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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

高城未来ラジオ第五十回:水面下の領土侵攻ー宮本雅史さん/産経新聞社編集委員 前編

 

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ー高城のナレーションー  

 

今回は、産経新聞編集委員宮本雅史さんをお迎えしまして、ベテラン新聞記者から見た日本の実態についてお話をお聞きします。

 

いったい、ジャーナリズムは国家権力に切り込んでいけるのでしょうか。

 

また、日本人らしさとはいったい何なのでしょうか。

  

高城:宮本さんは産経新聞編集委員でいらっしゃいますよね?

宮本:そうです。はい。

高城:ということは、ずっと記者でいらっしゃったということですよね?

宮本:そうです。

高城:どれくらいやってらっしゃるんですか?

宮本:記者ですか?

高城:はい。

宮本:記者はもう40年以上、、

高城:ベテラン中のベテランですね。

宮本:まだトロッコですけど。

高城:ええ!(笑)記者って社会部とか経済部とか色々あると思いますけど。

宮本:私は元々事件記者になりたかったんですよ。新聞記者を選んだ理由っていうのはとにかく事件です。世の中には見えない色んな事件が起きますよね。殺人事件もそうだし強盗殺人もそうだし贈収賄、色んな事件があります。その事件を追っかけたかったんですよ。

高城:なるほど。ということはは警察や検察に詰め寄る?

宮本:昭和60年の9月14日から、東京に帰ってきまして、警視庁の担当だったんです。それから社内の異動で東京地検やれっていうことで、昭和61年9月14日付けで東京地検特捜部の担当になって、リクルート事件とかゼネコン汚職とかをどういうわけか四年半やりまして。

高城:長いですね。

宮本:長いです。他に使い道がなかったのかもしれないですけど。

高城:向いてらっしゃったんじゃないですか。

宮本リクルート事件のときは、1年ぐらいほとんど家に帰らなかったですよね。

高城:ずっとつめてなきゃいけないわけですね?

宮本:もう趣味でしたよね。それで四年半やって社会部に戻って、それからアメリカに留学しまして、帰ってきてそれから三年半特捜部担当になります。

高城:やっぱり特捜部が向いてらっしゃるんですね。

宮本:いやー大変だったですけどね。

高城:夜回りとか朝駆けとか言いますけど、聴いてらっしゃる方はわからない方もいらっしゃると思うんですね。

宮本:なるほど。要するに夜に特捜検事とかあるいは警察官とか事件関係者とか、皆さんの家に押しかけていくわけですね。

高城:自宅ですか?

宮本:そうです。そこで一対一で話を聞こうとするわけです。記者会見とかありますけど、私の頃は昭和ですから、中々表と裏といいますか、本当の話は一対一で話を聞くしかなかったんですよ。朝駆けというのは朝7時くらいに出勤前に捕まえて、いろいろお話を聞く。もちろん立ち話ですけどね。

高城:はい。

宮本:夜は夜で9時10時くらいですかね。

高城:それは自宅のそばでお待ちになってるんですか?

宮本:ずっと待ってます。

高城:例えば車の中とか?電柱の陰とか?

宮本:色々あります。犬に追っかけられたこともありますし。

高城:もしかしたら、ぱっと見怪しい人思われるかもしれないですよね?

宮本:職質されることもありましたよね。

高城:そうですよね。

宮本:でもまあ、一人じゃなくて他の記者もかち合うことありますから、たまには屋台で呑みながら待ってたりね。そういうのが日常茶飯事、日課ですね。

高城:はい。

宮本:それで事件関係者の取材っていうのは直あたりっていうんですけど、昼間やるんですね。資料集めたりするのも昼間やる。

高城:いつ寝るんですか?

宮本:車の中だったり電車の中だったり、どこでも寝れますよ。

高城:そうじゃないと体力持たないですよね?

宮本:持たないです。

高城:端的に言うと、事件記者だったわけですよね? 

宮本:そうです。事件っていうのも色んな事件あるじゃないですか?殺しもあれば汚職もあるし色んな事件がある。取材の仕方というのが殺人事件だったら発生してから始まるわけですね。贈収賄は身柄を拘束されるとか、立件された時点では終わっちゃってるんですよ。それまで一年くらいかけてやるわけです。特捜部の場合は国家権力ですから内偵捜査が出来ますけど、僕らは民間人ですから当然限度はありますから、自分の足を使って資料を使って自分で積み立てていくわけですね。

高城:権力の構造の壁みたいなものをお感じだと思いますが、そこは大きいものなんですか?

宮本:大きいですよね。やっぱり国家権力というのは、凄い力ですよね。

高城:それを間近で見てらっしゃったわけですよね。たまには国家権力が暴走してしまうようなこともあるでしょうし、違う方向に行ってしまうようなこともあったでしょうけど、それを間近で見てらっしゃってどんな時に国家権力は凄いとお感じになったんでしょうか?これは普通の人にはわからないことだと思うんですよ。

宮本:国家権力というのは、色んな権力の形がありますよね。例えば警視庁は捜査権。警察官もそうだし。その立場で国家権力の形が違うと思うんですよ。ただ恣意的に使えるってことですよね。それがメディアがしてるかといったら、メディアはわからないですよ。

高城:本当のところは?

宮本:本当のところは。

高城:それをどうやって伝えていくんですが?

宮本:それを伝えるってことは、東京地検の場合は主に政治家の贈収賄ですから、自分たちで周辺取材をして、どこまで検察の捜査に近づけるかってことなんだよね。だから、人との縁なんですよ。人の付き合いが広がっていきますよね。それから色んな資料があります。その資料を読まないといけない。自分で考えなきゃいけないんですよ。誰も助けてくれませんから。

高城:なるほど。

宮本東京地検に相談に行っても、教えてくれませんから。

高城:それはそうですよね。絶対教えてくれないですね。

宮本:調べて初めて会話が成り立つ。今は知りませんよ?僕らが東京地検を回っていた昭和の時代、そして平成の初めの頃っていうのは、そういう感じですよね。

高城:たまには地検からリークして、この情報を意図的に流すようなことってあるんでしょうか?

宮本:よく聞かれるんですよ。ノーコメントです。

高城:なるほど(笑)流石だなーベテラン新聞記者!

宮本:いやいや、ほんとに。

高城:ノーコメントなんですね?

宮本:でも、そんなにないですよ。

高城:最近だと安倍政権が色々なスキャンダルって言っていいかわかりませんけど、加計学園の問題だとかありますけど、あれをベテランの記者からみて、どうお感じになってますか?

宮本:政治の話はしないことにしてるんです。

高城:わかりました。

宮本:思想的に非常に右に寄ってるものですから。

高城:右的な発想でも構いませんよ。

宮本:これ私個人の意見ですけど、政治家らしさっていうのがあったんですよ。いま日本人にとって欠けているのはこのらしさなんです。

高城:政治家に限らず?

宮本:限らず。学校の先生もそうです。皆さんそうですよね。昔はあの人は先生らしいとか、あの人は政治家らしいとか、あの人は警察官らしいとかっていうらしさがあったんです。だから警察官の場合は、制服を着てると怖くて近づけなかったですよ。

高城:いまそのらしさは何で無くなってしまったんでしょうか? 

宮本:一つは教育だと思うんですね。もう一つは家庭の問題です。

高城:家庭?

宮本:子供らしさって言いますよね?子供らしさって何ですか?

高城:無邪気とかそういうことですか?

宮本:無邪気も子供らしいですよね。もう一つは純粋、素直なんですよ。僕が考える子供らしさは。今はあまりにも社会が変わってしまって、何でも理屈付けてくるじゃないですか。そうすると、それは子供らしさなのかなーって思うわけです。

高城:それは親の教育ってことですか? 

宮本:でも親御さんも若いですよね。わたしよりずっと若いわけです。

高城:そうですね。

宮本:私なんかは孫がいる歳ですから。そうするとお母さんもお父さんも果たしてらしさがあるのかなーっていう風になってくるわけですね。昔、星一徹っていう、、

高城:ちゃぶ台ひっくり返す。

宮本:あれがお父さんらしさなんですね。怖いけれども厳しいけれども本当に優しい。っていうのは、何年か前なんですけど、長野の県立こども病院っていうのがあるんです。そこに院内学級っていうのがあるんです。これはどういう学校かというと、小児がんとか不治の病で普通の学校に行けない、でも教育を受けなきゃいけないというので、病院の中に小さな学校を作るんです。そこで子供達が勉強をするんです。その取材をした時に、明日亡くなるかもしれないんですよ?だけどあの時の子供達の笑顔っていうのは、必死に生きてるんですよね。その院内学級というのはお母さんたちも立派。先生も立派なんですよ。それから指導する先生たちも立派。その時に感動した言葉がありまして、小児科の先生がこういったんですよ。「宮本さん、我々医者は生かすことはできる。だけど生き抜くことは教えられないんです。それを教えるのは社会、家庭なんです」と。この言葉に胸が打たれたんです。生き抜くってこと。私が取材した女の子、10歳で亡くなりました。可哀想ですよね?だけれど、10歳の彼女が残した作文とか読みますと、見事に10年間生き抜いてるんですよ。今よく自殺する人も多いですけど、どれだけの人が生き抜いてるのか。生き抜くってことは、誇りでもあるんです。先ほど私らしさ、って言いましたけど「らしさ」が何で出来るかっていうと、誇りがあるからです。

高城:なるほど。

宮本:例えば政治家としての誇り、学校の先生としての誇り、お母さんとしての誇り、男としての誇り。だから「らしさ」が出るんですよね。

高城:「らしさ」がなくなってしまったということは、誇りが失ってしまっているということですか?

宮本:ということは、日本人らしさがなくなってしまったということは、日本人としての誇りが希薄になってきてるってことなんです。これは僕の理解ですよ?

高城:はい。

 

ー高城のナレーションー

 

よく有名人が逮捕される際に、テレビカメラが同行して違和感を感じる人も多いと思いますが、検察からのリークはあるのか?という僕の質問に宮本さんはノーコメントです、とハッキリとお答えになっていらっしゃいました。さすがです。

 

取材ソースを絶対渡さないのはベテラン新聞記者ならではと思いますが、最近は エビデンスを出さなければフェイクニュースとも言われかねない世の中です。

 

また、取材とは人との縁だ、とのお話はとても印象的でした。

 

そして、日本人らしさこそが、日本人の誇りそのものだとお考えのようです。

 

お話は、よりディープな日本の真実に続きます。