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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>大規模災害時の避難とコロナ対策 第一回「分散避難を考える」

2020年6月15日配信の「未来授業」です。

分散避難を考える | 未来授業 | これからの時代を生き抜くヒントを学ぶ特別授業

 

ーナレーションー

 

今週の講師は、防災・危機管理アドバイザーの「防災システム研究所」所長、山村武彦さん。

 

50年以上にわたり、世界中で発生する災害の現地調査を実施。多くの企業や自治体で防災アドバイザーを歴任しています。

 

これから本格的にやってくる台風シーズン。

またいつ起きてもおかしくない大地震

 

このような大規模災害の中で私たちは、新型コロナウイルスの感染リスクとどう向き合っていけば良いのでしょうか。

 

そこで今週は、災害時のコロナ対策について山村武彦さんに伺います。

 

未来授業一時間目、テーマは「分散避難を考える」。

 

 

山村感染症と大規模災害が同時に発生した場合というのは、感染症と災害の足し算ではないんですね。複雑に絡み合った掛け算の災害になります。

 

災害が発生すれば、ライフラインが止まっちゃうんですね。電気・ガス・水道が止まってしまう。情報もある意味断たれてしまうわけですけれども、尚かつ感染症の心配もあるということになりますから、避難所に行くという行為が、場合によってはクラスターに巻き込まれてしまう可能性もあるわけですから。

 

なぜなら、避難所が停電になれば、換気設備が止まってしまう可能性がある。あるいは手洗いもこまめに出来ない可能性がある。そういったことも災害というものだけでない色々な心配りが必要になってくることになります。

 

特に避難をするということを考えるときに、例えば台風が来たときもそうなんですけど、警戒レベル4というのは全員避難ということなんですけど、この全員避難というのは全ての人が対象ではないんですね。これは危険区域の危険な家に住んでらっしゃる方に対しての全員避難。例えばマンションの上階に住んでいれば、避難しなくてもいいですし。あるいは冠水しても、僅かな冠水であれば二階の安全な部屋に避難する。いわゆる垂直避難というものもありますね。

 

そういう風に避難所だけではなくて、基本的には分散避難を考える。分散避難っていうのはどういうものかというと、今までは「避難勧告=避難所へ避難」だったんですね。それでなくて、安全が確保出来たお宅は、原則は在宅避難ですね。電気・ガス・水道・電話が止まっていても、感染症の恐れもなく、自分のベッドの方がよっぽど良く眠れますね。ですから、在宅避難というものが原則なんだ、という認識が大事だと思います。

 

もう一つは、親戚とか知人宅に避難する方法。あるいはテントに暮らす。もう一つあるのは、車中避難ですね。車の中に避難する。そういう風に避難というのは避難所だけでなくて、避難する場合にもですねいくつかの選択肢があるということを認識する必要があると思います。

 

ーナレーションー

 

現在の指定避難所では多くの避難者が密集すると考えられ、新型コロナウイルスに感染するリスクは高まります。

 

こうした状況を出来るだけ避けるため、いざというときどこが安全な場所なのか事前にいくつかの選択肢を確認しておく必要が大切です。

 

また山村さんは「自治体も可能な限り多くの避難所開設の準備を」と話します。

 

山村:実際に今年3月11日にですね、北海道で洪水になりそうな大雨が降ったんですけれども、そこのある街はですね、釧路川が決壊する危険性があるということで避難指示を出したんですね。

 

避難指示を出したもんですから、みんなが避難してきた。その体育館には通常は五百人収容出来る予定だったんですけれども、北海道はそのとき緊急事態宣言下にありましたので、三密を防ぐために一人大体四平米くらいのスペースを確保し、通路を広くとったんですね。そうしたら二百人で満杯になってしまった。

 

ですから想定されている受け入れ能力というものが、半分以下になってしまうということになれば、避難所を増やすしかないんですけれども。

 

もう一つは、分散避難で避難所の負荷を減らす、という動きも同時にやっていかなければいけないんですね。

 

避難所を増やすと言ってもですね、すぐに増えないですね。体育館だけでなく教室を使ったり、公共施設を動員したとしても急に増やすことは出来ない。仮に増やしたとしても、そこに衛生管理をする敷材とか、人を配置するとなると、相当な人員とコストがかかってきます。それを乗り越えるためには相当時間がかかってしまうので、今すぐ出来ることから始めていくしかないと思いますね。