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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

〈未来授業〉寒川一 第四回「自然享受権」

2020年1月23日配信の「未来授業」です。

自然享受権 | 未来授業 | これからの時代を生き抜くヒントを学ぶ特別授業

 

ーナレーションー

今週の講師は、アウトドアライフアドバイザーの寒川一さん。三浦半島を拠点に「焚火カフェ」など、独自のアウトドアサービスを展開。

 

寒川一さんによる「次世代に伝えたい、未来のアウトドア」。ラストは、北欧の「全ての人が自然の中に自由に立ち入り活動ができる権利」「自然享受権」についてです。

 

禁止事項やルールの多い日本のアウトドアと正反対の北欧のスタイルから何を学ぶことが出来るのでしょうか。

 

未来授業四時間目、テーマは「自然享受権」。

 

寒川スカンジナビアの北欧のいくつかの国には、「自然享受権」っていわれる、これは法律ではなく慣習法っていわれるんですけど、みんなで守ってきたルールがあるんです。

 

例えば、森を歩くと、長く歩くと当然人の土地を跨いだり、入ってはいけない場所に跨いだりする可能性があるんですけど、それが許されてる。

 

人は旅をする生き物で移動する生き物ですから、歩くっていうことに関して、例えば柵を作って歩けませんっていうことはしない。歩く中でキノコを見つけました、人の土地のものでも基本は採っても構わない。日が暮れて、そこでテントを張って一泊泊まることも構わない。湖に出て対岸に行きたい、そこにカヤックがあればそれに乗ってカヤックを漕いでも構わない。

 

自然をベースとした様々なことが、有料であるとかどこかの許可が必要だとかっていうことではなくて、それを楽しんで構いませんよっていうことが保障されている。これは国民のみならず、旅行者でさえ適用されています。要は自然は誰のものでもない。誰も所有出来ない。それは一時自分たちが預かっているようなものであると。国王であっても所有出来ないんだと。

 

で、人だけじゃないんですね。動物もある種同じで、鹿であったり熊であったりっていう、北欧の森に暮らしてる動物たちと人間たちは同じように自然を享受出来る権利がある。

 

だからキノコやブルーベリーとかを摘んで食べていいんです。それは動物と一緒ですよね。それを何百年も守り続けてきた彼らの誇りらしいんですよ。自然享受権っていうものを自分たちが持っていること自体が、自分たちの誇りでもあると。

 

それを日本のアウトドアのシーンに置き換えたときに、非常に真逆だなって感じるんですよね。僕らがキャンプをやるときに真っ先にやらないといけないのは、インターネットで予約をするってことですよね。予約をしたらよく見ると、チェックインとか書いてるわけです。何時までに来いと。チェックアウトもあると。キャンプ場には微細に色んなルールがあるわけですね。それはいけないことではなくて、そこで快適に色んな人たちが楽しめるっていう意味では、そのルールは非常に理解するところなんですが、自然享受権というものを知ってしまうと、全部自己責任なんです。そこでもし命を落とすようなことが仮にあったとしても、それは誰にも責任を問えない。自分で選んだ結果であると。

 

日本人のアウトドアを楽しむ考え方が、マナーが悪いと結局閉鎖になってしまったり、焚き火が禁止、みたいなことになったり。自分で自分の首を絞めている、というか。自分で自分の楽しみを奪っている、みたいなところもあって。どこかで自然享受権の在り方に、この時代にもそんな風に成り立っていることがあるっていう現実を知ってもらって、自分たちがどういう行動をしていけば、将来の子供たちとか将来アウトドアを楽しむ人たちに、より本質から外れない様な楽しみ方が出来るように残せるかっていうことは今の時代の一番の課題なのかなとは思ってますね。

 

ルールを守ることだけが、それを守ることじゃないんじゃないのかなっていう。僕らユーザーが高い意識を持たないと、改善はされていかない。

 

北欧って自然享受権っていうことが独立して起こったことではなくて、そこの土地の気候風土から生まれてるっていう背景もあれば、スウェーデンには森の教育と言われる、小さい時から自然の中で色んなことが学べる教育環境があるんですよね。そういうことを経た大人たちが自然享受権を守っていけるんだっていう、教育からして日本とか他の国と違うのかもしれない。

 

でもそれを羨むだけじゃなくて、じゃあ日本だって教育をなんとかしていこうよ、みたいな。倣えばいい。僕らにも出来るんじゃないのかなっていう風には思いますけどね。