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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>今村文彦さん 第2回「今できる津波からの防災」

2020年4月28日配信の未来授業です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、津波工学研究の第一人者で東北大学災害国際研究所所長の今村文彦さん。

 

東日本大震災の1年後に設立したこの研究所には、工学的な立場から津波を研究する世界唯一の研究機関であり、今村さんは津波工学の第一人者として研究だけではなく、地域の防災や減災のために活動しています。

 

地震大国で四方を海に囲まれた日本にとって、津波の問題は大きな課題です。

 

30年以内に起こる巨大地震の発生率は、南海トラフで80%、首都直下型が70%、宮城県沖で60%、北海道の千島海溝で40%と予断を許さない中、防波堤、防潮堤は巨大地震に対応出来ているのか懸念の声も上がっています。

 

わたしたちは、どうやって津波から命を守ればよいのでしょうか。

 

未来授業2時間目、テーマは「今できる津波からの防災」

 

今村津波に対する防災と減災を考えたいと思います。まず防災においては、津波に対してはハード対策として防潮堤とか防波堤が非常に重要ですね。昔は過去の津波を参考に整備していったわけなんですけど、東日本大震災以降は、目安として100年前後の可能性のある津波の高さに合わせて今整備をしています。

 

その場合は、津波が非常に大きくなって、例え釣りをしても構造物はキチンと維持をしていると。後から来る津波を抑えるというような、粘り強い構造をとられています。

 

震災以降の防潮堤はそのような基準で、それよりも前のものは、この性能と言いましょうか。中々厳しい状況もありますので、そういうものも自治体の担当者の方に確認していただければと思います。

 

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今村津波に対して防潮堤というのは非常に重要なんですけども、その高さを超える津波が来た場合は、逆に安心感を持っている方が為に避難が遅れてしまった。これは過去の事例でもたくさんあるんですね。東日本大震災もたくさんの事例があります。

 

防潮堤というのは一定の機能としては非常に重要で命や街を守るんですけど、場合によってはそれを超える場合、キチンと我々は避難をしないとそれで対応出来ない場合もあるということを教訓として、ぜひ頭に残していただければと思います。

 

ただ今は、気象庁から地震の後ですね、津波の警報等が出ます。具体的に1メートル以上とか、場合によっては3メートル以上とか、そういう数値は出ます。その数値に対して、いま例えば防潮堤があるとすると、ある高さまでは抑えてくれるはずなんですね。これで場合によっては避難をしなくても良い、安心感を持たれていると思うんですけど、場合によってはその防潮堤が揺れによって少し沈下したりとか、警報では予測出来なかったような局所的に津波が大きくなるとか、そういう可能性もゼロではないんですね。そういうこともあるので、万が一のために防潮堤はあってそれを超えないはずなんだけど、ちょっと避難をして安全な所に移動しておこう、そういう心構えは必要ではないかなと思います。

 

ーナレーションー 

津波の脅威は、到達する時間や動きの方向が予測出来ないこと。では、津波からの防災は不可能なのでしょうか。

 

今村:いま出来る津波の防災ですね、まず一つは、地域で整備されている防災マップ、ハザードマップを活用していただくと、どこまで津波が来るのか、それが何分なのか、これは確認していただきたいと思います。

 

しかし、逆流する津波があったり、思わぬ方向から津波が来たりします。その場合は、想定とは違う状況で来ますので、自ら判断して行動、避難をしなければいけないんですね。これはもちろん簡単ではないんですけれども、いま出来るものとして、例えば、自分で地図を描いて、ここはこうじゃないのかって示した上で、本当の地図と比べると、ちょっと違ってたりするんですね。

 

これは普段の知識とか経験で、我々の頭の中のマップが歪んでいるんですよ。それが為に行動を間違ってしまうということもあります。それを出来るだけ修正することが良いんですよね。避難訓練などでマップを作ってみて、正しいものと比べてみるとか、そういう状況をあらかじめ用意しておけば、落ち着いて対応は出来ると思います。

 

いま我々は「じぶん防災プロジェクト」というものを進めていまして。例えば、頭の中の地図を作ってみようというワークショップをやってみたり、あるプログラムはそのチェックをしていくと、自分の性格といいますか、防災の能力がわかると。自助が強いタイプなのか、公助なのか、共助なのか。こんなプログラムも入っています。