鈴木敏夫のジブリ汗まみれを文字起こしするブログ

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ウェアラブル携帯からインプラント携帯へ、携帯事情の最前線!(後編)

2015年2月23日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol355.mp3

 

ーナレーションー

 

鈴木敏夫ジブリ汗まみれ。

 

先週、東京で第一回ウェアラブルEXPO「装着型デバイス技術展」が開催され、世界中からウェアラブル技術関係者が集まりました。

 

ウェアラブル市場は、2018年に現在の6.5倍にあたる1兆2000億円市場に急拡大すると予想され、期待されています。

 

ジブリ汗まみれでは、去年の9月7日にウェアラブル携帯からインプラント携帯へ。携帯事情の最前線!と題し、さらに先を見越した近未来の社会について取り上げましたが、今週はその時に時間の関係で放送できなかった後編をお送りします。

 

講師に、携帯事情に詳しい堅田先生を迎えて、日本テレビの依田謙一さんと鈴木さんの三人でお送りします。

 

依田:で、グーグルグラスのデモ映像っていううのを見てて、ハッとしたんです。例えば、トマトを八百屋さんで持つわけです。トマトをグーグルグラスで見ると、産地だとか、、

 

鈴木:わかるの?

 

依田:わかるようなデモンストレーションの映像になってるんです。これってIPが無限になったことによって、一個一個のトマトが通信が出来て固体情報を持てるから出来ると思うんです。ですよね?

 

堅田:そうですね。

 

依田:だから僕らがいま生きている周りのものって、やがて全て住所を持って、それが検索結果になって、みたいな。怖いなって気もしますけど。

 

鈴木:何で怖いの?

 

依田:だって繋がってしまうってことじゃないですか。繋がらないってことが、人間関係含めて必要なときってありますよね?それが安心を与えることってあると思ってるので。

 

鈴木:依田っち、あれ読んだんだよね?『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』。藤原智美さんが書いたんだけど。

 

依田:すごくそれは共感したんですよね。

 

鈴木:したんだ?

 

依田:しました。

 

鈴木:ネット断ちをするっていうのよ。

 

堅田:今は割とみんな会議中とかでもパソコンでメモとったりしてて。僕も技術屋さんと付き合いが長くて、そういう人たちってパソコン持ってきて、パソコンでわからないことがあったら調べる。メモもとれる。みんなパソコン持ってきてやるんですけど、気持ち悪いですよね。話すよりもパソコン向かってるから、誰に話してるかわからないような状況で。便利すぎてもすぐ別のこと出来ちゃうし。

 

鈴木:それはわかる。相当古い話なんだけど、20世紀の終わり頃、徳間書店っていうところで僕常務をやっていたんですよ。役員会ってつまんないから、僕考えたんですよ。この役員会の様子を小金井にいるみんなにも伝えようと。せっかくパソコンにカメラもついてることだし、同時中継したらどうなるかなって考えてね。やったんですよ。中々大変でしたけどね、当時は(笑)

 

堅田:いいじゃないですか。

 

依田:今は会議中でも普通にスマホ見たりする状況ってあるじゃないですか。あれって相手に何してるかわかるじゃないですか。スマホを見てるって。グーグルグラスって、みんなするのが普通になったらこうやって話しながらも別のことしてても気づかないですよね。たぶん。

 

堅田:そうですね。

 

依田:それがやってくるんだなと思ったんです。

 

堅田:そうするとコミュニケーションが希薄になるから、だからネット断ちをするっていうのはわかる気がするなって思ったんですよね。

 

依田:こうやって目の前でスマホを持っていたら、気分を害するかは別にして、何してるかはわかります。でもグーグルグラスだと、こうやって話しながら全く違う情報を検索してるとか。

 

堅田:そういう時代はきますよね。僕は何の仕事をしてるかは言えないんですけど、携帯に造詣が深かったりするので。

 

鈴木:評論家でしょ?

 

堅田:そうですね(笑)あと業界の仕事もやってたんですけど、僕電話嫌いなんですよ。

 

鈴木:元々?

 

堅田:元々嫌いなんですよ。例えば、デカイ会社だとワンフロア下の人と電話したりするじゃないですか?会いに行けよ!と。直接会った方が伝わる情報って多いんですよ。僕は絶対会いに行くようにしてるし、電話もメールもちょっと嫌なんですよね。変な風に伝わるじゃないですか?コミュニケーションって、会いに行かないと伝わらないものってあると思うんですよね。僕は自分に後輩がいたとしたら、必ず会いに行けっていうようにしてて。

 

鈴木:ネットだけじゃなくて、電話ですらやめた方がいいってことなんですね?

 

堅田:はい。電車の中で電話をするとダメじゃないですか?でも喋ってるのオッケーじゃないですか?本当はマナー的に良くないですけど。何で喋ってはいいのに、電話はダメなんだろうって割と真剣に考えたことがあって。その気持ち悪さでしょうね。他人とはいえ目の前に俺がいるのに、なに遠くの人と電話してるんだよ、みたいな。

 

鈴木:話を混乱させるけど、僕も映画のキャンペーンで日本全国を周るってことをある時期やってて。あるときビックリしたんですよ。それは「もののけ姫」とか「千と千尋の神隠し」の時なんですけど、東京だと電車の中で喋ってる人ってほとんどいなかったんですよ。ところが関西へ行けば、うるさいくらい喋ってたんですよ。それが「千と千尋の神隠し」の頃、ピタッと止まったの。どうして関西でそういうことが起きたんだろうって。

 

堅田:電車の中って社会を表しますよね。全然ウェアラブルと関係ない話になってますけど、外人が来て驚くのは、日本人は電車の中で大体スマホしか見てないと。もしくは寝てる。それ以外なにもしていないと。それが日本の文化であるみたいなことを言ってましたね。

 

鈴木:ある時期はみんな漫画読んでたわけじゃん。

 

堅田:その前はそうですね。

 

鈴木:その前は新聞じゃない?みんなそういうことやってたよね。

 

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依田:さっきのグーグルグラスの話に戻ると、携帯を作っている会社ってどのくらい先のものまで作り始めてるんですか?

 

堅田KDDIさんは未来研究みたいなのをプロダクション・アイジーの方々と一緒にやられていて。ユーザーからこんな携帯あったらいいな、みたいなものを募集して、良さそうなものがあったらアイジーのクリエイト力で絵にするんですよ。

 

鈴木:なるほど。

 

堅田:一番良いやつは映像にして、みんなに見せてるんですよね。これ結構面白くて、絵になったやつはイメージボードだけ作ったんですけど。携帯電話って脳波をとることまで出来てるんですよね。頭にヘッドギアみたいなのをつけて、それで脳の電位をとるんです。そうするとα波が出てるかβ波が出てるかわかるので、興奮状態にあるのか落ち着いた状態にあるのかがわかる。興奮状態にある時だけ飛ぶヘリコプターとか、そういうのも作れたり。それの発展系だと思うんですけど、自分の思ってることが映像になって出てくる携帯みたいなのを一般の方がやられていて、これは良いっていうのイメージボードにしていたもの。それと映像にしていたのは、自販機携帯。自分で好きな形を選んで、色を選んでポンとやると、この場で整形する。いま3Dプリンターってありますけど、その場で削り出す。そういうのもあります。これは面白いなと思ったのは、成長する携帯。充電器が3Dプリンターになっているんです。そこに入れると、次の日形変わってるんです。どんどん変わっていくのは面白いなと思って。僕がその時に思ったのは、成長する携帯も面白いけど、人間って成長するけど途中からリクラインしていく。そして最後死ぬ。大人になってきてだめになっていくというのが美しいじゃないですか?携帯もそうあっていいのかなって。

 

鈴木:それの元はたまごっちだよね?

 

堅田:おっしゃる通りです。たまごっちが一回リバイバルでヒットしたのはそういうことなんですよね。携帯自体に生き死にを与えることで、親しみが湧くみたいなのは面白いかな、と。二年後に死ぬようになっていて、二年後に買い換えなきゃいけない、みたいな。

 

鈴木:それは元はアニメーションだよね?アニメーションっていうのは、命を吹き込むでしょ?

 

堅田:そういうことですね。

 

鈴木:そういうことでしょ?根本にそれがあるってことだよね。

 

堅田:前にソニーがアイボってロボット犬、、

 

鈴木:持ってましたよ。

 

依田:え!!

 

堅田:どこかで読んだんですけど、ちょっとだけバカにしてるんですって。言うことを聞かないようにしてるから、親しみが湧くんですよ。バカな子ほど可愛いじゃないですけど。

 

依田:言うことを聞かないから。

 

堅田:そうそう。言うことを聞かないからロボットっぽくない。生き物らしさをそこに込めるっていうのは、面白いなと思ってて。

 

鈴木:あれ確かデザイン・機能・その他においてマクロスの彼(河森正治)が協力してるわけでしょ?

 

堅田:すごいですよね。

 

鈴木:よく覚えてますよ。

 

依田:未来っていうものを象徴的に描いてきた映画ってあるじゃないですか?攻殻機動隊もそうですし、バックトゥーザ・フューチャーもそうですよね。2001年宇宙の旅もそうですし。あの辺の映画で描かれてたことが、今の世界で現実になってることってあると思うんですけど、あれより先の発想って描かれた映画ってないなと思うんですよ。人間が発明するものの限界があのくらいなのかなって気もしちゃうんですけど。

 

鈴木押井守の「イノセンス」なんかまさにそれで。人間の中に機械を入れる。インプラントってことでしょ?

 

堅田:そうですね。

 

鈴木:全然別の話なんだけど現実問題として、車の自動運転っていつ実現するんですか?

 

堅田:もう実現はしてますよね。

 

鈴木:世間一般に流布するのは?

 

堅田:ギリギリのせめぎ合いを今してるじゃないですか?スバルの一番新しいレボーグっていうやつは、車線認識して真ん中走るんですよ。前に車いたら動かないですし。完全に自分で運転出来てますよね。あとはバックで運転するときにターゲットをしたら、勝手に入れてくれるところまで来てますし。

 

鈴木:それで先にやってるのが、飛行機でしょ?あれ全部自動運転でしょ?

 

堅田:そうですね。

 

鈴木:そうすると、車もそれにしようってことでしょ?グーグルがマップを色んなことをやってきたのは、その日のためでしょ?

 

堅田:おっしゃる通りです。

 

鈴木:さっきの話でさ、ちゃんと先のこと考えてるじゃん!なのよ。

 

堅田:というか、色んな可能性を彼らは考えていて、その可能性の一つが花開こうとしているっていうことなのかなって僕は思ってます。実際、自動運転とか空飛ぶ車が実現するのは、法律的な部分と道義的な部分。誰が責任をとるのか。飛行機の世界では自動飛行機って言ってて、アメリカとか農薬散布は自動的にやってたり。あとアマゾンがプライムエアーっていって、無人ヘリコプターが運ぶんです。勝手に届けてくれるんです。日本だとマンション多いから難しいんですけど。無人旅客飛行機はまだないんですよ。何故か電車はありますけどね。予測し得ない自体が来た時に対応出来るのは、人間だけだからってことだと思いますね。

 

鈴木:車って何で進化遅れたの?

 

堅田:色々考えた結果、もしかしたら車を運転することが楽しいからじゃないかって思ったんですよ。

 

鈴木:でもさ、それで言うんなら飛行機はそれを無くしたわけじゃん?それで自動運転になっちゃったわけでしょ?あるとき、航空会社の人と話して「どうしたら快適な旅が出来るか、鈴木さんアイディア出してくれ」なんて頼まれたことあるわけよ。だから「自分で操縦することだ」って(笑)もっと言うんなら、直接自分に風が当たるって本当に面白いわけよ。車の運転だってそれを奪おうとしてるわけじゃない?面白い運転を。モタモタしてたら、運転するやつはバカだっていう時代が来ちゃうわけでしょ?それ目の前に迫ってるんだもん。

 

堅田:そうですね。

 

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依田:開発に携わる人って、倫理は常に気になったりするんですか?

 

堅田:人によると思いますけどね。

 

依田:例えば、携帯って普及したら凄く便利だよなーって作った人が思ったときに、それが人間をどうしてしまうんだろうって恐怖感って一緒にないのかなっていつも思うんです。さっきの車の話でもそうですし。人間が追求してることなのに、人間らしさを奪っていく行為も同時にやるじゃないですか?

 

鈴木:人間らしさって何かだよね。

 

依田:具体にいうと、さっきの衰えていくことだとか有限であるものに対してどうしようもないってことが人間らしさだと仮にすると、そこを乗り越えていく、あるいは補足していくために色んなことを発明したりするわけですよね。だけど一方で元々有限だったから儚く美しくっていうものもそうじゃなくなっていくってことで。

 

堅田:どんどん便利にすることが人間社会にどういう影響を与えるかってことですよね?

 

依田:そうです。

 

堅田:自分がやりたいことと達成されること、それがどう影響を与えるかは、ただ単純に便利にすることが良いことか?って思うんですよ。人間って、物凄い便利にしてきて、余った時間で何をしてるんだ?って話で。余った時間で昔やってたことしてるわけじゃないですか。それって本末転倒じゃないかってことを思ってて。経済もそうだと思うんです。お金を貯めて、最後に寄付したりするじゃないですか。

 

鈴木:ゲームですよね。

 

堅田:結局ゲームなんですよね。その話でウェに戻すとすると、最近見た中で凄い面白かったのが、眼鏡のツルだけがあってその先にハマるところがあって、そこにiPhoneを差し入れるんですよね。

 

依田:(笑)

 

堅田ウェアラブルですよ(笑)目の前でiPhoneが見れるから持つ必要がない。そこで好きなYouTubeとか見てられるんですよね。これだと寝たまま見れる。

 

依田:でもそれ楽かも!街とか歩いてたら危ないけど、家で置き場所に困ったときとかに、、

 

堅田:そうそう!さすんです。このウェアラブルの発想って凄いなと思って。前に同僚の中でダメ人間がいて、「土日何してるんですか?」ときいたら、ひたすら寝てると。テレビを観るために、ちょっと横になるのもめんどくさいから、ベットの上にテレビをつけてたんですよね。それを思い出して。これ近いなと。もしかしたら、技術の発展っていうのは人間をダメにするんじゃないだろうか、と。

 

鈴木:絶対そうですよ。

 

堅田:「ウォーリー」っていう映画大好きなんですけど。

 

鈴木:ああ、ピクサーの。

 

堅田:僕は序盤が一番好きなんですね。人間が出てくるまでが好きで。宇宙に行って人間が出てくるじゃないですか?そうすると人間がみんな歩けないブクブクのデブでただひたすら寝てるみたいな。あれになるんじゃないかな、ってそれで思ったんです。技術の発展が人間を本当にしているんだろうか、みたいなことをちょっと考えますよね。

 

依田:強烈な皮肉でしたよね。

 

鈴木:でも最後は脳だよね。

 

堅田:そうですね。

 

鈴木ピクサーのピート・ドクターっていう人がプレゼンテーションしてた作品があるんだけど、戦いを脳の中でやるわけですよ。五つの感情が脳の中で相争う。それがキャラクター化されてるんですよ。

 

堅田:へー。面白い。

 

鈴木:よく考えたなって。

 

依田ピクサーが作る脳の映画って、すごい観たいです。

 

鈴木:そこまでいっちゃってるんですよ、もう。

 

堅田:ちょっと哲学的ですね。

 

鈴木:そう。それでいてエンターテイメントにするっていうんだから。僕はちょっと感心したんですよ。それ作ってるっていうことは聞いていたんだけど、もう七年前から作ってるんだよね。で、いよいよ映画が公開なんだけど。

 

依田:もうそこまでいってるんですね?

 

鈴木:そう。

 

堅田:楽しみですね。面白そう。

 

鈴木:なかなかの人ですよ、彼は。

 

・・・・・・

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依田:話飛びますけど、鈴木さんが何で映画の宣伝が上手くいったのかっていうのを考えることあるじゃないですか?あんまりマーケティングとかやってないんですよ。莫大な数字をもとに物事を判断しているとは思えないんですね。もし、死ぬ間際に「俺実はやってたんだ」って告白されたら、やってたんですか!ってなると思うんですけど、どう考えてもそれはないわけです。もの凄い限られたコミュニケーションの中でそれを時代のサンプルとして抽出するわけですよね。膨大なデータベースがないと、科学技術の場合は対応が出来ないけど、人間はたった一人を目の前にすると、世の中の色んな事象がその人に凝縮されてるから、会話していくとそこにヒントが見つけられるっていうのが、人間が持ってる能力の凄さとしてはあるなって気がしますね。

 

堅田:おっしゃる通りで、人間なんで全てのことなんてわからないじゃないですか。世の中の全ての真理をわかろうとしたら、わからないこといっぱいあるんですよ。量子力学の話もそうだし、宇宙にもわからないことがいっぱいある。三次元の中では理解出来なくて、四次元までいかないとわからないって言われてるんですね。テフロン構造がそうで、あんなのさえ理解出来てないんです。世の中の謎って結構あって、その全てを理解出来ないんじゃないか、と。逆を返せば自分が見えてるこの世界だけが全部じゃないんだと思った頃に観たのが「トゥルーマン・ショー」。

 

依田:ああー。

 

堅田:もしかしたらそうなんじゃないかと思って。ぼく名前がなおとって言うんです。真実の真に人で真人、トゥルーマンなんです。

 

鈴木:(笑)

 

堅田:もしかしたら僕はトゥルーマンなんじゃないかと思って。時々振り返ったりして。見られてないかなって。それぐらいツイてるときあるじゃないですか?すげー来てるな俺ってときとか。やけに晴れたりとか。

 

依田:(笑)

 

堅田:雨ちょっと作れなかったな、みたいな。もしかしたら、そういう社会の捉え方をしてもいいんじゃないかなって。それでありだったらいいじゃないですか。何か面白いですよね、そういうの。

 

鈴木:色々あるけれど、俺なんて時代もそうだったんだけど、大衆消費社会が大きかったんですよ。ちょうど学校入った頃、そんな本ばっか読んだしね。それの成立とダメになっていく過程。そこの間際にいた人間でしょ?だからそれがあることによって、自分のやり方はある程度の確率の高さがあったわけですよ。だけど、これからは個々に対応だから。もう大衆消費社会は終わるんだから。

 

堅田:おっしゃる通りです。

 

鈴木:そうしたら、全然違う世界が垣間見えるんですよ。そういう気がするもん。一つのものにみんなが集まるって、中々、、

 

堅田:今ないですよね。

 

鈴木:そう。俺らなんか、そういうのがなくなったってときなんてジブリはスタートじゃない?でも俺はそうは見てなかった。残滓はいくらでもあるって。そこでやっていったわけだもん。

 

堅田:携帯電話的な話をすると、いま日本人のありとあらゆる人が同じ携帯を持つという時代に来てるんです。これ不思議ですよね。

 

鈴木:まだそういうことが起きてんだもん。

 

堅田:ほぼ全てですよ。一位から十位まで全部iPhoneですからね。何か凄いなーと思って。

 

鈴木:最後の商品かもしれない(笑)みんなが一つのものを持つ。

 

堅田:でも車って意外とそうじゃないですか?

 

鈴木:奥田さんっていう人が最後言い残した言葉が、「個別対応」なのよ。

 

堅田:なるほど。

 

鈴木:やっぱり一つのものをみんなは買わないって。

 

堅田:確かに昔ほど支配的ではないですよね。

 

鈴木:みんな車が売れなくなったっていうけれど、みんなが同じ車だからですよ。決まってるんだもん、そんなもの。その人がある限界があったのは、じゃあ座席でも変えようか、とかさ。そこにいったわけよ。

 

依田:(笑)

 

鈴木:そういう小手先では上手くいかないんだもん。

 

堅田:刹那的ではワールドカップとかアナ雪もそうじゃないですか。iPhoneももしかしたらそうなのかも。

 

ーナレーションー

 

ウェアラブル携帯からインプラント携帯へ、携帯事情の最前線!(後編) 」いかがだったでしょうか。

 

来週は、日本大学芸術学部で行われた鈴木さんの講演会の模様をお届けします。お楽しみに。