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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>古田大輔さん 第1回「情報汚染」

2020年4月6日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、ジャーナリストの古田大輔さん、

 

朝日新聞社の記者からアメリカ発のネットメディア「バズフィードジャパン」の創刊編集長を経て、株式会社メディアコラボを創設し、現在はメディア・コンサルタントやテレビ番組のコメンテーターとしても活躍しています。

 

インターネットの登場で私たちは、情報を気軽に入手したり、自らも発信して、スピーディーに拡散出来るようになりました。しかし今回、パンデミックを引き起こしている新型コロナウイルスのように、解明されていないことが多いものについては、間違った情報も速度を増して拡散していきます。

 

こうした状況を古田さんはどう捉えているのでしょうか。

 

未来授業1時間目、テーマは「情報汚染」

古田:今回、コロナウイルスが世界中に爆発的に拡散すること、これはパンデミックっていう言い方があるんですけど、それと同じように間違った情報とか、不正確な情報が爆発的に広がることをインフォメーションのパンデミックで「インフォデミック」っていうんですよね。いま新型コロナウイルスでインフォデミックが発生しているって言われています。ネット上にたくさんのデマが流れている。

 

僕みていると3種類くらいに分けれると思うんですね。

 

1つは「お茶が効きます」とか「漢方で治ります」みたいな特効薬系のデマ。もう1つが「政府は情報を隠している」とか「あれは中国の化学兵器だ」みたいな陰謀論デマ。最後があやふやな情報を拡散させて、面白がるみたいな便乗系のデマ。そういう風なのがあると思います。

 

なんでわざわざデマを流す人がいるの?って不思議に思う人いると思うんですよね。ずっとそういう不正確な情報とかデマを見てて思うのは、3つくらい理由があるんですよ。

 

1つは特効薬を売りたい人が「この特効薬効きます」とデマを流したり、もしくは単純に面白おかしく嘘を流してですね、それがインターネット上で多くの人に見られたら広告費が手に入るんですよね。経済的な理由。

 

2番目に相手を貶めて、自分の立場を引き上げるみたいな政治的な理由。例えば、いまアメリカと中国がお互いに「これは武漢ウイルスだ!中国がとにかく悪いんだ!」とアメリカが言う一方、中国は「これは実は元々はアメリカから発生したみたいだぞ」みたいなことを言い出したりですね、それでお互いを貶し合うみたいな政治的な理由で戦わせるようなデマであったり、不正確な情報だったり。

 

最後は単純に目立ちたいっていう人がいるんですよね。ツイッター上によく変な噂話とか流れてますよね。あれで騙されているのを見て喜んでいる人っているんですよね。そういう利己的な理由でやってる人たちがいると。

 

ーナレーションー

新型コロナウイルスの撃退方から日本のロックダウンのカウントダウンの日まで、インターネットを駆け巡るフェイクニュース

 

では、インターネットの情報を信頼することは危険な行為なのでしょうか。

 

古田:「ファクトチェック」っていうんですけど、不正確な情報を検証したりですね、デマを見破ったり、政治家や有力者の言葉が正しいかどうかをキチンとチェックするような活動のことをまとめて「ファクトチェック」っていう言い方をします。

 

それを広げていこうって頑張っている団体があるんですよね。世界的にいうと「インターナショナル・ファクトチェッキング・ネットワーク」っていうIFCNっていうところがアメリカにあります。ここと協力して一緒に頑張ろうとしている団体が世界中にあるんですね。日本では2017年に設立された「ファクトチェック・イニシアティブ」っていうFIJという団体があります。

 

僕自身はそこでアドバイザーを務めているんですけど、そういったところが不正確な情報はネットでは広まりやすいと。それに対してキチンと検証していこうっていう活動を広めています。

 

で、検証するときに何が1番大切かというとですね、信じてもらわないといけないわけですよ。だからそいういうことを信じてもらえるだけのクオリティを保つためのガイドラインであったり、ルールの設定であったりっていうのをIFCNという団体は世界に広げようとしているし、FIJはそれと協力して日本でもファクトチェックを広げようとしています。

 

でも「それは嘘だよ」っていう風に検証しようと思ったら、それが嘘であることを証明するためのデータをどこからか探して持ってこないといけない。それをキチンと論理立ててわかりやすく説明しないといけない。なので、嘘は一瞬でつけるけど、その検証には何時間も、時には何日も何か月もかかったりするんですよね。

 

だから、正直に言ってファクトチェックでお金を稼ぐことって、ほとんど不可能。コストの方が圧倒的に多い。それでもIFCNとかFIJがやっているのは、これが社会的に正しいこと、やらないといけないことだからなんですよね。

 

アメリカでは、そういう活動に対する寄付がかなり集まるようになってきている。財団からの多額の寄付であるとか。日本でも徐々にそういった動きが出始めました。その大きなキッカケになったのが、実はコロナウイルスなんですよ。コロナウイルスでこんなにデマが広がるのを日本中の人も見たわけですよね。そうすると、これは何とかしないといけない、という気持ちになると。正しい情報を広げることが大切だなっていうこと。意識を共有してくれる人が広がってきてるなって感じますね。

 

なので、コロナウイルスって本当に大変な危機なんですけど、それをバネにして何とか社会をより良くしていこうっていう人たちはキチンといるんですよね。