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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>西村カリン 第四回「震災を世界に伝える」

 

ーナレーションー

今週は、フランスで生まれ育ち、現在は活動するジャーナリスト、西村カリンさんが『それでも日本に住む理由』というテーマでお送りしています。

 

通信社で働くカリンさんは、2011年、東日本大震災に遭遇します。フランスでは経験することのない大地震の取材を巡って、ジャーナリストとしての生き方を定める、様々な経験をすることになりました。

 

未来授業四時間目、テーマは「震災を世界に伝える」。

 

西村:えーと、私はその日に会社にいて、別の記事をやってたんです。それは当時の総理大臣についてのスキャンダルが出てきたみたいな話で、総理大臣が辞める可能性があるって言われてて取材してたんですけど、突然ビルがバーバーバーなって、すぐ「ああ、これは大変だ」ということがわかって、速報を出したんですね。

 

まだ何も情報がなかったけど、自分が感じたことだけはニュースだったっていうのは、今東京で大きい地震が起きてることを速報を出した。その後、終わらなかった。3日ずっと会社にいて、どんどん出てきた苦しいニュースを速報して、長い記事書いて、どこかに電話して「何が起きてるかを教えて下さい」とかっていう、まず電話での取材だったんです。

 

私現場に行ったのは、一週間後。今もやっぱり苦しい。私にもトラウマになったんです。最近わかったんです。3.11のことは普通にジャーナリストやってたからこそ、当時はあまり苦しいことは感じなかった可能性があるんですけど、その後出てきたんです。

 

今3.11のことを覚えると、泣きそうな感じになっちゃうんです。本当に日本人は強いと思ってる。フランスで同じようなことが起きた場合はどうなったかって、それも考えたら、やっぱりもっと大変なことだったと思う。だから、日本人の強さ、とか、フランス語でレジリアンスって言うんです。大変なことが起きたときに、受け止め方、すごいと思ったんです。でも悲しい。

 

今も9年が経っても、福島とか宮城とかは色んなところで取材を続けたいんです。終わってないと思いますから。まだまだ悲しい。まだまだ苦しい状況で暮らしてる人は沢山いるから、我々記者として、彼らの声を聞かないといけない。だから、これから私はなるべく被災地に行って、彼らの声を聞きたいんです。

 

私にとっても重要なことであって、必要なことです。私も理解したい。問題が残ってる所に行きたいんです。日本人のジャーナリストの中でも、フリーランスとかがそんな仕事をやってるんですけど、ただ彼らの記事とかは海外で掲載されてないから、私フランス人だからフランス人向けの記事を書きたいんです。

 

フランスでも原発とかがあるので、原発の事故が起きたときに対応出来ない人間、人間はもう人間の能力を超えてることです。終わらない。そのメッセージを強く出したいんです。だからそのために、何回も何回も原発とかの周りに、原発の中に行かないといけないと思っています。

 

ーナレーション

日本人の強さを知った東日本大震災。一方で、まだ終わっていない復興の姿を世界にどう伝えていけばいいのか。今もなお迷い、探り続けながら進んでいます。

 

西村:日本は最先端技術を持つ国。日本は割とお金のある国。日本は文化の強い国。なんで同じ日本で9年が経っても、仮設住宅に住んでる方が残ってるのか。それはなぜなのか。本当に知りたいです。

 

何か出来るのかわからないんですけれど、少なくともその状況を伝えないといけない。

 

私の好きな日本はそんな日本じゃないんです。私が好きな日本は、明るい日本であって、私が好きな日本は他の国のためにある程度モデルになってる日本。だから、こんな大きい災害が起きた時に、日本だからこそすぐ解決出来るっていうイメージを伝えたいんです。

 

残念ながら今のところそうではないので、じゃあそうなるために、マスコミとか我々ジャーナリストが、強くその状況を伝えないといけない。

 

そうすると、日本の政治家も「確かにその状況は良くない」とかって気づいて、彼らは問題を解決する能力はあるはずです。だから本当に動いて欲しいので、ジャーナリストとして自分の役割をちゃんと果たしたいと思ってます。一人でだけで出来るわけじゃないけど、一応私も、3.11の時にも日本にいたからこそやりたい。