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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>谷尻誠さん 第3回「マイナスをプラスに置き換える」

 

ーナレーションー

今週の講師は、建築家で「SUPPOSE DESIGN Co.Ltd.」代表の谷尻誠さん。新社会人に向けた働き方のヒントをうかがっています。

 

新たな価値観を見つけ、人々の心を掴む空間を生み出している谷尻さんにとって、日々の出会いは、常に自分が成長するチャンスといいます。

 

ただ、必ずしもすべてが順調に進むわけではありません。

 

実際の建築だけでなく、2018年に公開された映画『未来のミライ』では、主人公が暮らす家の設計デザインにも携わりました。映画でもみられた傾斜地という不利な地形をどう活かすのか。

 

未来授業3時間目、テーマは「マイナスをプラスに置き換える」

 

谷尻:たぶん苦手なのって、所詮自分の価値観ですよね。その自分の価値観だけで評価をするってことは、自分の器が小さければ小さいほど受け入れれるものが少ないわけで、それがもし苦手なものが減るってことは、自分の力量や器が大きくなってるってことですから、むしろ苦手な人がいればいるほど、どう自分が克服するのかって自分は考える。

 

負荷のない成長はないので、やり易い人とか話がすぐ通る人とやってた方が楽ですけど、同時にそうではない人と仕事をすることによって、自分の成長がそこにはあると考えると、むしろそこを取った方が他の人よりは成長が速いかもしれないわけで。

 

結局、みんながそこに対して「苦手だ」「やめておこう」っていう時に、でもこういうことがあるよっていう瞬間、そこにはブルーオーシャンがあるわけで。建築なんかでいうと例えば、傾斜地みたいな場所も平らな場所が安全だっていう価値が世の中に根付いている中で、傾斜地って実は、他の敷地よりももちろん経済的だし、その前に建物が建たないから未来永劫に美しい景色が手に入るっていう側面もそこにはあるわけですよね。

 

そこで最も心配なのは、斜めだから危ないっていう感覚だとしたら、建物の作り方でどう安全性を担保しながら、そういった環境を改善するかってことが1番役に立てる部分なので、そういった部分を大事に。

 

これは何かを作る技術というよりは、物事の捉え方の技術だと思うので。僕自身もバスケットで体が小さいっていうコンプレックスを、どういう魅力とかどういう自分にしか出来ないプレースタイルに作り上げるのかっていう経験が、ずっと活かされる気がするんですよね。背が高くて、運動神経が高い人が活躍するのって当たり前じゃないですか。でも背が小さい選手が背が大きい人たちを抑えこんで勝ててしまう瞬間もあるように、本当はどこにでもやれるやり方っていうのはある気はするんですよね。

 

ーナレーションー

自分のコンプレックスを払拭するために大切なのは、マイナスをプラスに置き換えること。そしてもう一つが、「なぜ?」を繰り返しながら、本質に届くまで自分は問いかけることだ、と言います。その具体的な方法を聞きました。

 

谷尻:みんなに嘘だろ?って言われるんですけど、僕授業中に先生に当てられると、赤面して何も答えなくなるぐらいあがり症だったんですよ。それが本当にコンプレックスで嫌で嫌で仕方なかったんですけど。

 

でもなぜ自分が赤面になって、何も話せなくなってしまうんだろうってことを深く考えてみたんですよね。ずっと考えていくと、もちろんみんなの前で話すってことが恥ずかしいっていう。慣れてないということもあるんですけど、話してみんなの前で失敗したくないんですよね。みんなから良く思われたいっていう自分がいて。結局、自分がどうあるべきかっていうより、人からどう見られているかってことしか気にしてないんだなって気づいたんですよ。

 

だとしたら、この周りにいる人たちはジャガイモみたいなもんだと。自分が間違えようと、この人たちは笑ったりもしないし、反応もしないんだと。だから、もう堂々と自分の思うことを言って、間違えたら笑い飛ばすぐらいでも良いんじゃないかっていう風に自分に暗示をかけて、人前で話すことに対してのコンプレックスをちょっとずつ払拭していったんですよね。

 

今は何百人の前で講演しても、緊張はないっていうと嘘ですけど、むしろそれを楽しむことが出来るようになったように、その物事の本質的なところまで辿り着くと、結局自分に戻ってくるので、そこを自分でコントロールしながらやるしかないんじゃないかなと思っているので、いつも問いをかけて「なぜこうなんだろう?」とか何度か繰り返すと、本当の源流に辿り着いて、あるべきものが見えてくるので。すごく哲学的な話なんでしょうけど、そんな難しいことじゃなくて、すごく素朴な問いに辿り着けると、未来が見えてくるのを何度も経験しているので、そういう風にしてますね。