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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>西村カリン 第三回「110を目指す日本人、90で満足するフランス人」

 

ーナレーションー

今週は、ジャーナリストの西村カリンさんを講師に迎えて、「それでも日本に住む理由」というテーマでお送りしています。

 

1997年に来日したカリンさんは、放送局の技術者としてのルーツから、日本の最新テクノロジーをフランスに伝える仕事をしていました。

 

それから20年余りが過ぎ、日本を取り巻く環境、そして日本内部の情勢は大きく変わりました。未来への不安が日々伝えられる中、カリンさんは、ちょっと視点を変えれば新たな可能性が見えてくると言います。

 

未来授業三時間目、テーマは「110を目指す日本人、90で満足するフランス人」。

 

 西村:日本人は100を目指すと、110まで行かない限り満足しない。完璧主義者ですがフランス人は、100を目指すと90まで行けばそれでいいって思うんです。基本の違いはそこにあります。だから生産性が高い。なぜかというと、100までは行かないから、90で終わって「もう仕事終わりました」とか。だから有給休暇取れます。完璧主義者ではないから、色々出来るんです。

 

日本人は完璧主義者であるから、色んなことが出来なくなったんです。なぜかというと、全世界が競争の環境になったから。110を目指してる日本人は、相手は全員90でもオッケーというので、速さとかその違いは出てくる。

 

日本人はこれから自分が目指していることを一段下がらないといけない可能性がある。それは生き残りの戦略になります。

 

日本人は完璧主義者であるのは素晴らしいことで、全ての国に同じような日本のやり方とかものづくりとかを見て、それをやろうと思えば良かったんですけど、そうならなかった。やっぱりもっと安いものを作ろうとか、もっと速く作ろうとか、他の国からそっちに行ったので、全世界の競争の中で結局日本の企業は巻き添えになっちゃったんです。それはとても残念なこと。そんな技術を持てる企業が負けてしまう状況に落ちてしまったのは、本当に残念だと思っています。

 

でもそれは明らかです。15年前に比べると、日本の技術力は下がってます。ただ日本人はもう一つ素晴らしいところがあるんです。それは落ちてたときに、さらに強くなる。戦争のあとで25年間で第二位の経済大国になった日本は、凄いことです。もし同じ状況でフランスだった場合は、絶対に第二位の大国にならなかったと思います。それは日本人の強みがあるので、その強みをちゃんと使って欲しいとは思ってます。

 

ーナレーションー

現在、東京で日本人の夫、そして2人のお子さんと生活する西村カリンさん。子供を育てる街としての東京を伺いました。

 

西村:東京の環境とパリの環境を比べたら、圧倒的に東京の方が子育てしやすい大都市である。例えば、2歳の次男とお散歩したいと思ったときに、次男は電車が好きだから、電車に乗っても全く問題ない。勿論、ラッシュアワーを避けて別の時間帯でベビーカーで行くときに全く問題ない。どこでもエレベーターがあるし。

 

パリだと地下鉄はまず汚い。危ない。エレベーターがない。まとめると、乗れない(笑)乗れない。本当に不可能です。

 

ただ、誰にも不便だからお互いにフランス人はお手伝いするんですね。例えば、地下鉄に乗れたい場合は、ベビーカーはどうしようって思ったら、必ず誰かが来て「手伝いましょうか?」って提案があるので、それはコミュニケーションの能力を示すことだと思うんですが、ただ、もうちょっとパリ市とかが東京の素晴らしい設備をパリでも設置して欲しいと思ってます。

 

ーナレーションー

そんなカリンさん。「一番好きな日本の風景は?」と訊くと、意外な答えが返ってきました。

 

西村:一番好きなのは?それは間違いなく、保育園の子供たちが外で手を繋いで帽子を被って歩いて公園に行くことです。

 

なぜかというと、それはパリでは考えられない場面。なぜかというと、パリでは危ないから、テロ対策で保育園の子供は、先生と一緒に外に出てお散歩するのは考えられない。だから、それを見るときにほぼ毎日こんな場面東京で見られるので、それを見たら本当に感動します。