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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

〈未来授業〉ブレイディみかこ 第1回「多様化する社会、レイシズムのレイヤー」

 

ーナレーションー

今週の講師は、コラムニストのブレイディみかこさんです。

 

英国人の夫とともに、1996年から英国・ブライトンに暮らし、執筆活動を続けています。

 

そんなブレイディさんのエッセイが、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。人種や収入格差など、様々な多様性の中で育つ息子の日常を綴り、ノンフィクション部門で本屋大賞を受賞しました。

 

今週は、英国の公立中学校で学ぶ子供たちの視点から、多様化する社会の歩き方を学びます。

 

未来授業1時間目、テーマは「多様化する社会、レイシズムのレイヤー」。

 

ブレイディ:英国はもうずっと昔から移民を受け入れてきた国で、元植民地の方々がたくさん入ってらっしゃるので、見るからに色んな人種の方々、肌の色も髪の色も違うし、それプラスの例えばブライトンは、イギリスのゲイキャピタルと言われてまして、結構LGBTの方々がたくさん住んでるケープタウンっていうところがあるんですけど。

 

例えば、私は保育士として働いていたことがあって、その時にケープタウンのゲイエリアにある保育園に勤めていたんですけど、普通にお父さんとお父さん、お母さんとお母さんのお子さんがいらっしゃってるし、そういうことを別に隠していたりもしないし、みんな普通に2人のお父さんだねっていう。幼児は特にそうですけどね。「ウチもお母さん2人がよかったなー」とい子とかもいるし(笑)先入観なく受け入れてるところはありますよね。

 

それと最近言われているのは、多様性というのは人種とかLGBTとかそういう問題だけでなくて、貧富の格差がすごく広がっているので、それも多様性だよねって。こっちの格差はいま広がっていて。縦の軸と横の軸と、色んな人間の差というか、色んなグループが出来てたりとか。民族的には同じでも、出身国が違ってたりとか、宗教が違ったりとかすると、微妙に違う人たちもいらっしゃるし。多種多様ですよね。色々いて当たり前の世界になってますよね。

 

ーナレーションー

エッセイは、ブレイディさんの息子さんが地域の公立中学校に進学するところから始まります。

 

学校では、人種や肌の色、宗教が異なる子供たちが一緒に学びます。また、親の収入によって生活レベルも様々です。

 

喧嘩、差別、いじめ。子供たちは悩み、傷つきながら互いの多様性を学んでいきます。

 

ブレイディ:やはり違うと、「違うよ」って子供って言っちゃうじゃないですか。例えば、LGBTとかそういう問題に緩くない宗教もありますよね。そういうことを禁止している宗教があったとしたら、その家庭のお父さんお母さんは、そういう態度をとられるし、そういうことを家庭でも話されていると、子供もやっぱりそうなのかなと思いますよね。

 

そうしたら、学校でお父さん2人お母さん2人当たり前だよって教えられても、あなたのおウチはおかしいんじゃないの?とかって、子供ってその辺がハッキリ言っちゃうので、そういうところから衝突が生まれますよね。

 

大人って割と言いたいけど、言えないけど、隠してるからいつまでも思っているっていうような部分がありますけど、子供って例えば人種差別的なことを言われたと。大人だったら、そこでこの人とは付き合わないって線を引いちゃうのかもしれないけど、子供の学校生活だとそうもいかない部分があって。

 

例えば、体育の授業で同じチームになるとか、そういうようなことがあるわけじゃないですか。そこで付き合っていかないとしょうがない部分があって。その子のそういう部分は嫌いだけど、違うところでは良いこともあって、僕はそういうことを言われると傷つくし、人種差別的なことを言うのはいけないと思うから、じゃあそれがどうしていけないのかっていうことを彼に話してあげなきゃいけないんじゃないかっていう風になって、なんか友達になったりとかしていくんですよね。

 

そういうことをしながら、日々の生活の中に多様性というのはあって、その中からみんな一進一退しながら学んでいる。だから多様性の問題というのは、一気に良くなるものじゃないんですよね。3歩進んでは2本下がりながら。でもその方がきっと確実だと思うんですよ。だから、そのリアルな感じが英国は良いなと私は思ってますけどね。

 

多様性って本当にその場に身を置いてみると、やっぱり大変なことなんですよね。多様性があるところに分断があるのは、ある意味当たり前。みんな違うんだから。

 

でもその中で落とし所を作って、上手くやっていけば、多様性があるっていうことが強さっていうのは、これは企業なんかだったら昔から言ってますけど。同じ考え方の似たような人が何人もいるよりも、それぞれに違う強みがあって、違う考え方をして方が、何かがダメだったらバックアップがあるじゃないですか。

 

でもみんなが同じような人たちが集まった場所だったら、1人コケたらみんなコケるじゃないけど、そういう風になっちゃうから、イギリスの多様性の強さはそこでもありますよね。実際に人間が生きていく、生き延びていくために必要なものですよね。