンビニに並ぶ商品は本当に体に悪いのでしょうか。

 

高城:左巻先生は大学の教授でいらっしゃいますよね。ご専門はなんですか。

左巻:理科教育です。理科教育って小学校、中学校、高等学校で理科をどう教えるかということです。

高城:ご著書をみると、科学をわかりやすく多くの方に伝える本を書いてらっしゃるんですけど、その中で一般の科学者と違って、教育者とも違って、ニセ科学にフォーカスしてると僕は思ってます。今日はその辺の話について聞きたいと思ってるんですが、まず水の話聞きたいと思ってるんですけど、コンビニに行くと水並んでますよね。30年くらい前はそんなことなかったと思うんです。

左巻:水と空気はタダだっていうのが普通の認識でした。

高城:そうですよね。例えば最近水が危なくなってきたっていう話もよく聞くんですけど、実際はあれ買う価値あるんでしょうか?コンビニで。

左巻:まぁ味が付いてるものはありますね。

高城:最近だと柑橘系とかありますね。

左巻:それは好みだと思うんですね。

高城:でも大半はただの水ですよね。あれはどうなんですか。

左巻:僕は買ったことないんですよ。

高城:買ったことない?一度も?

左巻:はい。

高城:ちなみにコンビニの売れ筋商品ですよ。

左巻:僕は水道水を冷やして飲んでるんで。

高城:ええ!水道水は塩素が入っていたり、体に良くないっていう人もいますよね。実際はどうなんでしょう。

左巻:我々が飲んでいる水の中で、商品になってる水も含めて一番安全性が厳格にチェックされてるのが水道水なんですよ。

高城:ええ!例えば今日は東京ですよね。東京都の水道水というのは十分に科学的に安全だということでしょうか。

左巻:そうです。

高城:コンビニで売ってる100円くらいのボトルより?

左巻:そうですね。

高城:ええ!コンビニの水より水道水の方が安全なの!?

左巻:非常に細かい項目までチェックしてて、安全の基準が一生飲んでどのくらい悪いことが起きるかということなんで、その点でコンビニに売ってる水はその時飲んで安全なら大体パスするような食品安全法っていうのに適合すれば、みんな売れちゃうんですよ。

高城:ということは、コンビニに売ってる水の方が緩いということでしょうか。

左巻:非常に緩いです。

高城:ブランドがいいですよね。富士山だとか南アルプスだとか美味しそうなこと書いてますよね。

左巻:それはそれを製造している企業を信頼すればいいということです。

高城:あれはただのマーケティングですね?

左巻:まぁ普通の水ですからね。

高城:ただの水だと(笑)それだったら水道水の方が良いんじゃないかってことですか。

左巻:場合によってはそうですね。安全性を問題にするんだったら、水道水の方が厳格に安全性の基準が守られてるわけです。

高城:いま場合によってはとおっしゃいましたが、例えば地域によって格差があるんですか?

左巻:水道水も凄く美味しいところから、ちょっと不味いというところもあるんですよ。

高城:ちなみに言える範囲で不味いところを(笑)

左巻:(笑)前は東京とか大阪は不味かったです。

高城:いまは大丈夫?

左巻:いまは不味かった時代を反省して、違う処理方法で水道水を使ってるんですよ。

高城:東京の水は良いって言いますよね。技術的にも海外にも輸出できるくらいの技術を持ってると。例えば北海道なんかは水は美味しいっていいますが。

左巻:それは水道水を作る元となる源水っていうんですが、源水が良いとどんな処理しても良い水道水になるんですよ。

高城:ということは北海道の場合は元々のものか良いから、それほど技術的なものも高くなくても結果美味しいものが出来ると。

左巻:美味しいものが出来る。

高城:北海道に行ったときに、コンビニにあまり水が売ってなくて、地元の友達に訊いたら、水道水の方が美味しい、ってみんな言うんですよ。

左巻:自分の地域の水道水はどこそこの水を使ってます、ってあるじゃないですか。自信のある地域の人って、「ウチの水は良いんですよー。なになに川の水だから」って誇りが持てるわけですね。で、東京や大阪の場合は、何か自慢出来るかというと、物凄くお金をかけて水道水を作ってるんですよ。

高城:技術力の問題ってことですね。ということは、安全だけを見ればコンビニの水より水道水を冷やした方が美味しいってことですね?

左巻:美味しいし安全だということです。

高城:例えば海外から持ってきてますよね。あれはどうなんでしょうか。

左巻:あれはあれでブランド性があって硬度が高いっていう、日本の普通の水よりはミネラルが多いんですよ。それはそれで日本の水を飲み慣れている人からするとクセがある味になるんですが、クセがあるというのは好き好きも出てきますから。あとはミネラルが多いとお腹が緩くなって、ダイエットに効くんじゃないかって勝手に思って飲んでる人もいるわけです。

高城:いますよね。

左巻:あるいはミネラルが多いんだから、ミネラルの補給になるんじゃないかと思う人もいますよね。

高城:実際はどうなんでしょう。

左巻:実際は我々が食べてる色んな野菜とか肉とか魚食べてますよね。そこにもミネラルいろいろ入ってるんで、それの誤差範囲ですね。水からどこってるのは。

高城:ほとんど気のせいってことですか?

左巻:気のせいですね。

高城:気のせい(笑)コンビニじゃなくても高い美容のお店とかいっぱいありますけど、あれも全部気のせいなんですね?

左巻:はい。気のせいって凄く効くんで。

高城:確かにそうですね(笑)一番重要なことかもしれませんね。ただその対価に見合うかどうかって話ですよね?

左巻:そうですね。僕は本とかに書くんですけど、水道水とミネラルウォーターを比べると、値段にして1000倍くらい違うんです。

高城:その価値はあるんでしょうか?

左巻:そこまでの価値がないと思うんで、さっき言ったただの水は買わないで、お茶とか。

高城:味が付いてるとか。

左巻:そういうものを買って飲みますね。

高城:同じコンビニでも、最近添加物が多いものが食品に入っていて問題になってると思うんですが、あの添加物というのは先生からみてどうですか?

左巻無添加が良いってよく言うんですけど、添加物で一番重要なのは保存料だと思いますね。一番人間が食べ物を食べてやられるのは、食中毒なんです。食中毒は軽いものはちょっと調子悪いかな、で終わっちゃってわからないままになっちゃうんで、データとして出てくるのはほんの一部なんです。物凄い食中毒に罹ってるんですけど、それって保存料がしっかりしてれば罹らなくて済むものなんですよね。

高城:例えば、暖かくなってきて保存料を入ってないものを食べたとしましょうか。何か調子悪いけど、食中毒ほどではないと。でも実は簡単な食中毒だったってことですよね?

左巻:そうですね。

高城:それはちゃんと保存料が入ってないからだと?

左巻無添加が重視されるんで、保存料というものではなくて、ちょっと抗菌性のある違う食品添加物を入れるとかして、保存料を入れてませんよって打ち出すと高く売れると。その代わり早く賞味期限が来ちゃって、廃棄もいっぱいしてるんですよ。だから僕は捨てるよりは、ちゃんと保存料を入れて食中毒にならないように食品を販売した方が良いというのが僕の考えです。

高城:食中毒はそうだと思いますが、添加物は体に悪い影響を与えるっていうことはあるんでしょうか?

左巻:大量に取ればあるんですけど、我々が普通の食生活をしていて色々物を買ってそこに成分が書いてあったりしますよね?そういうものの摂取量って、そんなに多くないんですよ。

高城:誤差の範囲ってことですか?

左巻:そうです。

高城:ということは、人間が食べられる量って限界ありますよね?そこまで多い保存料を使ってなければ、そんなに人間の人体には悪影響を与えないということですか?

左巻:そうですね。

高城:ということは、コンビニで売ってあるものはそこまで思われてるほど悪くないってことなんですかね?

左巻:僕は色素を入れて見栄えを良くするのだって、見栄えが良い方がいいんじゃないの?って。

高城:なるほど(笑)じゃあ先生はそういうのは関係なくバリバリ食べてらっしゃる?

左巻:そうですね、僕は割と関係なく食べますね。

高城:結構ご健康そうに見えるんですが、おいくつでいらっしゃるんですか?

左巻:68です。

高城:68歳(笑)凄いお元気そうでいらっしゃいますが、添加物のせいですか?(笑)

左巻:いやいや(笑)

 

ー高城のナレーションー

 

実に面白いご意見ですね、法政大学の左巻教授。

 

ミネラルウォーターは水道水に比べて、安全基準が低いので危ないとのお話は、中々衝撃的です。なにしろミネラルウォーターは水道水に比べて1000倍近くもコストが違うので、経済面からみても疑問だとのこと。

 

一方、添加物も着色料も人体の許容範囲だから、そんなに気にする必要がないとのお話でした。むしろ保存料が入ってない食品は、より大きなリスクである食中毒の可能性が高まります。そちらを気にしなければならないということです。

 

何より先生にお目にかかると、とても若くてお元気そうです。

 

お話はよりディープな次回に続きます。