Podcastなどを文字起こしするブログ

ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>高嶋哲夫さん 第1回「啓蒙と学習、アウトリーチ小説」

 2020年5月4日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、作家・高嶋哲夫さん。

 

高嶋さんが2010年に書き下ろした小説『首都感染』が、いま大きな注目を浴びています。

 

中国で生まれた新型のウイルスが海を渡って世界に拡散。日本でも感染が広がりら首都東京を封鎖する事態に...まさに現実を予言するかのような内容に驚きの声が上がっています。

 

高嶋さんは他にも、巨大地震原発事故ら大洪水など、数多くの災害サスペンス小説を手掛けてきました。

 

災害や危機に私たちはどう向き合えばいいのか。未来を見据える目を養うためには。今週は、高嶋哲夫さんと一緒に考えていきます。

 

未来授業1時間目、テーマは「啓蒙と学習、アウトリーチ小説」

 

高嶋:僕が神戸に住んでるってことで、阪神淡路大震災、これを経験してるんですね。その時に震災の状況を見て、これは残しておかなきゃダメだっていう意識があったんで、地震についてずっと調べて、やっと9年目に『M8』っていう地震の本を書き上げたんですね。

 

『M8』を書いた段階で、編集者さんと話をしてて、次があるでしょ、と言って書き上げたのが『TSUNAMI 津波』なんですよね。要するに、地震ということを調べていくと、日本はとにかく大きな地震が多いっていう。海岸地方に海溝型の地震が来た場合、必ず大きな津波が来るっていうことですよね。だから予言とかそういうことではなくて、過去の歴史と科学的な知識、そうすると、大体次に何が起こるかってことがわかるわけですよね。

 

だから『首都感染』についても、20年以上前に『ペトロバグ』っていう、これはバクテリアの話なんですけども、それを書く時に色々調べていた時に「パンデミック」という言葉に行き当たったんですね。

 

昔から億単位の人が死ぬような病気ですよね。それが今みたいに数時間で国境を超えたり、あるいは普通の人が外国に行くっていう。そういう状況でより致死率の高いバクテリアあるいはウイルスがどこかで発生すればですね、もう世界中を覆い尽くすという。それを2010年に書いて。その時も全然反響なかったんですけど、その時にちょっとでも反応があれば、おそらく今みたいな酷い状況にはならなかったのかなっていう。

 ーナレーションー

高嶋さんは工<学部の出身。大学院の修士課程を修了した後、日本原子力研究所、現在の日本原子力研究開発機構の研究員になりました。その後、アメリカの大学に留学し、帰国して作家に。

 

災害や危機をエンターテイメントとして描くバックボーンには、綿密なリサーチと確かな知識があります。 

 

高嶋:新聞を読んでて、非常に気になった項目とかですね、例えば、『M8』で地震を書いたら、次は津波だっていうのが何となく頭に浮かぶんですよね。そうしてるうちに、地球温暖化っていうことで大きな材料がたくさん来だした。

 

それと同時に起こることは、洪水ですよね。去年夏、あるいはその前ぐらいから洪水っていうことがすごくクローズアップされてきたっていう。それで『東京大洪水』。ですから、次から次へと連鎖的に前の勉強を使いつつ、次のが書けるっていう状況なんで、そんなに苦労していないっていうことです(笑)

 

僕は『富士山噴火』っていう小説も書いてるんですね。大きな地震が起これば、必ず近くの火山が噴火する。だから富士山も何回も噴火して、形を変えてるわけなんです。それを書いた時に京都大学の火山学者・鎌田さんという方と対談したんですけども、その時鎌田さんがおっしゃったのは、「アウトリーチ」っていう言葉なんです。啓蒙と学習って言ったかな。

 

僕の本はアウトリーチ小説であるっていうことを言っていただいたんですよ。だから、これは啓蒙しつつ学習が出来る本なんで、そんなに構えることなく気楽に読んでいただければ、かなりな知識が身につくっていう。

 

例えば、『M8』を読めば、地震のメカニズムとどういうことが起こって、日本はどこまで対策をとっているか。『TSUNAMI 津波』を読めば、津波についての色んな知識がわかると思います。で、『富士山噴火』を読めば、火山のことですね。

 

だから、今度の『首都感染』を読んでいただければ、大体ウイルスのこと、ウイルスが蔓延する過程、そういったことが全てわかるんで、どういうことをすれば防ぐ事が出来るか。そういうこともしっかり書いてると思います。