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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>永濱利廣さん 第3回「二つの経済システム」

2021年4月14日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、第一生命経済研究所主席エコノミスト・永濱利廣さん。

 

様々な経済統計の分析、そしてオリンピックをはじめとした大きなイベントや出来事の経済波及効果の試算でも知られるマクロ経済の専門家です。

 

今週は、アフターコロナを大きなテーマに新型コロナウイルスの影響で大きな転換点を迎えた経済のこれから先の見通しを永濱さんに伺っています。

 

火曜日は、コロナ後も続く新しい生活様式で重要な役割を果たす技術、5Gの可能性のお話でしたが、今日はその5Gを巡る大きな対立についてです。

 

未来授業三時間目、テーマは「二つの経済システム」

 

永濱:5Gっていうのは、世界の経済の覇権を争う非常に重要なポイントになっていて、「5Gを制するものが世界を制する」。そんな状況になっています。

 

そこで争っているのが、米中2大経済大国でありまして。ただ、足元の状況を見てみると、少なくとも5Gに関しては、中国の方が少し進んでいるのかなというところだと思います。

 

ですから、アメリカはそういった5Gの分野で覇権を取られまいと、色々中国叩きをしているという状況になるので、この5Gでどっちが覇権で勝てるか。で、今後の世界の縮図が変わってくる可能性があるかなということなんですね。

 

実は米中の5Gの進み方のみならず、今回のコロナだけではないんですけども、経済危機に対する対応を見るとですね、アメリカと中国の経済の仕組みっていうのがですね、かなり中国に有利に効いているという可能性があるという見方もあります。

 

どういうことかというと、これまでアメリカを中心とした西欧の資本主義を核とした民主主義の経済、これがいわゆる経済を中心としたシステムでは最も優れていると言われていたわけなんですけども、ただ、東西冷戦の終結の後ですね、社会主義国がですね、いわゆる市場経済に参入する中でそのリーダーというか、1番の中心が中国だったわけですけども。

 

中国っていうのは、これまでの民主主義を中心とした民主主義とはちょっと違ってるわけですね。何かというと、中国共産党といった一党独裁の中で社会主義市場経済って言ったらいいんですかね。資本主義と共産主義のいいとこ取り的な状況とも言えるわけでして。

 

どういうことかというと、共産主義とか社会主義というのは、それだけ何でも国が決めて、それだけ格差が広がりにくいというところがあるんですけど。中々努力が報われないところで、経済発展としては難しいんですけども、そこに今の中国のシステムというのは市場経済を導入しているわけですから、国で5Gの方向に行くぞっていうのは、国主導で一気に進みます。コロナショックで何か起きた時は、国主導で武漢を都市封鎖するぞ!一気にそっちの方に動きやすいわけですね。

 

それに対してアメリカを中心とした西欧の資本主義っていうのは、民主主義ですから、いくら国が主導で進めようとしても国民がついてこなければ動けませんから。実際にリーマンショックの時も、本来民間投資銀行をある程度支えて、経済を立て直していった方が良かったのに、国民の心情って言ったらいいんですかね。リーマンショックを起こしたあのけしからん投資銀行を何で作るのかっていうところで対応が遅れて、リーマンショックが起こって大変なことになった。

 

てことからすると、こういった激動な世の中の状況では、これまでの民主主義、資本主義経済よりも一党独裁社会主義市場経済の方が良いんじゃないかというところで、5Gについては中国が有利なのかなと。

 

ただ、中国が今後アメリカを抜いて世界を牛耳れますか?というと、そこまでに行くには私は力不足の部分もあるのではないかなと思って、それは何かというと、経済をグローバル化する中で国際経済取引をする時には、為替レートっていうのが重要になってくるんですけども、そこについては中国はいまだに管理フロート制って言ったらいいんですかね。変動相場制ではないんですね。で、たぶん中国がリーダーとなるには、そこは超えなきゃいけないハードル。

 

もう一つはですね、なんだかんだ言って、資源って重要だと思うんですけど、アメリカはそうはいってもシェールを開発したことによって、国内でエネルギー、資源を調達出来るんですけど、中国では国内で全部エネルギーを調達出来ない状況なんですね。なので、この2つの為替と資源のところをちゃんとやらないと、たぶん中国がアメリカを抜く日っていうのはないんじゃないかなというところはあると思いますね。