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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

ー番外編ー Tokyo Midtown prerents The Lifestyle MUSEUM ゲスト:鈴木敏夫 (前編)

音源です

www.tfm.co.jp

 

今回は番外編として、「Tokyo Midtown prerents The Lifestyle MUSEUM」に出演している、スタジオジブリ鈴木敏夫さんの声を届けたいと思います。

 

この音源は、「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」2013年11月16日放送の内容と同じもので、今回は前編です。しかし、「汗まみれ」では割愛されている部分がいくつかあるので、今回はその割愛部分にフォーカスしていきたいと思います。内容は映画「風立ちぬ」についてです。

 

こちらの回と一緒に読んでいただけると、話が分かりやすいかと思いますので、ご一緒にどうぞ。

hata9715.hatenablog.com

 ピーター・バラカン(以下バラカン:こんばんわ。ピーター・バラカンです。いま僕の目の前に大きな写真があります。「七人の侍」の中のワンカットですけど、志村喬が刀を出して走っている素晴らしく格好いいアクションフォトですね。これを見て、この映画を初めて観た日本映画であることを思い出して、さらにこのリメイクの「荒野の七人」というのは、僕が九歳のときに映画館で初めて観た映画であることを思い出してます。最近の僕の生活の中で一番大きな悩みは、本を読む時間がない、映画を観る時間がない、というものです。実は先日、久しぶりに映画館に出掛けたのですが、その話は後ほど。

山内ともこ(以下山内):こんばんわ。山内ともこです。志村喬さんのスチール写真、これを見ると、日本映画本当にこの時代は凄かったんだなって改めて思いますね。

バラカン:半世紀以上ないですよね。

山内:そうですよね。さあ、今日はその映画界でも大きな仕事をなさっている方がゲストにおいでいただいております。今日のライフスタイルゲストをご紹介致しましょう。映画プロデューサーでスタジオジブリ代表取締役鈴木敏夫さんです。今日は現在も大ヒット中の映画「風立ちぬ」の裏の裏、そして宮崎駿監督の引退について、あれこれと伺っていこうと思います。

鈴木敏夫(以下鈴木):こんばんわ。

バラカン・山内:こんばんわ。

バラカン:今日はちょっといつもと違うなとお気づきの方もいらっしゃるかもしれないですけど、スタジオジブリというか鈴木さんの事務所にお邪魔しています。

鈴木:通称「れんが屋」っていうんですよ。 

バラカン:あ、そうなんですか?

鈴木:部屋の周りがレンガになってまして。

山内:壁もレンガ。

鈴木:そうですね。

バラカン:先程、久しぶりに映画館に出掛けたっていったのは、まさしく「風立ちぬ」を観に行ったんですけど、、

鈴木:ああ、そうですか。ありがとうございます。

バラカン:素晴らしかったです!これはお世辞でも何でもなく。本当に感動しました。アニメの映画を僕は滅多に観ないんですね。「となりのトトロ」は子どもたちが小さいときに、彼らと一緒に何回も観たんですけど、もしかしたらそれ以来かもしれない。これは大人に向けた映画ですね?

鈴木:そうですね。彼はいわゆる冒険活劇っていうのが得意なんですけど、冒険活劇って子供のものですよね。ところが今回はそういう趣旨じゃないですからね。とはいえですね、元々宮崎駿ってファンタジーが得意な作家って言われてるんですけど、そのファンタジーが得意な人が現実に起きたことを素材に映画を作ったら、どういう映画を作るんだろうって、それは僕のささやかな楽しみで(笑)

バラカン:はいはい。

鈴木:横にいてどうなるんだろうって思って見てたんですけど、やっぱり宮さんという人は、現実を素材にしてもやっぱりファンタジーが好き。というのは、主人公の二郎は零戦を設計した人なんですけど、彼がどういう人だったかを史実に基づいてやるんじゃなくて、自分の想像を交えて作っていくわけなんですけど、こうありえたらいいな、を実現していくじゃないですか?そういう意味では彼が得意であるファンタジーの手法は変えてない、って僕は思ったんですよね。そういうことでいうと、大人の映画でありながら、実は子供が観ても充分楽しめる映画なんじゃないか。あるいは、本当はそばにいて思ったのは、中高生くらいの男の子たちの多感な時期に観る映画なんじゃないかなってことも思ってたんですよね。

バラカン:そういったフィードバックは来てますか?

鈴木:ところが現実はですね、いろんな方からご感想を伺うんですけど、「二郎の生き方に感動しました」っていう方かなり多いんですけど、よく見てくと女性が多いんですよ(笑)若い女性が多いんですよ。十代から二十代。なおかつ、菜穂子の生き方に感動したっていう手紙は男性が多いんですよね。

バラカン:ああ、そうかー。

鈴木:世の中いまどうなってるんだろうっていう(笑)それで残念ながら僕の目に、中高生の青年たちからの反応が実は少ないんですよ。僕は本当はその子たちに観てほしい、そう思ってます。

山内:女性たちから見て、男性はああいう風に生きてほしいと思うのかなって、ちょっと思ったりしながら、私は拝見したんですけど。

鈴木:だけど手紙読んでるとね、「自分がそうなりたい」ですよね。世の中こうやって平和が続いてきて、やっぱり男女の逆転があるっていうのが僕の感想ですよね。

 

☆☆☆

 

バラカン:この映画の発想というのは元々鈴木さんから出たんですか?

鈴木:いやそうではなくて、宮崎駿って普段は「千と千尋の神隠し」とか「もののけ姫」とか、ああやって多くの人を相手に映画を作ってきたじゃないですか?一方で、彼が好きなことっていうのか、たとえ読む人が少なくても自分が伝えたいものとして、戦争関係のもの、彼の中にちゃんとそういうものがある。部数が少ないって言っては失礼なんですけど、そういう模型雑誌がありまして、そこで彼が「風立ちぬ」のもとになるお話を漫画で連載してたんですよね。

バラカン:そうですか。

鈴木:そうなんですよ。登場人物が人間は菜穂子一人で、あと全員が豚だったんですけど(笑)

バラカン:じゃあ全然違う話なんですね?

鈴木:そうなんですよ。で、僕がそれに目をつけちゃったんですよね。あるとき彼の映画をやろうってなったときに、宮さんは別の企画をやろうって言い出したんてすけど、僕は「風立ちぬ」をやろう、と。大概そういう時は二つ返事なんですけど、その時は顔色が変わったんですよね。

バラカン:うん。

鈴木:怒っちゃいましてね。「こんなもの映画にしちゃダメだよ鈴木さん!」って。何か動揺してるんですよね。

バラカン:なぜダメだっていうんですか?

鈴木:彼の中の確固とした信念は、アニメーションは子供のものであるべきだ。自分が趣味として描いてるものを、世間に出して多くの人に観てもらうっていうのは間違っているんじゃないか、と言われたんですけど、僕は引き下がらなかったんですよ。何しろ35年付き合ってきて、彼は戦闘機とか大好きなんですよ。一方で大矛盾なんですけど、戦争は大反対。大嫌い。そういう彼がその題材を取り上げないのはどうかなって思ってたんですよ、ずっと。そういう漫画を描き始めたんで、これは良い機会だと思って、やるべきだと。彼としては日本の戦争って何だったのかって、もう一回問い直さなきゃいけないでしょ?それがしんどかったと思うし。それと彼はアクションシーンが大得意ですけど、実際の戦争を題材にドッチャンガッチャン出来るかといったら出来ない。そうすると、得意技を封じられることになるわけですよ。

バラカン:なるほど。

鈴木:それが二重三重になって、彼としては困惑。ダメだと言われたけれど、何回も説得しまして、それを話したのが3年前の夏ですかね。それで秋ぐらいになってやっと「それだけ言うんだったら考えてみるよ」って言ってくれて。それでその年の12月18日ですかね。

バラカン:よく覚えてますね。

鈴木:よく覚えてるんですよ。A案B案出来たって僕のところに持ってきてくれたんですよ。わかりやすく言いますと、A案はカプローニおじさんと二郎の話なんですよ。菜穂子登場しないんですよ。

バラカン:イタリアの飛行機の設計士として有名な方ですね。

鈴木:二郎が尊敬っていう設定ですけど、本当は宮崎駿が尊敬してるんですけどね。すると、二人だけの男の友情物語なんですよ。もう一方は、二郎と菜穂子のラブストーリー。そうすると全然違うんですよ。「どう思う?」って言われて、すぐ答えを求める人なんで「一緒にしたらどうですか?」って、つい(笑)

バラカン:すぐに納得しました?それで。

鈴木:迷いがない人なんです。人に言われたことは「わかりました」っていうんですよ。

バラカン:ああ、そう。

鈴木:10日後にゴチャまぜになったやつが出て来ました。それが12月28日なんでよく覚えてます。

 

☆☆☆

 

バラカン:宮崎さんは毎回そうですけど、日本の風景の描き方が素晴らしいと思うんですよ。あのような風景って、今の日本で見ることが出来るのかなって時々疑問に思うぐらい、50年後100年後になって日本という国の文化が、下手したら滅びてしまう危険性もあると僕は思ってるんですけど、そういうときに日本がかつて持っていた素晴らしさを、どうやって他の人に知らせるかって意外に宮崎駿の映画を観せることかもしれないと思うんです。

鈴木:実はこれもリアリズムでやったとしたら、あの街並みはないんですよ。関東大震災の後って日本の風景って一変するんですよね、東京も。建物がどうせ壊れるから酷いものが作られるっていう。あの中で宮崎駿が大ウソをついてるのが、明治の建物がそのまま(笑)

バラカン:そうか!

鈴木:でも彼は安っぽい絵は描きたくない。そういうものを描きたくなかったんですよね。「そういう嘘は良いんだ!」っていって。

バラカン:美しいですよ、確かに。関東大震災の直後からすぐになっちゃったんですか?

鈴木:はい。

バラカン:ああ、そう。

鈴木:それともう一つ。最近改めて読んでるんですけど、「逝きし世の面影」。中身は江戸の末期から明治のはじめ、日本が開国して外国からいろんな方がお見えになるじゃないですか。その中にアメリカの初代総領事のハリスさん。アメリカへどういうレポートを送っていたのかって。で、ハリスさんだけじゃなくて、色んな外国の方が日本を見て体験して送ったレポート、手紙、日記を集めた本なんですよ。ムチャクチャ面白いんですよ。

バラカン:そうでしょうね。

鈴木:で、書いてあることというのが、この国の人は、行き交う人が皆笑顔。おしゃべりが絶えない。そして歩くのが遅いって(笑)

バラカン:じゃあ、昔は東南アジアみたいだったんですかね? 

鈴木:で、一日の労働時間を調べるんですよね。4時間しか働いてない。さらには世界でこんなに子供を大事にする国は見たことがない。それと比較対象してやるんですよね。我々欧米人はって。みんなストレスで打ちひしがれた顔をしているって。その日本がある時を境に一変するのが、富国強兵策。

バラカン:なるほど。

鈴木:西洋化なんですけど、西洋に追いつけ追い越せで。それて皆さん送るレポートが変わるんですよ。美しい日本が消えていくって。

バラカン:その本を書かれたのはいつですか?

鈴木:12、3年前じゃないですか?

バラカン:そんな最近なんですか?

鈴木:そうです、本は。渡辺京二って方ですね。まえ読んで忘れてたんで、もう一回読んでるんですけど、ムチャクチャ面白い本ですよ。

バラカン:ちょっと読んでみたいですね。 

鈴木:はい。

バラカン関東大震災の描き方も実にリアルで、あれにビックリしましたね。 

鈴木:映画を作るときに宮崎駿は、シナリオは一切なしでストーリーボードを順番に描いていくんですよ。まるで漫画の連載のように。

バラカン:はいはい。

鈴木:自分でもこの話がどこへ行くのかどうなっていくかわからない。そういう状況において自分で描いていくんですけど、だいたいストーリーボードが映画の20分位出来上がると、みんな絵を描き始めるんですよ。で、どのくらい出来たかを見守りながら、次の回を描かなければならない。で、先程お話した3年前の冬にやろうって決めて。それで年が明けてすぐにストーリーボードが描き始めたんですよ。実は、あの関東大震災のシーンまでを描き終えたのが、3月10日なんですよね。 

バラカン:そうですか。。

鈴木:描きあげて「鈴木さん、読んで!」っていう話をしたら次の日が地震なんですよ。それで宮崎駿がどうしようって悩むんですよね。僕は冷徹に「歴史の事実だから」って。「公開まで随分あるから色んな悩みもあるかもしれないけれど、これはやるべきではないですか?」っていうことで。 

バラカン:映画の制作が始まると、宮崎さんと鈴木さんの役割のバランスって、どういう風になってるんですか?かなりやりとりがありますか?

鈴木:いや、そんなには。とにかく企画を決めたら、あとは宮崎駿がどういうものを作ってくれるか。で、ある秒数が出来ると僕のところに持ってきてくれるんですよね。「どう?」って訊かれるわけですよ。出版物でいうと編集者みたいなもんですよね。だから「いいんじゃないですか」とか「これはちょっと変ですよ」とか。交通整理のオジサンみたいなのが僕の仕事ですよね(笑)

バラカン:35年間の信頼関係がしっかり出来上がってるから。

鈴木:信頼関係というのか、、(笑)

バラカン:それだけ続くっていうのは信頼関係だと思いますけど。

鈴木:そうですね(笑)

バラカン:そうすると、お互いの主張のしあいがあっても、喧嘩にはならない?

鈴木宮崎駿っていう人は、言い出したら誰の言うことも聞かない。っていうのは付き合う前から何となく知ってたんですよ。で、一緒にやらなきゃならなくなった日、宮崎駿の大先輩大塚康生っていう人がいたんですけど、僕もその人と親しかったんですよ。僕が宮さんと一緒にやることになったとき、その人に助言を求めたんですよ。「宮さんと付き合うとき、1番大事なことって何ですかね?」って。その人が教えてくれました。「子供だと思ったらいいよ」って。「大人だと思ったら腹が立つ。子供だと思えば腹が立たないでしょ?」って。僕はこの言葉を未だ忘れないですね。

バラカン:ああ。

鈴木:彼が言うことは受け入れもするけれど、反対するときは反対。ある人に言わせると僕は反対をし続けてるらしいんですけれど(笑)でも宮さんって何が起きても、忘れる名人なんですよ。

バラカン:ふーん。

鈴木:僕も割と忘れちゃうんで、次の日になるとお互いケロッとして。僕が上手くいってるかどうかはわかりませんけれど、大人にならなきゃって思ったんですよね。で、こんなことがあったのを思い出したから言っちゃうと、もう一人高畑勲っていうのがいて、宮崎駿の5歳年上。実は宮崎駿がこの世界に入ったときの先生なんですよね。で、途中でスタッフとして働く。「アルプスの少女ハイジ」を作るときは、高畑さんが監督で宮さんが絵を描きましたから。それで「母をたずねて三千里」とか「赤毛のアン」をやってくんですけど、ある時からお互いが監督としてライバル。僕はその二人とずっと付き合ってきたんですけど、僕のアシスタントで白木っていうのがいまして、宮崎駿に言ったらしいんですよ。「鈴木さんが可愛そうだ」と。「高畑さんも宮崎さんもわがままばかり言って。鈴木さんはいってみれば、1番末っ子の弟。鈴木さんが可愛そうだ」って言ったらね、宮さんが彼女に「白木さん、それは違うんだ。鈴木さんは僕らのお父さんなんだ」って(笑)

バラカン:(笑)

鈴木:そう言ったらしいんですよ(笑)これは可笑しかったですね。

バラカン:その宮崎さんが、今回発表した直後に引退を表明したんですけど、決めていたんですか?前から。

鈴木:やり始めてすぐ言い始めましたね。

バラカン:ああ、そうですか。これを最後に。それはどうしてですか?理由は話してました?

鈴木:一般の人にわかりやすく言うためにはどうしたらいいのか。アニメーションの監督って何をやるのか。彼の場合、ストーリーを作る、それをストーリーボードに描く、そしてストーリーボードに従ってアニメーターって役者ですから、芝居を描くわけですよ。その芝居を彼が毎日チェックして直していく。大きくいうと、こんだけの仕事があるんですよね。

バラカン:うんうん。

鈴木:そうすると、一口にアニメーションの映画監督っていっても、ストーリーボードだけ描いて終わりっていう人もいるんですよ。

バラカン:あとは全部人まかせ?

鈴木:それで芝居は人任せ。ところが、実際に作る期間が何が一番大変かっていったら、芝居のチェックなんですよね。描き直して描き直して、それでもダメだったら自分で描いちゃう。そうすると、そこに肉体労働が発生するんですね。本当は彼だってお芝居を誰かに任せちゃう、それをやればあとは何本でも量産できるんですよ。しかし、これは彼の性格であると同時にそれが故に良いモノを作ってるんでしょうけど、人に任せることが出来ない。

バラカン:うーん。でもそういうもんだろうと思いますけどね。色んな細かいところで彼の良さが出るんですよね。絵もそうなんですけど、例えば声優のことも彼が全部細かく見てるんですか? 

鈴木:そうです。

バラカン:セリフも凄く良いんですよね。

鈴木:そうですよね。

バラカン:丁寧な日本語で、、

鈴木:そうなんです。汚い日本語は嫌だって。今回具体的にいうと、まだ二郎が子供でイジメられてる子を救うシーンがあるんですけれど、おそらくあれリアルにやったら、「何だテメエ、馬鹿野郎!」とかいろんな言葉が入るのを、それを全部なしにしてね、ワーワーワーワーって言ってね(笑)要するにハッキリ言葉にしなかったのは、汚い言葉を自分の映画の中に入れたくない。それなんですよ。飛行機会社の役員会で重役たちが話すっていうシーンがあったと思うんですけど、ここもセリフをモゴモゴ言いながらやるっていう。

バラカン:はいはい。ありました。

鈴木:本当は声優さんたちがやってくれたんですけど、宮崎が気に入らなくて「鈴木さんと俺でやろう」って一回やってみたんですよね(笑)そしたらこれが全然上手くいかなくてボツになりました(笑)

山内:あとは主人公の歩き方とか女性のキャラクターの所作であるとか、凄く美しいんですよね。

鈴木:アニメーションって人間の手で描くわけだけど、年齢、性別、それを歩きだけで描き分けるって。これがちゃんと出来る人が素晴らしいアニメーターなんですよ。

バラカン:はあはあ。

鈴木:僕らの作った作品でいうと「耳をすませば」で、最後クレジットタイトルで色んな名前が出るんですけど、土手になってて上に色んな人が行き交うんですよ。人間は小さいんだけど、そのシルエット見てるだけで年齢がいくつで性別が何で、女学生たちが歩いてたり、男の子が自転車乗ってたり、オジさんが犬を散歩させてたり、歩きがものすごい上手いんですよ。これ大塚っていう人が描いて、宮崎が「あれを参考にしろ」ってしょっちゅう言ってるんですけど。ほとんどの方はビデオでもそこをすっ飛ばすんでしょうけど、実に素晴らしい。宮崎はそういうところに拘りますよね。特に歩きですね。それから女性の所作は、作ってるときに京都に行かなきゃいけなくて、そこに女将の所作、これを宮崎駿が感動しましてね、ご飯食べるのほっといて「もう一回やってみてください」って言って(笑)

バラカン:(笑) 

鈴木:着物の座り方とか、いろいろやってましたね。