ーナレーションー
先日、中央公論新社から発売された、ナウシカから風立ちぬまでのジブリ30年の歴史を鈴木さんが語り尽くした本、『風に吹かれて』。インタビュアーはロッキング・オン代表の渋谷陽一さんです。
今夜は、その中から鈴木さんの幼少時代から宮崎駿監督、高畑勲監督との運命の出会いを果たすまでの物語をお送りします。
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2008年11月25日配信の「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」です。
http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol60.mp3
渋谷:アメリカ公開っていつ頃なんですか?
鈴木:来年の3月。
渋谷:どれぐらいの規模でやるんですか?
鈴木:今度はね、然るべき人に頼んだんで、かなり大掛かりに。
渋谷:それで何某か形になると、かなり色んなことが楽になりますね。
鈴木:これから面白くなりますね。僕もどうしようかなと思ったんだけど、スピルバーグのプロデューサーのキャシーっていう女性に。まぁやることは凄いですよね。
渋谷:ああ、そうですか。
鈴木:うん。とにかく彼女に頼んだことが大成功で。ある問題を巡って蹇々轟々(けんけんごうごう)やってるときに彼女が登場すれば、全てが5秒で結論が出ると。
渋谷:恐ろしい〜(笑)
鈴木:キャシー・ケネディさんっていうんですけどね、美人なんですよ。
渋谷:いいですね。
鈴木:シナリオも僕らが読んでもよくわからないけど、『E.T.』書いた人がシナリオを書いてくれて。
渋谷:へー!
鈴木:メリッサっていう女性かな。これが非常に良い本が出来たっていって。英語のわかる人はみんな言いますね。
ーナレーションー
ポニョはいよいよ海外へ。そんな気分も高まる夜、一人の熱烈なポニョファンがれんが屋を訪れました。
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http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol54.mp3
ーナレーションー
堀田善衛。1918年富山県生まれ。1951年小説『広場の孤独』他の作品で芥川賞を受賞。その後ヨーロッパ、アラブ、中国、日本、中世、近代、現代、様々な国や時代を俯瞰する視点で独自の作風の作品を発表し続ける。
一方、映画『モスラ』の脚本に参加。晩年には彼を慕うジブリの宮崎駿監督、鈴木プロデューサーと親交を温める。1998年没。没後10年にあたるこの秋、10月4日から横浜の神奈川近代文学館で「堀田善衛展 スタジオジブリが描く乱世」が始まる。
折りしも、世界中の経済システムがあっという間に壊れて、本当に乱世がやってきてしまったこの一週間。でも近代文学館の建つ横浜の港が見える丘公園は、のどかな秋の日差しに包まれていました。
宮崎吾朗:宮崎吾朗です。堀田さんの本の『路上の人』もそうですけど、あれはカソリックとカソリックの権力のもとで生まれてくる異端を絡めた話ですよね。そうすると、主義主張、理念、そういったもので人は動かされる一方で、それがあるが故にものすごく悲惨なことも同時に起きる。やっぱり人はそれに左右されるし、それに準じていく人も沢山出る。それでいいのかっていうのがものすごい強烈な堀田さんの主張ですよね。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、人が生きてくことそのものが1番大事なんだと。平安時代末期で世の中大変だろうが、とにかく生きてる人は生きてかなきゃいけないんだから、みたいなことを一方で書かれていて。こういう考え方が今大事かなっていうことを思ったりしますね。
ーナレーションー
あなたは、堀田善衛を知っていますか?
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http://podcasts.tfm.co.jp/podcasts/tokyo/rg/suzuki_vol53.mp3
宮崎:スタジオジブリの宮崎吾朗です。堀田善衛さんの展示会にですね協力してもらえないか、というお話を百合子さんから頂いたのがちょうど去年のもうちょっと早かったんですかね。そこから我々に何が出来るのかということを考えた結果、もしジブリが堀田善衛さんの作品を原作に映画を作るとしたら、どうなるんだろうっていうものを描いてみようと。
ーナレーションー
宮崎吾朗監督が制作を担当、父親の駿監督もポスターを描き下ろし、講演会を行うこの展覧会。一体何が展示されているんでしょう。
司会:堀田百合子さんに一言お願いしたいと思います。
堀田:早いもので亡くなって10年ということなんですけど、ジブリさんには今回素晴らしい展示をしていただきまして私としては本当に有り難く思っております。宮崎吾朗さんのご苦労が忍ばれる作品でございます。皆さまじっくり観ていただきたいと思います。
ーナレーションー
展覧会のパンフレットには、こんな宮崎駿監督の言葉が記されています。「潮に流されて自分の位置がわからなくなったとき、僕は何度も堀田さんに助けられた。」
今夜、レンガ屋を訪れたのはそんな堀田善衛さんの娘、堀田百合子さんです。
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