Podcastなどを文字起こしするブログ

ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>永濱利廣さん 第1回「グリーンとデジタルと人材育成」

2021年4月21日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

 

ーナレーションー

今週の講師は、第一生命経済研究所主席エコノミスト・永濱利廣さん。

 

様々な経済統計の分析、そしてオリンピックをはじめとした大きなイベントや出来事の経済波及効果の試算でも知られるマクロ経済の専門家です。

 

今週は「アフターコロナ」を大きなテーマに、新型コロナウイルスの影響で大きな転換点を迎えた経済の「これから先」の見通しを永濱さんに伺っていきます。

 

永濱さんは昨年10月の著書『経済危機はいつまで続くか』の中で、日本の個人消費が戻るのは、少なくとも3年程度はかかると指摘。また、コロナ禍で最優先されるべき経済政策は、「一刻も早いワクチン接種による集団免疫獲得である」としています。

 

それを踏まえた上で今日は、コロナ終息後を見つめたその先の経済を考える上で重要なキーワードを永濱さんに上げていただきます。

 

未来授業一時間目、テーマは「グリーンとデジタルと人材育成」

 

 永濱:この先の世界を見るキーワードというと、私は3つあると考えていて、まず一つ目は「グリーン」。2つ目が「デジタル」。

 

「グリーン」は環境問題。ちゃんとCO2の排出を削減していかないと、地球上で人が暮らせなくなっちゃうので、これは市場に重要なわけですよね。

 

「デジタル化」もやはり、コロナショックを受けて、特に今回給付金なんかを配る場合もですね、日本の場合はマイナンバーとかそういった政府のデジタル化が進んでないということが問題になったわけですけど、そういったところは進めなければいけませんと。

 

実は「グリーン」と「デジタル」は、菅政権でも経済対策の中にもかなりの予算が計上されていてやろうとしているんですけど、私一つ菅政権の政策の中でかけているなと思うのは、「人材育成」のところですね。

 

日本が求められている労働市場改革と言ったらいいんでしょうかね。どういうことかというとですね、今回のコロナショックみたいに急激に産業構造が変化をしてしまった時にですね、海外のように労働市場が流動化をしていると、適材適所に人材が動くことによって、早く対応が出来るんですけど。

 

日本の場合はですね、新卒一括採用、年功序列賃金、定年制、ということで同じ企業に長く働けば働くほど恩恵を受けるといったような仕組みになっちゃってますから、そんなの中々労働市場が動きにくいんですね。

 

そうはいっても中々難しいかもしれないですけど、よく言われている青写真というのが北欧諸国と言われていて。スウェーデンとかデンマークなんですけど。

 

ああいう国っていうのは、企業の解雇規制が非常に緩いので、企業は人材を解雇しやすいんですね。ただ人材解雇をしやすいっていうと、ネガティブな聞こえ方をされるかもしれないですけど、逆にいうと、いざとなったら人材を解雇出来るっていう安全網があるだけで、企業は積極的に採用が出来るんですね。いつクビ切ってもいいから。

 

じゃあ北欧諸国って、リストラされてる人どうなってるかというと、いずれも公的な職業訓練とかリカレント教育の支援が非常にしっかりしているんですね。新たな技術を身につけることによって、リストラされた時よりも高い待遇で再雇用される。

 

リカレント教育の現場で近年注目されているのが、フランスの仕組みでして。どういう仕組みがあるかというと、フランスというのは、働いている全員に国が電子マネー口座を配って、そこに定期的に電子マネーを供給していきますと。ただ、その電子マネーというのは、リカレント教育とか職業訓練にしか使えないお金を定期的に供給していて。

 

一方で、働いている従業員の人たちというのは、自分のよかれと思ったタイミングで電子マネーを使って自由に長期休暇を取って、スキルアップのための職業訓練とかリカレント教育、こういったことを受けることが出来るという権利を与えると。

 

そうなると、ある程度新たなスキルを身につけて、自分の働いている会社にさらに活かすか、もしくは転職するか、そういったことをやり易くなってくるので、日本も一つ参考になるのではないのかなと思いますね。

 

中々解雇規制って、すぐには緩和出来ないと思いますので、海外に比べると積極的労働市場政策、要は新たなスキルをつけて、転職がしやすくなるような政府の支出というのが、OECD諸国に比べて3分の1くらいしかないんですね。

 

そこ部分をもっと予算をつけて、日本でいうと学ぶことって大学までで、後は経験次第みたいなところがあるんですけど。そうではなくて、働いている従業員の方もですね、自分である程度の期間自由に休みをとって、スキルを身につけられるような。公的なお金の支援は政府が手厚くがやるみたいな。そういった政策を打ち出していく必要があるんじゃないかなという風に思います。