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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>永濱利廣さん 第4回「東西ハイテク冷戦」

2021年4月15日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週は、第一生命経済研究所主席エコノミスト・永濱利廣さん。

 

様々な経済統計の分析、そしてオリンピックをはじめとした大きなイベントや出来事の経済波及効果の試算でも知られるマクロ経済の専門家です。

 

今週は、アフターコロナを大きなテーマに、新型コロナウイルスの影響で大きな転換点を迎えた経済のこれから先の見通しを、永濱さんに伺っています。

 

5Gをはじめとしたハイテク技術を巡る米中の覇権争い。中でも今後、より激しさを増すとされるのが、AI、ビッグデータを巡る対立だと言われています。

 

さて、そのリスクはどの程度のものなのでしょうか。

 

未来授業四時間、テーマは「東西ハイテク冷戦」

 

永濱:AI、ビッグデータについてはですね、今のところ中国の方が一歩リードかなと思いますが、一方で、AIやビッグデータを用いて、非常に大きなビジネスにしているのが、いわゆるGAFAとかGAFAMとか言われますけど、アメリカの巨大IT企業なんですね。

 

こういったことからすると、国レベルで考えると中国の方がやや有利かもしれませんけど、企業レベルで考えると、今のところアメリカのGAFAが牛耳っているのかなというところだと思います。

 

そういった意味からすると、一番マクロエコノミストとして今後、リスク材料として警戒しているのが、AIとかビッグデータで色んなものが牛耳れるようになってくると、最悪はアメリカと中国が「東西ハイテク冷戦」みたいな感じで、完全に分断をされてですね、例えば、アメリカもしくはその同盟国の企業からは中国に輸出しちゃダメだ、とか。

 

逆にいうと、中国は中国でもレアアースアメリカおよび同盟国にしか輸出しない、とかですね、そういった形で経済が分断されるリスクがあるんですね。

 

そうはいっても、分断されてもですね、西欧はある程度常識があるというか、行き過ぎた所には規制が入ったりとか、そういった動きになりやすいんですけど、中国みたいな一党独裁だと、正直やりたい放題みたいな部分もあるわけで、そういった国の経済規模がちっちゃければ良かったんですけど、大きくなっちゃっていて。

 

さらに今回のコロナショックによって、ワクチンも中国で開発しているし、色んなところの新興国の開発とかも手伝ったりとかしてる中で、中国もマスク外交という話もありましたけども、どんどん中国が他国を味方につけていくようなことをしていくと、かなり厄介なことになるんじゃないかなと。

 

だからこそですね、アメリカもそうならないように中々アメリカだけでは難しいので、同盟国ということで日本であったりとかオーストラリアとかインドであったりとか、そういったところも会合してたりしますけど。いかにアメリカは他国と協力関係を結んで、中国に対峙していくかというところが非常に大きな鍵を握るんだろうと思いますね。

 

ーナレーションー

この米中による覇権争いは、多くの識者が「まだまだ長期化する」と指摘しています。

 

日本はもちろん、世界経済全体に影響を及ぼすこの対立の行方。そして、終息がなかなか見通せない新型コロナの問題。

 

先行きの予測が大変難しい状況が続いていますが、最後は、こうした世界の流れをしっかり読み解くためにはどんな経済指標に目を向ければいいのか。永濱さんに伺いました。

 

永濱:やはり世の中の流れに敏感にアンテナを張っておくことが必要であって、それって出来やすくなってるのかなと思ってます。

 

一般の人が一番注目すべきは、私は株価だと思っているんですよ。何でかというと、株価というのは日々動きますし、何か事象が起きたときにそれを専門家、投資家が早く折り込んで、かなり敏感に反応するんですよ。

 

となると、株価を見てるだけでは何にもならないんですけど、株価を見ていて何か変動した時に、どういった要因で動いたのか、ということを見ることによって、かなりビビッドに今の世界情勢なり経済がどう動いているかというのがわかると。

 

さらに加えれば、そういうのがわかるようになってくると、最近でもですね、ネットで簡単に投資が少額でしやすくなったので、いま若者でもかなり証券口座増えてるわけなんですね。

 

そういった新しい世代の人たちがですね、上手く投資をしていけばどういうことが起きるかというと、日本はこれまでシニアの投資家たちって、バブルの崩壊を経験しているので、その時のトラウマで中々上手く投資が出来ない。ちょっと儲けが出ると、すぐ売っちゃう。それによって将来的な資産形成が上手く出来ない人たちだったんですけど。

 

今の若い人たちって、良い意味でも悪い意味でもバブル崩壊知らないんですね。あれはあくまで異常であって、普通の株価っていうのは、普通の国の株価っていうのは、それなりに成長していくので、上がったり下がったりはしながらも、トレンドでいったら右肩上がりっていうのは当たり前の状況なんですよ。

 

てことからすると、そういった悪しきトラウマがない若い世代が、これから株価をつぶさに見て、世界情勢を把握して、少額ずつでいいから投資をしていくことになればですね、色んな世の中のこともわかってくるし。

 

かつ、投資で将来の備えに向けても形成出来るということになってくれば、これまで「失われた30年」と言われていますけど、若い世代がそうしていくことで払拭していける新たな日本が築いていけるんじゃないかな、という意味では、株価は非常に重要なんじゃないかなと思います。