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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

未来授業:菅付雅信 第三回「AIとは何かを考えることは、人間とは何かを考えること」

2020年1月8日配信の「未来授業」です。

AIとは何かを考えることは、人間とは何かを考えること | 未来授業 | これからの時代を生き抜くヒントを学ぶ特別授業

 

ーナレーションー

 

今週の講師は、『動物と機械から離れて』の著者の菅付雅信さんです。

 

「近い将来、9割の仕事は機会に置き換えられる」

 

こうした仕事の代替を楽観的に捉えられる人がいる一方、AIに脅える悲観論者は後を絶ちません。人間の頭脳労働さえ代替していくというAIは、どんどん人間に近づいているようにも見えます。

 

では、AIと人減の決定的な違いは何でしょうか。

 

未来授業三時間目、テーマは「AIとは何かを考えることは、人間とは何かを考えること」。

 

 

菅付:AIの進化に関して、それを恐れるような発言とか本とかいっぱい出てるんですけど、よく言われるのは、AIの計算能力が人間の脳の計算能力を超えるだろう、という説があるんですね。

 

これはアメリカでレイ・カーツワイルっていう人が唱えているシンギュラリティという考え方なんですけど、ある技術的特異点までAIが達すると、その技術的特異点というのはAIの計算能力が人間の脳の計算能力を超える地点ということなんですが、そうなると、AIの知能が人間の知能を超えるだろう、というのがカーツワイルという人たちのある種の予言なんですね。

 

で、これが2040年代に来るだろう、と彼らは予言しているわけなんです。

 

一方で、計算能力と考える、理解するっていうのは違うんじゃないかっていう説もあって、ヨーロッパとか日本にはこういう考え方も、科学者とが結構言うわけなんですけども、理解と計算能力は違う、というところで立ってみると、まだまだAIというのは人間の知能に近づけないんじゃないかって説を唱える人もいっぱいいます。

 

例えば、「わかる」っていうコンピュータの大問題がありまして、コンピュータとかAIというのは、何かをわかっているのかっていうちょっと哲学的なんですけども、そういう問題があるんですけども今のところ、わかってない、というのが通説なんですね。

 

計算は出来るけど、意味はわからない、というのがAIに関する通説で、つまり何かの情報をもらったときに、こういう反応をすればいいっていうプログラムはどんどん良くなっているわけなんですね。でもそれはあくまで反応であって、わかっているわけではない、というのが大体言われてるところですね。

 

AIが苦手なことがはっきり二つあって、それは抽象的なものを捉えて、何某か理解して、自分でも抽象的な表現をすること。すごく苦手なんですね。

 

例えば、インストゥルメンタルの音楽を聴いて、それの良し悪しを判断して、じゃあ自分もこういう曲を作ろうっていうのはとても難しいということになってます。

 

例えばAIが詩を読んで、詩を自分なりに理解をして、自分もこういう詩を書こうっていうのも、とても難しいっていうのがはっきりわかってるところですね。

 

で、もう一つが、何かの情報を与えたときに、人間っていうのはある程度ゆっくり考えると、それの上位概念を考えるんですね。この情報の束が意味することは何だろうか、と俯瞰的に考えることが出来るわけなんですけど、AIは情報の束は情報の束としてしか見ないので、それの上位概念、違う寄り道とか違うレイヤーを考えることは非常に難しいと言われていますね。

 

ーナレーションー

 

また大原則として、コンピュータは間違いを起こすことが出来ません。

 

間違えるのは人間だから。それが人間の強みになっていく、と菅付さんはいいます。

 

菅付アンドロイドは電気羊の夢を見るか?っていうことですけど、アンドロイドは夢を見ないっていうことですね。なので、羊の夢は見ない。

 

逆にいうと、僕らは寝てる最中もそうですし昼間も、例えばコーヒー飲んでたりとか、お酒を飲んだたりするときに、結構突拍子のないこと考えますよね?ああいったものが非常に重要なことで、それは多くの場合はエラーなんですよね。ある種間違った考えなんですけども、たくさんの間違った考えの中に時々、実際に使える良いアイディアがあるんですよね。

 

ただ、コンピュータとかAIで一番やってはいけないとプログラミングされてるのは、間違えちゃいけない、ということなんですよ。計算を間違えてはいけない。人間はしょっちゅう間違えるんですけど、間違えるから新しいものを作れるんですね。

 

なので、人間はAIに出来ないことをやるためには、間違ってでもどんどん新しいことを思いつく、間違ってでも寄り道とか今までにない高い視点で物事を考えてみる、みたいなことが重要になってくると思いますね。