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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<鈴木敏夫のジブリ汗まみれ>「時代劇の今後について」お送りします。

2015年2月4日配信の「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」です。

http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol353.mp3

 

ーナレーションー

新年明けましておめでとうございます。本年も「鈴木敏夫ジブリ汗まみれ」ご愛聴下さい。

 

さて、2015年最初の放送は、時代劇研究家•映画評論家の春日太一東宝の市川南さんをお迎えして、昨今、減りつつある時代劇の今後についてお送りします。

 

鈴木:やっぱり時代劇って、テレビで好きになったんですか?

 

春日:最初はそうですね。あと僕の場合、両親が時代劇大好きだった人なんですけど。寝物語で父親がよく『七人の侍』のストーリーを語って聞かせるんですよ。

 

市川:へえー。特異な家族環境ですね。

 

春日:それで雨がバァーって降ってて、三船が泥まみれになりながら野武士と戦って、みたいな話をどうも聞いてたらしいんですよね。だから情操教育で、時代劇がバリバリ入っていて。確かに気がついたら、あの映像頭に出来てるんですよね。観る前に。

 

市川:観る前に。

 

春日:ええ。

 

鈴木:聞かされたのは、いくつぐらいの時?

 

春日:寝物語で聞かせる歳ですから、2歳とか3歳ぐらいだと思うんですよね。

 

鈴木:どの時代なんですか?テレビの時代劇って。僕そっちは全然わかんないんだけど。

 

春日:物心ついて面白いなと思い始めたのが、『独眼竜政宗』なんですよね。

 

鈴木政宗って誰のやつ?

 

春日渡辺謙勝新が秀吉やって。

 

鈴木:そうなんですか?

 

春日:父親が北王路欣也で原田芳雄が悪役で来るっていうやつで。それを観て何も知らないで観てたら、渡辺謙がメチャクチャカッコよかったのと、勝新が凄い怖くてとか、原田芳雄が頭悪かったりとか観ていくうちに、子供心にカッコいいな面白いなって思ったので。で、その頃ちょうどバブルの頃で。時代劇結構大作作ってたんですよね。テレビで。日テレが年末に2夜連続で『白虎隊』やったりとか『忠臣蔵』やったりとか。

 

鈴木:森繁がやってましたよね。

 

春日:森繁、里見孝太郎、風間杜夫で大体やってたんですけど、その辺を観ていて堀内孝雄のテーマが流れて、年末に感動の涙を流して。それも親と一緒に観ていて。その辺で時代劇が面白いと。翌年に鬼平が始まったくらいなんですけど。

 

鈴木:1番最初の鬼平

 

春日:今の吉右衛門バージョンですね。ちょうど80年代の終わりですね。その頃にテレビの時代劇がガーっと上がってきた時だったので、そこに僕が物心ついて思春期のちょうど間くらい、1番感受性のあった時期にそういうのにドップリ浸かっちゃったのが始まりですね。

 

鈴木:洗礼を浴びちゃったんですね。

 

春日:そうですね。ちょっと渡辺謙とか風間杜夫とか若い世代と、勝新とかの世代と両方同居してた時代だったんですよ。両方の役者を知ることが出来たわけですよね。それもありましたよね。

 

鈴木:テレビの『座頭市』というのは?

 

春日:テレビの頃は生まれてないです。僕は。

 

鈴木:え?テレビの『座頭市』って、、

 

春日:78年かなんかで終わってますから。僕77年生まれなんで。

 

鈴木:あ、そんな頃なんですか(笑)

 

春日:ええ。

 

鈴木:『座頭市』映画よりテレビの方が凄いよね。

 

春日:そうですね。監督、脚本、編集自分でやってますからね。全て。

 

鈴木:僕は森田富士郎(もりたふじお)さん。あの人が撮ると良いよね。

 

春日:そうですね。森田さんの時だけは勝さんは何も言えなかったっていうのがあるので。

 

鈴木:勝さんの色んなやつのね、キャメラが変わるとあんまり良くないもんね(笑)

 

春日:それはありますね。森田さんとは本当に大親友。お互いカメラ助手と売れない俳優だった頃からの付き合いなので。その辺は『天才 勝新太郎』という本を読んでいただけると、細かく2人の青春時代を。

 

鈴木:読みますよ。

 

---

 

鈴木:ビックリするくらい綺麗だよね。

 

春日:◯◯◯(ここはよく聞きとれませんでした。話を聞いてると、新•座頭市シリーズのことを指してると思われます)だってそうですよね。

 

 

鈴木:そう。◯◯◯。あのひどい男。あの時のキャメラは凄いよね。

 

春日吉永小百合があんなにエロチックに撮れてるものってないと思うので。

 

鈴木:そう。原田芳雄のやつも良かったんだけど。

 

春日大竹しのぶの回とかも素晴らしいですし。

 

鈴木:毎回あんなにゲストがよく、、

 

春日:あれテレビシリーズ1ヶ月で撮ってたらしいですから。1話。

 

鈴木:最後、勅使河原、、(笑)

 

春日勅使河原宏ですよね。最後の2話だけ。

 

鈴木:もう無茶苦茶だよね(笑)

 

春日:時間がかかるからって、1年前から撮り始めてたっていう(笑)

 

市川:へえー。

 

春日:勝さんが100本中16本自分でやってて。他にも60本70本くらいは実質的には自分でやってたらしいですから。まあ無茶ですよ。

 

市川:春日さんの本によると、琵琶湖で海のシーンを撮るはずが、「本当の海を撮りたい!」って言って若狭まで行って撮ったっていう。ちょっとテレビの作り方としては常軌を逸してますよね。

 

鈴木:でも今考えるとね、内容を見るとよくこんなのテレビで流せたなっていう。

 

春日:そうですね。当時でもギリギリの方だったと思うんですよね。最後、フジテレビも早く終わらせたいってことで『水戸黄門』を裏にぶつけて、終わる理由を作っていくわけですよね。

 

市川:そうなんですか。

 

春日:ええ。

 

鈴木:確か3つくらいシリーズがあるんですよね。

 

春日:そうですね。第3シリーズまであるんで。森繁の回は前後編なんですけど、2人の芝居が長引いちゃったもんで、それで前後編にしちゃったんですよ(笑)

 

市川:凄い作り方ですよね。

 

鈴木:長くなるよね。あれは。

 

春日:楽しくなっちゃって、2人でアドリブでどんどん掛け合いしてたら前後編になってしまったっていう話とか(笑)まあメチャクチャですよ、聞いてると。プロデューサーの人が最終的には病気で倒れちゃって。まあまだお元気なんですけど。

 

鈴木:まあでも『座頭市』は凄いわ。ある種映画よりテレビの方が凄い。

 

春日:そうですね。テレビになってから、一段とランク上がった気がしますよね。

 

市川:鈴木さん、座頭市好きですよね。前に『千と千尋の神隠し』の私は宣伝プロデューサーだったんですけれど、予告編の打ち合わせをしようっていって、このマンションの前身だった部屋に呼ばれて、「これは参考になるからさ」って『新座頭市物語 折れた杖』のDVDを観るんですけど。

 

春日:おおー。

 

市川:夜中10時くらいから観始めて、一体これどうなるのかと(笑)

 

春日:あれは1番強烈なやつですからね。あれは座頭市が目に見えてない世界を、どうすれば映像で表現で出来るかっていうのをやってみたっていう実験映画ですからね。

 

---

 

鈴木仁義なき戦いで言うとね、深作さんっていうのはバイオレンスの名手って言われたでしょ?だけれど、僕はそうは思わなかったんですよ。どういうことかといったら、観てて気持ち悪くない。人を殺しても。それ何なんだろうって。

 

一方で、僕らの世代だと『切腹』で石濱朗を観てるわけでしょ?あれがバイオレンスでしょ?

 

春日:なるほど。

 

鈴木:そうすると、対極にあるよね。人を殺しても気持ち悪さはない。今の『るろうに剣心』のああいうのを観てると、人を殺すっていう感覚は全くないですよね。ゲーム感覚っていうのか。どうなんだろうってね。

 

春日:でものスピード感っていうのは、ゲームとか漫画見てる世代のものだとは思うんですよね。

 

鈴木:それはそう思いました。だから仁義なきもね、そういうことでいえば、あの感覚があった気がするんですよ。あの時代の。

 

春日:そうですね。カッティングのスピードとかあの辺の切れ味というものが、黒澤さんの映画にもそういうところありますけど、そういう映画っていうのは残っていくし、今の人はウケる。

 

あとスピード感が今ひとつの大きなテーマなんだろうなって。それこそ『切腹』みたいにズドンと宮島監督のワンカメで。ああいうのっていうのは今の人にはある程度覚悟を決めて観てもらわないといけないし、ああいうリズムってないでしょうからね。体の中に。

 

鈴木:殺陣っていうのがね。

 

春日:殺陣に関しても、どうあるべきか、どうしていくかっていうのもしょっちゅう考えてるんですけど。殺陣ってプロレスと同じだと思ってるんですけど。プロレスの変化とともに殺陣もあるし。今のプロレス、一発の技の重みとか一人ひとりのキャラクター性とかそういうのよりは、手数の多さとかスピードとかそっちにどれだけ30分の間にどれだけの技を込めれるかとか、そっちに走ってるところがある。

 

鈴木:数ですよね。

 

春日:漫才とかもそうですよね。手数をどれだけ入れていくかっていう。「間」っていうことに関しても、たけしさんなんかも言ってますけどね。

 

鈴木:それこそ『座頭市勝新の殺陣って、ワンカメでしょ?基本は。

 

春日:そうですね。

 

鈴木:それがちょっと踊りが入ってるのかもしれないけれど、その面白さがやっぱりあるんですよね。それでいうと、あの『座頭市』の殺陣ってね、黒澤の映画の殺陣に通ずるなって僕の中にあるんですよ。今たけしさんの名前が出たけれど、あの人が『座頭市』やって、しかしあれだけカットを割ったんじゃね、その面白さ出ないもん。

 

春日:たけしさんがよく言っているのは、今の観客は昔の映画の間に耐えられないっていうのが一つと。あともう一個あるのが、今の役者であったりスタッフの撮る映像であったりが、耐えられる間を作れないっていうのがあると思うんですよね。だから『アウトレイジ』の時にそれ言ってましたけど、どれだけ間を埋めていくかっていうことを考えてたって言ってましたけど。今の映画って、間を味わうとか間を作るっていうことは難しいんだろうなって。役者さんなんか特にそうだと思うんですけど、筋肉ありますからね。間を作るっていうのは。独特の。

 

松方さんもおっしゃってましたね。『十三人の刺客』の殺陣の中で、からみの人たちが殺陣やる時にガーってやっていくけど、ピタって止まる瞬間が必要だと。そこで緊張感を作るし、間があるんだけど、からみの人たちが誰もその間に耐えられないっていう。皆んなかかってこようかかってこようと動き出しちゃうから、「動くな!動くな!』って松方さん言ったらしいんですけど、ワーってかかってこようとしちゃうっていうのがあるので。

 

鈴木:あの『十三人の刺客』は結構上手くいってたと思うんですけどね。

 

 市川:松方さんだけ他の人と比べて異質でしたよね。

 

春日:松方のところだけ、自分で殺陣つけたっておっしゃってましたね。

 

鈴木:人気映画の殺陣なんかも、そういうもののエスカレート版のような気がするんだよなぁー。

 

春日:徐々にそうなっていきますからね。段々役者にしろ観客にしろ、スピード感が増していって、間に耐えられなくなっていくっていう映画の歴史っていうのはあるとは思うんですよね。静と動のどんどん動的なものに。

 

---

 

市川:春日さんが取材されている主に京都の職人たちが、どんどんいなくなっちゃうわけですよね。

 

春日:そうですね。

 

市川:そういう人たちが集まる正統派の時代劇かというのは、なくなっていきますよね?

 

春日:そうですね。彼らの強みって、よく言われるのは京都の人たちが作るとこうなるっていうんですけど、例えば、『水戸黄門』であったりとかもそうなんですけど、あの人は『仁義なき戦い』とかを作ってたスタッフであったりもして。結構激しいものも幅広くやれる人たちで、色んな中にあるこの選択肢っていう人たちなんで。それが出来る人たちがいなくなるっていうのは大きなあれですよね。

 

あともう一つは、彼らはノウハウを持ってるんで。何が大きいかっていうと、スピードと予算なんですよね。技術的なところとかは、例えば、歴史家の人を入れる、考証の人をいれる、殺陣師も誰か一人入れるっていう風にやっていくと、継ぎ接ぎのスタッフ編成で何とかやれないことはないんですけど。

 

最大の問題は、おそらく予算とスケジュールで。京都の人たちがやると、全部ツーカーでチームでやってますから速いんですよね。例えば、京都の制作の人と話すと、こういうシナリオでこのぐらいの人でこういうのやると、いくらぐらいしたらかかりますか?ってやると、このぐらいの額。このぐらいの額だけど、こことここが削れるから、実はこのぐらいでやれるっていう。東京でやる1/3くらいの予算でやれちゃうと。京都の人が高いとか思うけど、実は逆なんですよ。

 

それと彼らの場合は、そこに小道具から何からあるんで、知識もありますから、「あれ足りない』「わかった取ってくる」とか、全部すでに現場に用意して持ってるっていうことが出来るので、そんなに時間がかからないっていうのもそうで。それが出来ないのが最大のネックで。技術的な伝承っていうのは、僕はそこまで必要じゃないかなって思ってるんですけど。

 

ゼロからでももう一回作ることは出来るけど、そのスピードとか知識とかチームワークとか考えると、そこが撮影所とか彼らがなくなっちゃうと、どうしても時間かかるし。同じチームだと次の現場にそれが発展するけど、発展性がなくなるわけですね。また解散してゼロ集まってってなると、高まっていかないし。あと新しい何かを試す上でも不便ですよね。

 

さっき『るろうに剣心』じゃないですけど、強かったのは三部作やったことによって、徐々にみんな見えてきたと思うんですよね。あれ一発勝負だったら違ってたと思うんで。あれは三部作やったことによって、じゃあここ試そう、あそこ試そう、じゃあ最後こうなるっていう、そういう継続性っていうのが大事なんで。

 

京都の場合、継続性の集団なんで。それがなくなると最大のネックかな。実はこの2年くらい現場の若手たちと組んで色々とやろうとしたんですけど、予想以上に病が深いんで。ちょっと心が折れかけてますね。正直言って。驚きましたね。

 

一つは、生活の問題です。どうやって生活していくかって、現実に現場がないし、その中で新しいことをやるなんて考えもられないし。時代劇の勉強をすることも全然考えれない。とにかく来た現場をこなす。それだけなんですよね。空いた時間はバイトするってそれだけなので。その空いた時間に、「じゃあこういうことやってみない?」とか「ここの劇場ひと枠とれるから、低予算でいいから一緒にこういうのやって、みんなで売ってかない?」って提案するんですけど、もうそんな時間があったら、、

 

鈴木:余裕がない?

 

春日:余裕がないんです。だからその状況が予想以上に強いなと思ってて。笛吹けど音鳴らず、みたいな。こっちも予算持ってきて、劇場の枠も作ったりしたんですよ。それでもダメでしたからね。ここまで来たらダメだなって。

 

鈴木:若さ必要ですよね。

 

春日:そうですね。あとテレビの枠とかもっと強い枠がないと、戦えないなっていうのは。それだけの力は東京にもないですからね。そこが今すごく頭を抱えてるところですね。

 

鈴木:どういう殺陣をやるか、かあー。

 

春日:最たるものは殺陣師なんですよね。現場がなくなっていくと殺陣師がいなくなるんで。特殊なる技能だし、アクション監督だし。チャンバラはただただ剣道を勉強してればいいわけでもなくて、現場やりながら身につけていくことって多いんですよね。殺陣は演出ですから、さっきの間の作り方とかも含めてそうですけど、やりながら発見していくことも多いので。

 

若い人たちがこういう発想でやろうと思っても、それこそ彼ら自分でコンテから何から全部わかってないと出来ませんから。それは現場経験がないと、助手での経験も含めて出来てないと出来ないんで。

 

いま良い殺陣が出来る殺陣師の人って、70歳以上なんですよね。それより下になってくると、全部テレビ育ちの人たちだから、16:9の大画面の殺陣が作れないんですよ。人数たくさん動かすような。ようするに『水戸黄門』とかのようなパターンの殺陣とか様式の殺陣しか出来ない。いま70代の人たちが深作さんとか五社さんとやってきた最後の世代なので、ここがいなくなると、宝塚とかでも70代の東映の殺陣師に頼んでいるんですよ。ここがいなくなると、宝塚の殺陣をやる人もいなくなる、という状況で。

 

それはやっぱり岡田茂というのが一つ大きな責任があると思ってますね。彼はそれを途中で明らかに放棄してますから。作ってきたって彼は言うけど、作っただけであってその次を考えて作ってはいなかったことは間違いないので、そこが東映の責任はものすごく大きいと思ってますね。

 

市川:テレビ時代劇に交差したっていうのは見事な転換ですよね。

 

春日:転換してそこで安定収入を得られる、という状況にしたんですけど、そこに東映もそうだし現場もそうだし、みんな甘んじすぎちゃったわけですよね。それでパターン化してお馴染みものの時代劇をただ作っておけばいいんだっていうようになっちゃったんですよね。それで京都の技術力が落ちてっちゃったわけですよ。

 

前は絶えず新しいものを『仁義なき戦い』もそうですし、その前の集団時代劇もどんどん刷新していこうっていう意識でやっていったのが、80年代になってから『水戸黄門』『暴れん坊将軍』に代表するパターンもの時代劇をやるようになってから、小手先をちょっと変えるだけですよね。それになって後はそれを守っていけばいいって守りの発想になっちゃって、それで「時代劇は伝統だ」みたいなことを言って、それでどんどん若い人が観なくなっていくし、技術は落ちていくしってことで。たまにそれでも映画の現場がある時は良かったんですけど、それもなくなっていって。今の50代くらいのスタッフは映画の現場知らないですよね。

 

市川:そうですかね。

 

春日:テレビしか知らないくらいなんですよね。だから京都に関していうと、京都の上の人たちが頑張っているうちに、僕は東京との人事交流っていうんですかね。それがもっともっと出来ると良いなと。つまり、京都の現場とか若手スタッフに期待するのは難しいので、東京で例えば、ひぐらしでもいいし、ああいう現場やる時に、京都の殺陣師とか京都で尖ってた時代にやってた70代のスタッフを連れて行って、一緒にやることで伝えていくっていう。

 

---

 

春日:僕はとにかくそれこそ市川さんをはじめ、映画会社の人に頑張ってほしいなって思うことなんですけど、いま日本映画界、芸能界全体に言えることですけど、スターを育てないですよね。昔に比べて、とにかく芸能事務所便りにしているし、映画界がスターを育てていくっていうことをもうちょっと。つまり、映画館に来ないと見られない人とか華のある人って、一朝一夕簡単には出来ないとは思うんですよね。

 

鈴木:それ、追い求めます?

 

 

春日:やっぱりお客さんはスターで観に来ると思うんですよね。監督名とか企画名で来るって昔も今もそう多くはないと思うので、まずはやっぱり、、

 

鈴木:でもスターシステムは終わったんじゃないかな?

 

春日:システムは終わっても、スターは必要ですよ。やっぱりスターがいないと、映画は大作にはお客さん来ないと思うんで。例えば、スター監督とか誰でも良いんですけど。つまり、「宮崎駿監督の映画なら行く」っていうことだと思うんですよ。たぶんジブリっていう名前よりも宮崎駿の方が一般的には知ってると思うんですよね。皆さん。「宮崎駿監督の映画だから行こう」とか、そういうことですよね。「この映画は佐藤健だから行こう」にまだなってないと思うんですけど。そういう人が出て来たときに、日本映画って大きくなる。

 

それはやっぱり一朝一夕には出来ないというか。芸能事務所がこの人を売りたいから、とか、いま人気出たから使う、っていうんじゃなくて、ちゃんと芝居が出来て、諸々がちゃんと出来て、華のある人を育成していくっていうんですかね。

 

簡単に使い減りさせないで、ステップを上げさせてっていう。それに相応しい監督をつけていくっていうやり方と含めての映画界トータルでの人材育成として、まずスターっていうのが。その人で成り立つ企画っていうのが一人二人出てくるっていうのが、これは時代劇に限らず必要だし。

 

特に時代劇に限っては、トータルのパッケージですよね。着こなし、殺陣、色んな能力が必要ですから。そういうのが出来る人っていうのを10人くらいいた中から競争させるような何か、、

 

鈴木:テレビではそれをやってたんですよね。テレビのスターシステム

 

春日:そうなんですよね。テレビも結局ローテーションになっちゃうんですよね。それで、新しい人を入れなくなっていくし。あと芸能事務所が時代劇に出したがらなかった時期も出て来ちゃったもので、

 

それもあって本当にスター性のある人とかスター候補になりそうな人って、時代劇に90年代くらいから全く出なくなってきた。おそらく渡辺謙真田広之役所広司佐藤浩市くらいの年代が最後だと思うんですよね。それより下になってくるといないんですよね。それが。おそらく真田広之を作るっていうことだと思うんですよ。次の。

 

鈴木:でもそのためには本数が必要ですよね。

 

春日:そうなんです。それは絶対そうなんです。

 

鈴木:でも映画はもう無理だよね。

 

市川:時代劇ってことですかね?

 

鈴木:そんなさ、一人の役者のために色々作る。

 

市川:鈴木さんがおっしゃったように、高倉健さんのようなスター映画っていうのはもうそれは出ないとは思いますね。