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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>星野ルネさん 第3回「気持ちは言葉にしないとわからない」

2020年5月27日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、漫画家・星野ルネさんです。

 

星野さんは、アフリカ・カメルーン生まれ、日本育ち。カメルーン人の母、日本人の父の両親で育ちました。

 

国際的な人の移動や交流が進む現代。価値観や生活習慣の違いを受け止めて、コミュニケーションを深めるにはどうしたらいいのでしょうか。

 

星野さんのコミックエッセイ「アフリカ少年が日本で育った結果」には、そのヒントが詰まっています。

 

未来授業3時間目、テーマは「気持ちは言葉にしないとわからない」

 

 星野:社会に出ると仕事しないといけないんで、仕事ってコミュニケーションすごく大事なので、僕は4歳から日本にいるので、周りの日本人とものの考え方や感覚に大きな違いはそこまではないんです。大きくは。多少はあるかもしれない。

 

でも、海外で育って日本に来て、外国人の人と日本で働くっていう場合は、海外で20年くらい生きてる人っていうのは偏見でもなんでもなくて、本当に考え方とか感じ方とかが違うので、そこは「どう思った?」とか「これはどう感じた?」って確認しないとわかんないんですよね。お互い価値観とか違うので。だから、お互いの言動とかに食い違いとか誤解とかが、たくさん起こるという前提でいた方がいいです。

 

だから、ものを伝えた時に自分がどうしてそれを伝えたのか、何でこう言うのかって自分の気持ちっていうのをちゃんと伝えないと、日本人と会話する時には、[ああして下さい」「こうして下さい」「こうです」だけで何となく、こういう意味だなってわかるけど、他の文化から来てる人は、「こうして下さい」「ああして下さい」「あなたはこうですね?」っていうだけでは、その文脈や裏にあることまで汲み取ってくれないので、「私はこう言うのは、こうだからなんですよ」っていう文化的な背景と自分が何でこう言うのかっていうところまで言うようにする工夫は必要になるかもしれないし。

 

逆に自分が受け取る時っていうのは、相手はこう言ってるけど、相手がどう意図でこう言ってるのか、ちゃんと確認しないと、自分も間違う可能性があるっていうことを知っておかないといけないんだろうなって思います。

 

そういう日本と似たような価値観を持ってる文化圏あると思うんですけど。日本と同じような島国であるイギリスだったりとか、ドイツ人結構日本人と感覚似ている部分があったりするっていうのとかはあったりもするんだけど、世界全体的に見ると、日本のように「言わなくてもわかるよね?」っていう文化ってたぶん少数派だと思うんです。ほとんどの文化圏では、ちゃんと伝えないとダメじゃないですか。「ああ、暑いな」って言っただけで「エアコン入れましょうか?」っていうのは、日本的な文化圏なんで、ちゃんと伝えないといけないですよねっていうのを思ってます。

 

ーナレーションー

星野さんから見て、日本で多様性や異文化への理解は深まってきた、と思いますか?

 

星野:おそらく変わってるとは思うんですけど、自分の年齢も変わってるし、住んでるところも今東京に来てるんで変わってるので、ハッキリとどう変化したかっていうのは、全部同じ場所で定点で観測してないのでわからないんですが。

 

人口比で占める外国人の数とかハーフの子供の数は増えてるので、そういう子供たちや人に接する人は増えているので、必然的にみんな経験値を積んでくるし、メディアやSNSでそういうことが取り上げられることが増えてきてるんで、やっぱ人の意識自体は変わってきてますよね。それで炎上騒ぎになったりするし。それを見てみんな考えるだろうし。変わってることは間違いないですよね。

 

アイデンティティとして、僕は日本人ですっていうことも言わないし、カメルーン人ですとも言わないですよね。僕の場合は。日本とカメルーン両方にルーツがある地球人というか、人間であるという感覚。だから、日本生まれ日本育ちの人には理解しづらいんですけど、日本人でもあるしカメルーン人でもあるという感覚。っていうのは実現可能というか、多くのハーフの人とかは、僕はハーフではないですけど、多くの人はそういう感覚でしょうね。

 

多様性についての異文化理解とか多様性ある社会で生きていくためにどういうことをしていた方がいいのかとか、どういう風に考えたらいいのかっていうことを、僕の描いてる漫画をプロジェクターでエピソードを紹介しながら、このお話っていうのはこうこうこうでこうだからこうなんですよっていう、僕のそこで学んだこととか考えて欲しいことを伝えるっていう。

 

何かを強制したりとかっていうことはあんまりしなくて、考えるきっかけを与えたいだけなんで。基本的に。こんなこともあるんだよって。こういう風に思う人もいるよって。みんなはどう感じる?みたいな。問いかけるスタイルですよね。