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ポッドキャスト版「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」「未来授業」の文字起こしをやっています。「未来授業」は2020年4月分からです。文字起こししてほしいものがあれば、ツイッターのDMに連絡下さい→https://twitter.com/hatake4633

<未来授業>武藤真祐さん 第2回「オンライン診療の限界と可能性」

2020年6月2日配信の「未来授業」です。

www.tfm.co.jp

 

ーナレーションー

今週の講師は、株式会社インテグリティ・ヘルスケア代表取締役・会長の武藤真祐さん。

 

東大病院など国内の病院勤務、宮内庁の侍医を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニー経営コンサルタントを経験。2009年にインテグリティ・ヘルスケアを設立し、2015年頃から医療ITのサービス、またオンライン診療システム「YaDoc(ヤードック)」のサービスを続けています。

 

新型コロナウイルスの感染拡大で、オンライン診療が特例的に緩和され2か月。まだ対応している医療機関は限定的だと言いますが、それでもメリットや課題が浮き彫りになってきているといいます。

 

未来授業2時間目、テーマは「オンライン診療の限界と可能性」

 

武藤:まずは問題としてはですね、実際に診療してみようと思うとですね、例えば、目の前に患者さんがいれば、胸の音も当然近くなりますし、実際のところ痛みがあれば触ったりですとか、見てキチンとした診断がしたいと思います。必要があれば採血をして、より詳細なデータを得ようと思うんですが、そういったものをやろうと思っても出来ない。

 

したがって、トリアージという言い方を我々はしますけども、その人が本当にある意味放っておいていいような軽症なのかと。

 

例えば、風邪であれば、漢方薬を飲んで様子見をしていいのか、それとももしくは気管支炎かもしれないので、これはキチンと調べた方がいいと。重症だったかもしれない患者さんを見落としている可能性というのは、あり得ます。

 

適切な短い時間での診断をして、早目に我々の言葉でいうと「介入」といいますけども、薬を飲んでいただいたり、色んなことをしてもらうということがやや遅れる可能性はある。それほ間違いないです。

 

ただし一方で、受診控えをしてしまって、患者さんが何らかの理由によって医療機関を受診出来ない、もしくは適性な医療にアクセス出来ないという問題は元々我々としては課題とは思ってました。

 

例えば、忙しい方がですね、ついつい病院に行かずに薬を飲まなくなってしまう、という例も時間というボトルネックがあったわけですし、もしくは、高齢化になって独居を捨てるような場合は、行きたくても交通手段がなくて行けない、という実際の手段という意味において課題もある。

 

もう一つ大きいのは、人間なので、どうしても決められたことを守るわけではないので、人間の特性としてキチンと受診をしたり薬を飲むということが難しいわけですので、そういったこともあってですね、いずれにしても本来あるべきな定期的に受診をし、定期的に内服をする医療というものは、どんどんと課題の方が大きかなるだろうなという風には思ってましたので、これがオンライン診療で我々医師がですね、キチンとこういう時にはこういう診断があるかもしれないから、この薬を飲みなさい、ですとか、ワクチンだったらこの時期に受けないといけないので受けた方がいいよ、とかですね、そういったことを補うという意味においてはですね、非常に良い面があると思っています。

 

なので、オンライン診療の限界というのは、対面診療ほどはその瞬間の診断はできない。ただし、ゼロよりは遥かに良い、という観点がまずあります。

 

もう一つは、オンラインのモニタリングと我々言ってますように、実際に対面で診療する場合、特に慢性期の疾患などの場合は、患者さんの状態を我々は会った時にのみわかって、診察をするわけですけども、もし患者さんがいない、我々が見ない間の一ヶ月程度、キチンと血圧を測って、システムに入れてもらえればですね、我々はパッとグラフ状で見れますので、キチンとした医療、例えば、高圧薬を増やすとか減らすとか、そういったものも含めて、今まで見えてなかった情報を見ることが出来る、という意味においては、このオンラインの診察であるとかモニタリングであるとか、そういうものは重要なんです。

 

なので、メリット・デメリットある中で今回のオンライン診療は役に立つというところはかなりあるなと。特にこのコロナの時期において、患者さんが受診控えをしている時にはメリットの方がデメリットを上回っている。このように思っています。

 

コロナの間の時限措置いうことで、いま初診もOKであるとか、そこに対しての診療報酬というのがついたりとか、そういったことがあるわけですけども、少し落ち着いた後にですね、きっと振り返ることをするべきで、キチンと分析をした結果、残すべきものは残して、規制をもう一回厳しくしなければいけないところはした方が良いと思うんです。

 

ただ、全般的にはもうウィズコロナともいえると思うんですが、人々の生活様式を大きく変えていきますので、これが医療においても同じようなことが起きると。したがいまして、オンライン診療というのは、今と同じ形ではないかもしれませんが、必ず残っていくという風に思います。