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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>今村文彦さん 第3回「逆流する津波」

2020年4月30日配信の未来授業です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、津波工学研究の第一人者で東北大学災害科学国際研究所の今村文彦さん。

 

東日本大震災で私達が目の当たりにしたのは、川下から川上へ遡上する津波の脅威。川の蛇行によってその動きや方向は複雑になり、まるで生き物のように予測がつきません。

 

こうした予測不可能な津波への対策には、普段、どんな訓練をしておけばよいのでしょうか。

 

未来授業3時間目、テーマは「逆流する津波」。

 

今村:9年経ちました東日本大震災なんですけど、当時の様々な映像とか色んなデータがとられまして。我々が知らない津波の姿が分かって参りました。

 

その代表が「逆流する津波」ということで、河川に沿って津波が海から内陸に移動してくる、この津波の怖さがわかってきました。

 

例えば、津波は海から時速700キロで猛スピードで来ます。その後、河口に入ってきてスピードは緩めるんですけども、それでも非常に強い流れがあり、河口から猛スピードで内陸の方に入ってきます。

 

東日本大震災の場合は、なんと河口から50キロまで入って来ました。つまり内陸まで津波が影響したわけですね。海でないから大丈夫、ということでもないんです。

 

特に河川というのは蛇行して曲がっていますので、グルグルっと周って背後から津波が来る場合もあります。実は挟み撃ちになってしまった、こういう状況も報告されています。

 

また都市部では、河川の堤防からそれを乗り越えて、排水溝から逆流してマンホールから出ている。これ実際あったんですね。そうしますと、海から少し離れているのにも関わらず、いきなり道路から溢れれてくると。東日本大震災気仙沼なんていうのも、実際の映像を見ますと、高さ5メートル以上水が噴き出ているんですね。ですからその周辺にいたとすれば、流されてしまう規模になります。

 

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今村:いま現在、日本は津波ハザードマップは整備されつつあるんですけども、実はいま紹介した「逆流する津波」に関しては、十分にその情報が入っていません。

 

ハザードマップでは、津波は最終的にどこまで浸水してくるのか、この情報と到達時間だけなんですね。今回のような「逆流する津波」がどこから侵入してくるのか、河川の堤防を乗り越えてくるのか、また街中に入って来ますと、ビルの間に集中して物凄くスピードが高くなります。そういう詳細な津波の情報は示されてないんですね。そのために、ぜひ都市部の状況では色んなルートで避難することを考えていただきたいと思います。

 

通常の指定の避難場所だけではなくて、例えばビルを使うとか、また地域によっては津波避難ビルということで指定してありますので、海から逃げるだけではなく、逆に違う方向から来たら、違うビルとか、または駐車場ですね。そういう高い所に上がっていただきたいと思います。

 

よく津波避難訓練というのをされるんですけど、大体一つのルートで終わってしまうんですね。自宅からこの小学校まで。そうではなくて、違う所も探していく。その途中の経路も河川がどこにあるのか、またもしここから逆流すれば、どういうルートがいいだろうと。水は基本的には高い所から低い所に行く。そういうものも注意して見ていただきますと、いざという時にもその情報を頭に入れていただきながら、本当に大変なんですけども、臨機応変な対応が出来るのではないのかなと思っています。

 

ーナレーションー

最後は仙台を拠点に活動する今村さんからメッセージです。

 

今村東日本大震災から9年が経ちました。当時は地震に加えて、巨大な津波、また様々な原発事故を含め広域で複合的な災害になってしまいました。

 

いま復旧から復興までにいってます。そこでの経験とか教訓というのは、地域で例えば、震災遺構だったり博物館だったり色んな学ぶ場所を提供しておりますので、ぜひ皆さん当時の経験とか教訓を東北の地方に来ていただいて、学んでいただければと思います。