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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

未来授業:黒川伊保子 第一回「妻のトリセツ」

2019年12月30日配信の「未来授業」です。

妻のトリセツ | 未来授業 | これからの時代を生き抜くヒントを学ぶ特別授業

 

ーナレーションー

 

今週の講師は、人工知能研究者の黒川伊保子さん。

 

長い間、人工知能の開発に携わってきた黒川さんの著書『妻のトリセツ』は、そのわかりやすさが夫ばかりか妻にも支持されて、40万部のベストセラー。今年になって続編ともいえる『夫のトリセツ』も刊行されました。

 

「わかってくれない」のではなく、どこまでいっても「わかりあえない」男と女。「そもそも脳が違う」と黒川さんはいいます。

 

家族と過ごす時間が長くなる年末年始。今週は黒川伊保子さんに「家族のトリセツ」を学びます。

 

子供ができると、妻はどうして夫に厳しくなるのでしょうか。子育て期には、なぜ夫にイライラするのでしょうか。

 

未来授業一時間目、テーマは「妻のトリセツ」。

 

 

黒川:これは多くの男性から魂から絞り出したようなメールをいただきます。「妻が変わった」って。「もうどうしていいかわからない」っていただくんですけどね。

 

これは脳の働きなので、母性の一環なのでしょうがないですね。私がもし母性を人工知能に授けて、何があってもこの赤ちゃんを育ててほしいって人工知能に託すとしたら、その母性をどう設計するか。

 

母性っていうのは自分の資源である気持ち、手間、時間。こういう資源を全部子供に捧げるという本能ですから、夫に捧げるそれはゼロになるわけ。二番目じゃないです。

 

で、夫は逆にいうと、捧げてくれる側になるわけですよ。自分の時間、お金、気持ち、手間、これを私たちに捧げてねって立場になるので、提供される側から提供する側に一気に変わるんですね。

 

さらに私自身が自分の子供を育てていて思ったのは、命がけなんだなってことでした。

 

新生児が隣で寝ていたら、ちょっと呼吸が止まっただけで起き上がるんですね、私たち。母親は。ちょっとした瞬間に息が止まっただけで。

 

その時に「これは戦場のベースキャンプだな」って思ったの。まるで兵士が人の気配を感じたように飛び上がるわけですから、私たちは命がけ。つまり戦場にいる兵士と同じように、あらゆる神経を使って子供を育てているわけで。急にパートナーが戦友に変わるわけね。

 

例えば、オムツを変えていて、子供がゴロンとなってオムツに手が届かない。そのオムツのそばにいる夫が何もしてくれないときに、目から火が出るほど腹が立つんですよね。

 

それこそそうですよ。私がヘリコプターのルーターのスイッチ押したのに、あなたなぜ扉を閉めないの!?っていうくらいの命がけの怒りなんですよ。

 

で、夫の方はその変化がないので。しかも妻が子供を産んで体もまろやかになって、声も優しくなって、子供に対して優しい横顔を見ていると、ついでに自分にも優しくしてくれるかな?ぐらいの感じで、相乗りするつもりの夫にしてみたら、その変化がものすごくショックですね。

 

「天使が悪魔に変わった」っておっしゃる方もいらっしゃる。これはちょっと男性にとっては気の毒なことですね。

 

ーナレーションー

 

出産のあと、妻の機嫌がいつも悪い。正直、居場所がない。

 

そんな夫がこの年末年始に出来ること。それは大きなことではなく、小さなサプライズだと黒川さんは話します。

 

黒川:夫の皆さんには時々、サプライズ家事をプレゼントしてほしいと思うんですよ。

 

私ね、息子が何でもないことなんだけど、あるときオムレツを作ろうと思って卵を割ってて。で、卵の殻が出ますよね。子供が卵の殻を割って後ろを向いて、ゴミをゴミ箱に捨てようと思った。生ゴミのところに捨てようと思った。そのゴミ箱のペダルを息子が踏んで蓋を開けててくれたんですよ。「あ、ありがとう。なんで?」っていったら「トイレの帰りに通りすがったら、卵割ってたから卵の殻捨てるんだろうなって思って開けといた」って言ったんですけど、そういうことのコミュニケーションが本当に愛おしいんですよ。だから女性もやってあげる。

 

出しっぱなしののコートを片付けたり、テーブルの上のカップを片付けてるのに、なんか夫の方はそれに甘えてルールさえも守らなくなるっていうので爆発していくんですね。

 

なので、ルールは守ったままにする。だけど、そうやってやってくれることに対して、妻のルールの分をちょっとついでにやってあげようかなってことをやってあげると、これがコミュニケーションですね。

 

女性の感じからすると、例えば、5出来る人と5出来る人が何もし合わないでただ生きていくよりも、相手の1をこっちがやり、こっちの1を向こうがやってくれることで、お互いにちょっと共感し合う、みたいなことをコミュニケーションとしてるので、そこをわかってくれると嬉しいなと思います。

 

何でもないことでいいから、「君のことを見てたよ」って。「いまこの手が足りなかったでしょ?」っていうことがしみじみと心の中に残ったりするので、試しにやってみていただけたらなって男性の方には思います。