ーナレーションー
新年明けましておめでとうございます。本年も「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」ご愛聴下さい。
さて、2015年最初の放送は、時代劇研究家•映画評論家の春日太一と東宝の市川南さんをお迎えして、昨今、減りつつある時代劇の今後についてお送りします。
2014年12月18日配信の「未来授業」です。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol348.mp3
依田:実はこうして人前でお二人で話されるの確か初めてなんですよね?
秋元:そうですね。
鈴木:ラジオに呼んでいただいたんですよね。
秋元:そうですね。
依田:今日実はこのイベントのために、秋元さんには『風立ちぬ』と『かぐや姫の物語』ご覧いただいてるんです。
鈴木:そうなんだ。ありがとうございます。
秋元:素晴らしいですよね。当たり前ですけど。
依田:普段、こういう場にそもそも秋元さんが登場されるっていうのも相当レアだと思うんですけども。どうでした?ご覧になって。
秋元:1番は思いが伝わってきますよね。僕なんかはどうしてもずっとテレビという仕事をしてきたんで、どうしても最大公約数というか、子供からお年寄りまで楽しめるもの、という、まずそれを考えちゃうんですね。
ですから、こういう表現は伝わるだろうかとか。作詞家としてこういう言葉を使った時にどれぐらいわかるだろうかとか。例えば、「フライングゲット」という言葉でタイトルにいこうかなと思った時に、フライングゲット、フラゲ、フラゲ、というのをどれぐらいの人方がご存知なのかということを一瞬でも考えちゃうんですけど。
やっぱり心が表れるかのように、この2作品は監督の、もちろんオーディエンスを考えてらっしゃるのかもしれないけれど、まずその監督からのメッセージというか、そこがシンプルでそれは凄いなと思いましたよね。
鈴木:ありがとうございます。
ーナレーションー
今週は、9/23にスペースFS汐留で行われた『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』ブルーレイ&DVD発売記念、鈴木敏夫×秋元康 公開特別対談「どうなる?エンターテイメントのこれから」の模様をお送りします。
日本のエンターテイメント界を代表するプロデューサー2人の頂上初対談です。
司会は、2人をよく知る日本テレビの依田謙一さんです。まずはこんなお話から。
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2014年11月21日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol342.mp3
上野:なんでアメリカっていうテーマだったんです?
鈴木:いやーこの歳になって振り返ってみたらね、アメリカに翻弄されてきたなって思い知らさらたんですよ。
上野:アメリカコンプレックスはありました?
鈴木:というのか、何しろ僕らの世代ってよく覚えてるんですけど、小学校4年のとき、クラスの高橋くんというのが授業と授業の間にね「鈴木、徴兵制が始まるらしい」とかね。4年生でそういう話をする時代。
上野:4年生。朝鮮戦争終わってますよ。
鈴木:そのぐらいですか?
上野:うん、終わってますよ。
鈴木:日本が徴兵制始まるって言われたの、ものすごい記憶に残ってるんですよ。で、少年マガジンが始まるじゃないですか。
上野:うん。
鈴木:少年マガジンの中にね、みんな独立と共に「こうすれば日本は本当は勝ってた」って話ばっかりでしょ(笑)
上野:男の子って妄想系なんだねー。
鈴木:これはね誰も言ってそうで言ってないのが、我が家にテレビがやってきたんだけど、捻ってみたらそこから流れてきたものは全部、、
鈴木:でしょ?
上野:『パパは何でも知っている』ですよ(笑)
鈴木:ビーバーちゃんとか。
上野:『奥さまは魔女』ですよ。
鈴木:そうすると、テレビでアメリカをよく言われるように、ドア開けたら居間があって、色んなものがあって憧れる。でも一方で、少年マガジンで憎っくきアメリカの話でしょ?
上野:その時、対戦相手アメリカだと思ってました?
鈴木:それは僕はわかってましたよ。だって具体的に書いてあるんだもん。
上野:だって勝てないって、あのテレビで出てくる物量。勝てないと思うでしょ?
鈴木:勝てないとは思わなかった。
上野:ええー!やっぱり男は妄想系だ!
鈴木:(笑)
上野:精神戦で勝てるとか?
鈴木:いやそうじゃないんですよ。なんだかっていったら、その根拠となることを少年マガジンが資料として提供してくれてたからですよ。
上野:だから情報統制するからでしょ?
鈴木:まあそれはその通りなんだけど。
ーナレーションー
AERA8/11号のスペシャル企画。上野千鶴子さんと鈴木さんの団塊世代ど真ん中対談。
改めて、上野さんのプロフィールをご紹介しますと、1978年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了後、シカゴ大学人類学部客員研究員など、世界各地の大学の客員教授を務め、現在は東京大学名誉教授、認定NPO法人「ウイメンズアクションネットワーク」理事長などの肩書をお持ちです。
1994年、『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞を受賞。『差違の政治学』『おひとりさまの老後』『〈おんな〉の思想 私たちは、あなたを忘れない』など、数々の著書を書かれている日本を代表する社会学者のお一人です。
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2014年10月31日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol340.mp3
鈴木:大泉啓一郎さんの『消費するアジア、老いていくアジア』なんて本をある時読んだんですけど、そうしたら僕ビックリしたのは2つあって。1つはアジアでとっくに少子高齢化は始まっているんだっていう。
上野:そうですそうです。
鈴木:僕知らなかったんですよ。
上野:階層格差は大きいですけどね。日本は押しなべて。
鈴木:僕なんかは偏見があって自分でもね、反省したんですけど。アジアっていうと、農業。と思ってたら、、
上野:いえ、とんでもないです。
鈴木:とんでもない話なんですね?
上野:それは高度経済成長期で常識が止まってます。
鈴木:すいません!(笑)その方の本でね、僕は初めて知ったんですよ。なんと少子ということでいえば、もうとっくに2人は切ってるんですよね。アジアの色んな国も。
上野:そうです。インドはIT大国だし。
鈴木:ね。国連が2001年だかに、人口のやつ下方修正したんですよね。100億いかないっていう。
上野:ああ、ようやく。
鈴木:99で止まると。それでアジアはもう少子高齢化になって、これから人口増はアフリカだけであるっていう。それ以前は100何億っていうのだったのが下方修正されたっていうのを読んで、、
上野:国連の人口問題の最大課題は、人口抑制ですから。やっと達成されつつあるんですね。でもそんなことは大したことじゃないんで。
鈴木:(笑)
上野:つまりね、例え100年だとしても、、
鈴木:あなたは長生きすると。
上野:違うんですよ。66というのは、3分の2過ぎてるんですよ。折り返し点とかではないんですよ。
鈴木:まだ3分の2ですか。
上野:でも後はずっと下り坂ですから。
鈴木:6分の5くらいにして欲しいですけど(笑)
上野:まぁまぁそれでも良いんですけど。最近は私はね、「私は」っていう主語で文章を書き始めるとね、過去形なんですよね。自分の経験が過去に属するようになってきたんです。1人でものを書く時にはね、なんか限りなく弔辞に近くなるんですよね。「鈴木さんという人は」とか(笑)
鈴木:(笑)
上野:すごく切ないんですよ。とても悲しいんですが、その人の成し遂げたこととか、存在っていうのが過半が過去に属するようになる。その時にジブリの解雇をなさるっていうのはね、過去になってしまったものを振り返ろうという、そういう所におられるってことでしょう?
鈴木:いや、もう引き出しの中にしまいたかったんですよね。
上野:なるほど。はいはい。
鈴木:だからもう悪魔には身は売らない、これからはっていう(笑)
上野:だいぶ売ってこられましたか?
鈴木:やっぱり立場上それは僕がやらざるを得なかったんですよね。本当損な役回りだなと思ってきたんで。それは宮崎駿とか高畑勲は良いですよね。作ってりゃいいんだから。
上野:(笑)
鈴木:そういうことは全部僕の方へ来ちゃってね。請け負わなきゃいけなかったっていう恨みはありますよね。
上野:いやでもこれを拝見すると、書いてないこともいっぱいあるのかもしれないけれど、一言でいって、「好きな人と好きなことだけやってきた」って書いてあって。なんとお幸せな。
鈴木:それは自分でも自覚はありますね。気の合う人と出会えたっていうのは僕の最大の幸せかなって思ってます。
上野:まぁそうですよね。で、まぁ『仕事道楽』っていうタイトルがなかなかいいなと思って。私は自分がやってきたことはね、学問極道(笑)
鈴木:色んなところに書いてらっしゃいますよね。
上野:本当に世のため人のためじゃなくて、自分がスッキリしたいがための極道だと思ってきたので。
ーナレーションー
今週は、鈴木さんが1号限りの編集長を務めた『AERA』8/11号の企画で実現した、日本を代表する社会学者の上野千鶴子さんとの対談をお送りします。
上野さんは、鈴木さんと同じ団塊の世代。お互い初対面とは思えないほど、熱く、深く、多岐に渡り3時間近くのトークバトル。鈴木さんいわく「あまりに面白いので、3週に渡って放送したい」ということで、3週続けてのスペシャル企画です。
まずは、ジブリについてのこんなお話から。
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2013年10月8日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol288.mp3
瀧井:今回はこの『世界地図の下書き』の発売と『風立ちぬ』の公開を記念をしての対談ということで、よろしくお願いします。
朝井:記念された!嬉しい。記念された。
瀧井:本当に今回表紙がまさか、まさかっていう。
朝井:本当です。ダメ元だと思って。
鈴木:だってうるさかったんですよ(笑)
朝井:(笑)本当に編集の方がアタックをして下さってっていう。
鈴木:まあ色んな方からね、そういうご注文って実は多いんですよ。
朝井:そりゃあ、そうですよね。
鈴木:僕は言われた時にすぐ、近藤勝也のことを思い出してて。もしかしたら、やってくれるかもしれないなって思ったんですよね。そうしたら、本当に2つ返事で。
朝井:いつダメになるんだろうなって思ってましたもん。ずっと。原画を見るまで。やっぱダメでしたって。やっぱ無理でしたスケジュール的にっていつなるんだろうなって思ってたら。新しい映画の直前に作られる本ですし。
鈴木:要するに、描けるかどうかですよね。
朝井:読んでいただいてっていうところで、読んでもらって面白くなかったって思ったら、やっぱり描くことって難しいんだろうなって思っていたので、読んでいただいて描いていただけるっていうところで、凄い緊張しました。
普段、ジブリの作品に関わってる方じゃないですか。だから物語を見る力みたいなものって、とんでもない研ぎ澄まされ方をしていると思うので。
鈴木:それはない(笑)
朝井:いやいや、それの方に読んでいただけるっていうのが怖かったですね。本当に。
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